ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

DEATH NOTE

 

DEATH NOTE コミック 全12巻完結+13巻セット (ジャンプ・コミックス)

DEATH NOTE コミック 全12巻完結+13巻セット (ジャンプ・コミックス)

 

読んでなかった過去作品を今更まとめて読んでみるシリーズ。

よくもまあ週刊連載でこんな話をやったもんだなーっていうかめちゃくちゃネームが多いなーと感心する。全体を通して面白いのはやっぱり前半の夜神月がデスノートを放棄するまでで、あそこまでテンション高くやられたらもうあとは全部許します! という感じですね。というか基本的に話の整合性とかはどうでもよくて、月とLの関係性がとんでもなく面白いというのが読み進める動機だったりするので、月がキラであることを辞めた辺りからしばらくは物語の牽引力が落ちるよなー。まあ、その代わり小畑健の画力で人間関係をギャグとコメディを行き来しつつ描くのは、普通に面白いわけだけれども。小畑健にああいうコトさせるのはズルい。というかオヤジがズルい。

後半はどんどんルールが拡張されていきつつ、アクションも結構大味になっていくわけだけれども、あまりのめり込めないのは別にその大味さ故ではなくて、多分敵側のキャラクターの弱さ故だよね。いやまあそれも多分原理的にどうしようもなくて、空間が離れて身分を隠してだとなかなかお互いをぶつけてキャラ立てをするのが難しい――というか、Lが身分を明かして月に接近するという序盤の展開が素晴らしすぎたんだよなー。Lが死んだところで終わらせたい気持ちはショージキあった。

しかしこのレベルの作品だと、有名シーンがネット上のネタ画像で拡散して刷り込まれちゃってるわけで、ポテチとか計算通りとかラストののたうち回るところとか、あーこれってこういう文脈のシーンだったんだーといちいち笑ってしまう。

ロニー・コールマン: 偉大なる王者

www.netflix.com

なんかNetflixのドキュメンタリーってちょくちょくボディビル系の話がはいってるよね。一体何なんだろう。

自分はボディビルって全然理解できていなくて、だから『ペイン&ゲイン』とかもそもそもの思考回路がわかんなかったりするんだけど、この映画でムキムキマッチョマンが束になってインタビューを受けていて、なるほどなるほどこういう感じかーとちょっとだけ考え方がわかった気がしないでもない。というかトップレベルのライバルたちのインタビューの端々から、人間関係のあれやこれやが地味に染み出してくるのが超おもしろい。ウォッカのクロスカッティングとかほんと良すぎでしょう。

それにしてもヨボヨボのロニー・コールマンがそれでもめっちゃ前向きなのがめちゃくちゃすげえ。こういう精神性がないと自分の肉体をあそこまで追い込むことはできないんだろうなあ。明らかに思考回路が向こう側にいっちゃってるよなあ。そりゃステロイドとかもふつーにつかうよなあ。まあこの映画では全く触れられていないけど……っていうかこの映画でそっちに触れたら大きく作品のテーマがずれちゃうよね。そういうわかりやすい勧善懲悪を超越したところでロニー・コールマンが笑顔なのがすごい映画なワケであって。  

でもまあこの人普通に話も面白くて、人気者なのがよくわかるようだった。ピザ屋でバイトした時の話はどーしたって爆笑しちゃうよね。

ハクソー・リッジ

 

いやまあわかるよ。わかるんだけど、さすがにこの日本兵の書き方はヤバくねえか。そんなにキリスト教を一方的に喧伝したいのか。ホーリーバイブルが守ってくれるから君たちは戦えるのか。そこで戦争そのものを否定しないために敵を殺す味方を信仰に目覚めさせるのが映画の一番の山場になって、その余波として敵である日本兵は顔を見せずに異文化の残虐でクレイジーなハラキリサムライで、挙げ句慈悲深いキリスト教はそんな蒙昧な日本人さえ救ってしまうんだろ? いやーないわー。日本人の立場から見てるからかもしれないけれども、このポリコレポリコレうるさい時代にこういう映画撮れちゃいます? ってか沖縄戦で日本人をああいう風に描くのはマジでちょっとミスチョイスだと思うよ。事実に基づいた話ったってさー、さすがに普通もうちょい配慮するでしょ?

まーなんつーか、そもそも主人公のロジックがよくわかんねーよね。自分の身を守らずに誰かを助けたくてメディックに志願ってそれどう考えても論理破綻してないでしょうか。足手まといで他人死ぬぞ普通。挙げ句それを正当化するのが「みんなが行くから」とかしかないワケでしょ? いやー、彼が持ち上げられたのは戦場で飛び交う弾丸が偶然彼のヘルメットを掠めただけだったからで、除隊しろって判断そのものはバッチリ正解だと思うけどなあ。でもってその掠めなかった幸運が聖書のおかげとなるこの話のつくりはやっぱだいぶうさんくせーとか思ってしまう。

戦闘シーンの迫力は確かに「うおーすげーなー」って感じだけど、まあとりあえず今の技術があればこういうこともできるよねえ、としか思わない自分もいる。映像として面白いかっていうとそんなこともないよなあって感じ。

アイヒマンを追え! ナチスがもっとも畏れた男

 

あーそうかーなるほどなー。アイヒマンのドキュメンタリーは前に見たけれども、捕まえる側はまありゃドラマになるよね。でもってこれだけ身近に元ナチスの人間がいる環境だったら、そりゃあ過去への反省とかせざるを得ないよなあ。日本とは戦後の国家の作り方がまるで違うとかもあるのだろうなあ。今度調べてみよう。

