ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

汚名

 

イングリッド・バーグマンとケーリー・グラント。ああ、これぞヒッチコック! って感じである。この前に『暗殺者の家』観たばっかりだったってこともあって最高に安心。いつもの合成の車シーンからの正体明かしとか、母親が階段を下りてくるのをじっくり長回しで見せたりとか、俯瞰から手の中の鍵へのズームだとか、時間制限をシャンパンの数で知らせる辺りとか、敵の内面描写を引っ張ってどこまで気付いたかを宙ぶらりんにしておく辺りとか、そうそうこれがサスペンス! ヒッチコック! って感じだよなあ。クライマックスが、「彼女を連れ出して外に歩み出る」だけというのも最高にイカしてる。あんなに地味な絵面で作品がちゃんと落ちると計算できてる辺り、並みの監督じゃないよなあホントに。

とはいえこんなにストレートに恋愛を書かれるとは思ってなくてちょっと面食らう。熱烈ラブシーンの長回しとか仕事と恋人の狭間で悩む主人公とか、うーん、あまりに普通のドラマ過ぎてヒッチコック大丈夫? とか思ったりもした。まあ、イングリッド・バーグマンとケーリー・グラントだからそういう芝居を観たいよなあ、とという感じは確かにする。