邦画の傑作モキュメンタリーではなくて詐欺師のヤツ。
いやー、この映画の内容で、ヒロインが後半のあの場所にいることを「偶然」の一言で片付けちゃうのってアリなんすか? 最高に辛いと思うんですけど。それこそストーリー上のフォーカス、というかミスリードで済ませちゃうのアレだけヤバイ偶然を? それこそ友人がその時計に対してのスリコミを3年かかって行っていたとか、そういう言い訳を立てないと成り立たないつくりだと思いますマジで。ってかウーウーウーの仕掛けとかってはっきり言ってあり得なくないですか? そんなあやふやなスリコミに手間暇かけるほど率高い? いやー、ないわー。「ギャンブルだけはやめろよ」とか観客にわざわざミスリードさせるとかも誠実なつくりには思えないなー。
とはいえ全体的につくりは悪くなく、なにも考えずに見ればなにも考えずに楽しめるくらいにはちゃんと作ってある気はします。ラストのどんでん返しも、序盤の伏線も綺麗に拾って大変よろしい感じ。騙すための騙しになってしまっていても目の前のあれやこれやで楽しめればオッケーでしょう。
ただなー、コレだけガンガン騙すんであれば、もう少し問題を複雑化させて観客を混乱させて、の方が楽しめそうだった気もちょっとする。全体的に展開がタルめというか。こういう内容だと『オーシャンズ11』くらいブンブン飛ばしてくれてもいいんじゃないかなーと思う。