ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

アジョシ

 

アジョシ(字幕版)

アジョシ(字幕版)

  • 発売日: 2015/03/15
  • メディア: Prime Video
 

かっこいい元特殊部隊の軍人がアクションする映画。

なんだけれども、まあ本当に「カッコいい元特殊部隊の軍人がアクションする映画」以上のところがちょっと弱くて、もう少し色々やってくれちゃってもいいんじゃないかなーと思いました。ひとつひとつの要素やキャラは悪くないのだけれども、それらがもうちょっと劇的に絡み合ってもらっても良いよねー。警官のキャラとか、序盤の出来事があんまり生きてなくて大変もったいないなーと思いました。

っていうかコレ、序盤のレオン的な関係性が一番グッとくるところなので、そこをもっと掘ってほしいなーと思ったら見事にラストまでスルーだもんなー。主人公も別に弱味とか見せるような立ち位置じゃないからこれ以上の描き方は難しいのかなー。でもやっぱりこの関係性でいったら、子供の思いも寄らない行動に特殊工作員の仮面が少しずつほぐれて……みたいな関係性を見たい。人質探して色んな人物に会いに行くなら、その部分にもう少し驚きがあっても良いのではないかなーと思った。

戦闘シーンは楽しくて、特に近接でのやり取りが厚く、エレベーター内部でガンガンやるのとか趣向が利いていて良い。がが、わざとらしい音楽もうーんちょっとという感じだし……うーん、ちょっと合わない映画ではありました。

とんかつDJアゲ太郎

 

んー面白い。最初はただの駄洒落の出落ちなのかなーと思ったけれども、序盤はDJ文化をきっちり紹介する教養漫画みたいな体で、中盤以降仲間に対するストーリーを織り交ぜつつ、後半は家族だの歴史だののバックストーリーでガン! と骨太のお話を見せるという構成になっていて、うーんこれやっぱりスゲーちゃんとしてるぞ。なんかふつーに全編おもしろくてびっくりしてしまった。

それぞれエピソードがちゃんとできていて心地よいのだけれども、父親兄弟の話は多層の物語を絡めつつ最後にちゃんと和解の話になっていて素晴らしいなーと思った。出来事一つひとつはベタだけれども、そのベタさがきちんと大きなストーリーを形作っていて本当に偉い!

最終巻なんかはラストランって感じでとんでもないことがサクサクできちゃっていくわけだけれども、それまできっちりキャラを固め場を固め歴史を固めしたおかげで、なんかものすごく気持ちよく読むことができました。最後の最後まで主人公自身が前に出るのではなくて、周囲の人間がアガっていく様子を描いているのも大変クレバーって感じだよなー。

ブラック・スキャンダル

 

うーん、ジョニー・デップがそんなに似合ってないなー。なんかあのキラキラ目でオールバックのマフィアやられてもなんか笑ってしまう。確かに残忍ではあるけれども取り立てて異常かというとそういうわけでもなく……っていうかジョニー・デップは役柄大変なんだろうなーと邪推してしまう。

それはさておき映画の方はアイルランド系とイタリア系マフィアがボストンでバンバンバン! という話であって、あーこれは『ディパーテッド』的な背景か、と思ったらどうもジャック・ニコルソンの下敷きにもなっているそうであーという感じ。なるほどねぇ。でもそういわれるとさらにジョニー・デップがこういう役で良かったのかなーとかは思っちゃうよね。

しかし映画としては結構ダラダラしてしまうと言うか、まあマフィアのクロニクルなんてそんなもんなんだろうなとは思うけれども、バンバン登場人物と時間と場所が飛んでいく中で、さてどこら辺を見れば良いのだろうかなーとは思う。多分キャラとして一番見やすいのはジョニー・デップなんだろうけれども、うーん、そもそもがあんまり見やすいキャラでもないからなー。もちろん検温のくだりとかはさすがーって感じだったけど……

遠い空の向こうに

 

遠い空の向こうに [Blu-ray]

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  • 発売日: 2018/11/07
  • メディア: Blu-ray
 

うおーやべー。炭鉱町からオタクが抜け出すには科学コンクールで優勝しなければならないとかアメリカ地獄か。だって炭鉱町ったってせいぜい100年とかそのくらいの歴史かないワケでしょ? そういうところから抜け出せないとかいやーそうかーそりゃトム・クルーズもフットボールがんばるし、トランプも当選しちゃうよなー。っていうかラストベルトってこういうところなのねーめっちゃ納得した。

しかしこの話はどう考えても友達が良いヤツ過ぎるよなあ。つるんでる仲間が突然ロケットに情熱を燃やし始めたからってそれにちゃんと付き合ってやるんだからなあ。ぶっちゃけ友達が一体どんなことを思っていたのかそれを見せるエピソードとかが見たかったのだった。

