ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

キューティー&ボクサー

 

キューティー&ボクサー [DVD]
 

うーんすげえ。

篠原有司男ってひとは正直全然知らなかったんだけど、なんかもう冒頭のボクシング・ペインティングが大変説得力があって、終始見入ってしまいました。といってもこれだけ引きつけられたのはたぶん80の夫婦っていうのが大変重要で、もしコレが40年前のふたりだったら「ああそういう芸術家がいるのね」で終わってたかもしれないなあ。

だって80になって上半身裸でボクシンググローブに絵の具つけてキャンバス叩くんだよ? ペイントの終わり頃にはもうヘロヘロで、それでも黒い絵の具を叩き付けるのやめないんだよ? それだけでもう凄まじいことが起こってるなあと感服してるところにいきなり家賃滞納の話がガツンときてさあ、いやあ、こりゃとんでもない夫婦だぞーと。

しかしこの映画で重要なのは多くのシーンが妻視点で語られることで、若い頃から芸術に全てを捧げアル中の夫ができて子どもができて貧乏で、みたいな人間が今も共に芸術を続けている、という事実がすげえ。バリバリ現役で戦って、しかもその生活を切り取るカットが大変幸せそうに見えてすげえ。いやあ、この映画の価値はやっぱりキューティの人生に対する肯定にあるよなあ、と思いますはい。

しかしほんとドキュメンタリーたくさん見られてネット配信様々である。