ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

第3逃亡者

 

第3逃亡者 [DVD] FRT-025

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あーそうかーこの頃はもうコレだけヒッチコックっぽいのかー。まあ所々ツメが甘くて、まず主人公が犯人と誤解される説得力が浅いよなーとか、コートで冤罪が晴れる根拠が少なすぎるよなーとか。そこら辺の細部をどれだけ詰めるかでこういうサスペンスの没入度は段違いだと思うので、まだこの頃の映画はそこまでのリアリティは求められてなかったのかしら。所長の娘という仕掛けもドラマティックではあるがしかしさすがにやりすぎよなーという感じでもあるので、ある意味牧歌的な感じを受ける。逃亡犯の顔写真が新聞に載るとか普通にあってもいい展開だもんなあ。

とか文句垂れつつも、クライマックス前のクレーンからの目パチズームでもう「わーまいったー」って感じですよね。オレがヒッチコック作品で一番好きなのは、そういう技術が可能にする表現が作品に密接な形で寄与しているところで、まあ一番わかりやすいのがめまいズームだよね。この映画だと他にも冒頭の死体が上がるシーンで全く関連性なく挟まれるカモメのハイスピードカメラがすげー良かった。ロジカルって言うよりも完成で挟んだような編集だと思うけど、なんだかもう信じられないくらい不気味に仕上がってて謎。いやほんと、ヒッチコックはすげーわ。