あと労働組合の描き方がセンシティブなのだなーと思う。父親が息子にロケットを飛ばすためにストを妥結させちゃうのはお話的にどーなんだ? とは思うけれども、映画としてはそこら辺の善悪をヌルッと素通りしちゃってるのはある意味テクニックだと思う。

まあ色々あるけどラストのロケット打ち上げでバッチリオッケーよね。同じ空を見上げている様子を次々流すだけでこんなに感動的になるのはやっぱすげーよなーずるいなー。

日本沈没

 

日本沈没

日本沈没

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video
 

原作は読んでいないのでどれだけ小松左京の感じが出ているのかわからん。橋本忍脚本だから結構重点が変わっていてもおかしくないんだろうなーとは思う。

全編を通して強く感じたのは、あーやっぱり日本という国家への捉え方が全然違うなーということだった。敗戦を経て高度経済成長期で、という状況で国家が沈む大スペクタクルを描くなら、やっぱり日本という国とか民族に対しての意識が強くなっちゃうよなー。

今だったら「人権問題で国連主導で各国に受け入れしてなんとかするんじゃね?」と思うし、そのために日本が差し出せる政治的資産ってまあなくはないよなーと思う。さらに思考を進めるならこれって今なら過疎っている地方の自治体をいかに畳むかみたいな話にも通じてきて、うーんそこら辺のテーマをきっちりやればぜったいに今やるべき作品だよなーと思ったら今2020とかやってるのか。湯浅監督なのか。うーんどうなんだろー。

まあええや。とにかくそういったポリティカルな部分をきっちり描けるはずの題材が、そっちのほうは首相が現場に演説してお話を進めるという形になっていてうーんなんだかなーという感じ。組織とかオペレーションとかの姿を省略したのって、まあ色々事情があるとは思うんだけれども、この時代に求められた国家のあるべき姿ってことではあるんだろうなー。そこら辺は結構しんどい。

最初に父が殺された

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カンボジアのクメール・ルージュの話。ベトナム戦争のドキュメンタリーも見てたからまあなんとなくわかる感じ。

それにしてもこの映画のないようであのラストの締め方はどーなんだ。いやまあもちろんアメリカはひでーし責められて当然なのはわかるんだけれども、しかし映画の中で大概ひどく描かれているのはクメール・ルージュであって、それなのに突然ラストにあんな感じでアメリカの反省みたいなの差し込まれるとホント自分が好き感がでてしまってどーもなーと思う。この少女の目から見たらただ翻弄される弱者視点になるわけで、それにわっかりやすい政治的主張がどーこーみたいな解釈くっつけんの逆に不誠実な感じがするんだよなー。

大体こういう視点から描いたらそりゃちょっと反論不可能ないい話にはなりがちで、じゃあそれが映画としてまとまった作りになっているのかというとあんまりそういうふうにも見えないのはどーなのかなーと思う。現実の出来事から上手くテーマみたいなのを引き出せていないように見えるのは、オレの見方がわるいのだろーか。

っていうか監督がアンジェリーナ・ジョリーなのか。監督作品も既にいくつかあるのね。知らなかった。

アンカット・ダイヤモンド

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うーんやばい。というかこの役者すげーなー。このどーしようもないクソ野郎をやって最後までなんかよくわからんけど吸引力があってみてしまい……いやでも実際こういうどうしようもないクソ野郎の屑から迷惑被っててでも愛情やら血縁関係やら金銭関係やらで逃れがたく疲弊させられる……みたいなのはガンガンあるからなー目が離せないよなー。いきなり躊躇なく指輪を質に入れられて「うわーこいつやべー」って感じになっちゃうもんなー。目が離せない。

まあこういう映画だと、モラル高い観客からは、このどうしようもないクソ野郎をどうやって破滅させるかみたいな悪趣味さが見所のひとつになっているわけだけれども、あの取り立て屋を閉じ込めてのギャンブル感染のシーンはまあケッサクだよなー。同時並行で愛人がスリラーやっている辺りも合わせてうーん、素晴らしいって感じ。あのシーンがあっただけでもこの映画見られて良かったなーと思いますよマジで。

しかしほんと不思議な映画ではあり、大きな筋立てはなく目先の金策に追われ誤魔化し誤魔化し進んでいく日常がそのまんまストーリーになっているのはだいぶズルズル進んでいく感があり良い。古くさいBGMも決まってますしねー。

しかしユダヤ人だのなんだののやり取りはちょっとわからんなー。エチオピアが宗教的にちょっと特殊なのはなんとなく聞いているけれどもそこら辺も関わっているのだろうけれども全然よくわからん。