脳が10%しか使われていない、ドラッグによって脳が100%まで使えるようになる、というアイディアのみで一本語りきってしまったのはすごいんじゃないか。
今更人類の進化がどーとかいうのははっきり言ってどうでもよくて、モーガン・フリーマンが権威付けのためだけに借り出されるのはどーしょーもねーし冒頭の野生モンタージュあれどうにかなんねーのかよとかも思う。敵のどうでも良さも結構はヤバくて、冒頭で巻き込まれを展開するためにアレだけ立てなきゃならなかったのはしょうがないんだけれどもやっぱり全体から見るとアンバランスだし、ラストにいたってはお前もうどうでも良いじゃんわかったわかった休めよ、という感じ。この映画やってることは現代にアップデートされた『AKIRA』みたいなもんだけど、でも『AKIRA』って組織と個人の利害関係を構築したり人間関係の上下をメインにおいたりと、あのスケールで物語を展開することに合わせた構築が為されてるわけじゃないですか。対して、この映画のストーリーへの興味のなさはヤバイよなー。なにあのどーでもいい突然のキス。
とか思いつつも面白く見れるのはやっぱり「現代的にアップデートされた『AKIRA』」の映像的な強度なんだろうなあ。いやほんと良く撮れてるよ。ルーシールーシールーシさえ存在すればあとはオールオッケー。カーアクションとかあそこまで派手な破壊の快楽ってなかなかないんではなかろうか。リュック・ベッソンを今更だいぶ見直した。