日活 (2006/11/10)
売り上げランキング: 1754
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「ホテル・ルワンダ」「ブラッド・ダイヤモンド」と比べても出色の出来。「ホテル・ルワンダ」はあまりにも娯楽映画の側面が強すぎ作り物の感があるし、「ブラッド・ダイヤモンド」は資本主義の自己矛盾が気になったり主人公の殉教がやや上滑りしている気がした。「ナイロビの蜂」はサスペンスの体裁を取り、アフリカへ慈善事業の光と闇を映しながらも、最も根本的な主題は「愛」である。アフリカの現実に対する問題提起ももちろん為されるが、最終的な印象としては「愛の映画だったなあ」というのが正直なところ。主人公にとってこれは「アフリカにはびこる悪と対決する正義の話」ではなく、「失ってしまった妻の生き方を追いかける話」なのであり、最終的に行き着く先は悪の告発ではなく彼女の笑顔。
主人公が妻を失って初めて号泣するシークエンスの色設計。ドライブシーンで助手席に座る妻の過去の記憶をつぎはぎして会話するシーンなど、ちょっと涙なしでは見られなかった。