ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

おみおくりの作法

 

あー適切。何もかも適切。素晴らしい。

何がなくともラストシーンの素晴らしさを褒め称えねばなるまい。この映画に決着うまく付けるのどうすんだろうなーなんて思っていたらもうこれ以上ないくらいのラストになっていてもう土下座した。すごい。もうあらゆる要素が繋がってそうだよねこうならなきゃダメだよねそうだよねみたいな終わり方。いや地味だよ。全然嬉しいラストでもないよ。でも、ストーリーの意外性と映画的な飛躍を含んだ素晴らしいシーンになっていて、あんなカタルシスアクション映画でもなかなかないってば。

しかしなんなんだろうなあこの映画全体に漂う気品みたいなものは。主人公が几帳面に椅子を引いて日々の仕事に取り組むように、映画も丁寧に彼の日常を描いている。全体を覆う淡い色調みたいに派手なシーンは全然ないのだけれども、でもその所作から目が離せない。大胆なシーンの省略を挟みつつ、正対して構えられるカメラのひとつひとつが、彼の生活のリズムを刻むように物語を運ぶ。視線ひとつ物思いひとつにも芳醇な物語的な意味がのっているような味わい深さ。LIFE。