ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

WOOD JOB! ~神去なあなあ日常~

 

厳しい。まず何よりも映像の説得力のなさに歯がゆさを覚える。飛行機の中の人間ドラマだったらまあ成立するかもしれないけど、これって都会から田舎へとやってきた人間の異文化交流なワケで、都市と対比される森に「うわーすげー」と説得力を抱けないのは最高に厳しい。なんなんだろうなあ、このスケール感のなさ。すげえ高いところに登っているはずなのに木々で区切られて全然高い感じがしなかったり、シカや石像の偽物感がすげー悪目立ちしてしまったり、あとはなんと言ってもクライマックスのチープなCGだったり……説得力をもって描くべき映像に、ことごとく力が足りないなあって印象があった。一番説得力があったのは、全力疾走車飛び乗り長回しだもんなあ。

あとは原作があるからなのか、そもそも脚本のアイディアの密度が足りていないのもちょっとキツい。個性的なキャラでドライブさせようとしてるのはわかるんだけど、映像として考えると全然足りないよなあ。小道具やら細かいエピソードやらをテンポ良くボンボンボンと入れてやらないと、こういうトーンの話は回らないのではないか。

テーマ的にも、うーん、100年スパンで跡取りのことを考える田舎が舞台で、それは地方の過疎化と密接に関係していて、それこそしんどくリアリティのある内容のはずなのに、あんなとってつけたようなハッピーエンドにされてもなあ。単純に都会に住むことを悪にせずに、もう少し踏み込んだ描き方にして欲しかったなあ。