ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

マンハント

gaga.ne.jp

つまりジョン・ウーは現実から浮遊しなきゃいかんのだな。序盤の珍妙な日本っぽい土地でのカタコトやり取りからの殺陣は、現実とは違ったもうひとつの「ジョン・ウージャパン」を規定するとみるべきで、そこに引っかかってはいかんのだろうなあ。そういう意味ではいきなり始まるバブルなダンスもジョン・ウージャパンとして片付けなきゃイカンし、なんかよくわからん平地になんかよくわからん状況で設置されてる鳩小屋もジョン・ウージャパンで納得しなきゃならんし、突然ドヤが現れて主人公を匿ってもしょうがないしょうがないしょうがないしょうがないってんなわけあるかーい!! と叫び出しそうな自分の理性を収めるので必死。やっぱ日本が舞台なのが悪い方向に振れちゃってるよなあ。

ストーリー展開も当然ツッコミどころが満載なワケで、追跡者とか暗殺者とかが超グッドタイミングで鉢合わせするのにはさすがに爆笑した。仮面ライダー龍騎とか思い出すストーリーによってキャラが操作されてる感あった。にしても今時製薬会社が悪の黒幕で格闘能力を覚醒させる薬を開発して一儲けとか、もうこれ一周して感動を覚えるレベルだね。なんか悪そうで色々ヤバそうな製薬会社で火花がバンバン散るラストバトルとかまさかこの時代に見られるとは思わなかったよ。

逃亡者と追跡者がお互いに手錠で片手を不自由にしながら共闘するあのシーンが白眉で、まああそこがちゃんと描けてるからまあいいのかなーとは思う。欲を言えばもう少しふたりの立場、というか抱える何かが対立しているみたいなのが明示されると良かったのかしら。対立がもうちょい情念滲んでりゃなーとは思う。