情報戦で国際的な問題で色んな登場人物がでてきて、といういかにも混乱しそうなつくりであるのに、ドラマの方はむしろ人間同士の交流の方に焦点が合っているので、話としては大変わかりやすい。アイヒマンを追うところをドラマとしての山場に持ってくるのは難しいのだろうし、あのクライマックスはむしろ逆算で生まれた感じもするよなあ。あそこまで丁寧に描かれると、年寄りが走るのを横から追いかけるだけでそりゃあ感動的に見えますよねえ。しかしほんとこのあたりの同性愛に対する罪の意識とかは度々取り上げられるけどよーわからん。まあキリスト教の文化は根っこのところから色々あったのだろうなあ、たった半世紀でこれだけ認識が変わったからこそ、映画で度々同性愛が取り上げられるのだろうなあ、などとも思う。

しかしモサドってやっぱやべーな。色んな映画にちょこちょこでてきてやべーことして帰っていく感じ。モサドメインの映画もうちょっと見て見たいものである。

スパイナル・タップ

 

スパイナル・タップ [Blu-ray]

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うーんわからん。カルトなモキュメンタリーという触れ込みなので見始めたけど、モキュメンタリーって表現の持つ文脈の高度さに翻弄されている感じ。モキュメンタリーとかそういう小難しいことをいわずにパロディなら全然理解できるのだけれども、でもなあ、パロディほどわかりやすく笑えないというか、このくらいのカッ飛ばし具合ならリアルなロックバンドのドキュメンタリーでもありそうだもんなあ。いや普通モキュメンタリーって現実の方にリアリティ合わせることで地続き感を出したりするわけじゃないですか。でもこの映画って、そもそもリアリティ合わせる対象のロックバンドがだいぶフィクションっぽい存在だから、そもそもリアリティってなによ? みたいな疑問が浮かんでなんかよくわからなくなる。いやそれはそれで全然面白い感じもするのだけれども、それ以前に色々考えることというか、「コレはギャグなの?」「これはこの当時普通?」「どこまで真面目にやってるの?」「パロディって何なの?」みたいな疑問に意識を取られすぎて、作品そのものを真面目に見られない。まあカルトってのはそういうものなのかしら。でもさすがにドラマーの件がギャグなのはわかる。

ウィキペディアを見ると、このバンドが実際に音楽活動をしているとか、現実のイディオムとかになっちゃってるとかが書いてあって、あーなるほどそこまでいくともうめちゃくちゃ面白いなーとは思うのだが、だがしかし、映画はどう見れば良いのかわからなかったことだけは確かである。むむむむむ……

黄金のアデーレ 名画の帰還

 

黄金のアデーレ 名画の帰還 [Blu-ray]

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ナイステンポ! ぶっちゃけ取り返すまでの展開はある程度先読みさせる創りになっているので、省略省略でめちゃくちゃテンポ良く進むのはとてもよかったと思う。別にそこでのハラハラドキドキを描く作品じゃないしねえ。

むしろこのストーリーのキモは並列して進む過去回想にあって、おばちゃんの思い出と弁護士の現在には直接には関連性がないはずなのに、見てるこっちとしてはそれらの間に情緒的なつながりを感じてしまって、それが映画中盤の弁護士君の転換を納得させてしまったりするのだから、うーん素敵なつくりでございますね。

後半のスピーチやら絵画を取り返すまでの裁判やらも、まあちゃんと描けてはいるのだけれども、素晴らしいのはやはり回想の最後に出て来る両親との別れのシーンで、絵画を取り戻してはじめておばちゃんが「捨ててきた」という事実に向き合うことができるのは、まあ普通に感動せざるをえませんね。そこからフィナーレで現在の彼女が過去と手を取り踊るあの味わいったらなかなかありません。

でもって過去の戦争について語ることが、一方的な被害者からのクレームではなく、逆に告発者が目を逸らしたい過去や罪と向き合う形で描かれているのは、まあ現在社会に対してのメッセージにもなっているわけで……いやあ、ホントに良くできてる話でありますわコレ。

美女と野獣

 

美女と野獣  スペシャルプライス Blu-ray

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ディズニー版の方じゃないんかい! いやー、道理で雑だと思ったわ……。

映像はまあがんばってるんだろうなーと思うけど、まあ好き嫌いがあるがんばりよね。むしろなんでそんなオッパイまろびだすのかがわからん。いや魅力的だろうけどオッパイが気になって気になる。ストーリーとかどうでもよくてオッパイを撮りたかったんじゃないだろーか。オッパイ。

そしてなんといっても野獣がどーしょーもない。全然野獣じゃない。ただのコスプレ男じゃん。いやあ、だって野獣って一般人はもう見ただけでおぞましく感じるからこそ野獣である意味があるわけであって、「あーこのくらいだったらなんとかいけるかも」とか見てる方が感じている時点でアレというか。ってかさー、あの鹿食うシーン、もうちょっとなんとかできなかったのかなー。野獣みゼロの情けない捕食見せるくらいだったらあ、シルエット処理してもらった方がだいぶマシだったと思います。

ストーリーはもうどうでもいいや。始まった直後にラストの落とし方がわかったり、薬をもらったらオヤジが病気なんだろーなーとかわかったり、もうなんの工夫もないですしね。とってつけた勧善懲悪の終わり方とか、メシの話で外したいんだったらせめて後ろで戦っている姿隠せよとか、もうなんか真面目に文句つけるのもアホくさい。まあオッパイみれればいいんです。オッパイ。

ってかこの監督『クライング・フリーマン』撮ってるのか! ちょー見てぇ!