ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

黄金のアデーレ 名画の帰還

 

黄金のアデーレ 名画の帰還 [Blu-ray]

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ナイステンポ! ぶっちゃけ取り返すまでの展開はある程度先読みさせる創りになっているので、省略省略でめちゃくちゃテンポ良く進むのはとてもよかったと思う。別にそこでのハラハラドキドキを描く作品じゃないしねえ。

むしろこのストーリーのキモは並列して進む過去回想にあって、おばちゃんの思い出と弁護士の現在には直接には関連性がないはずなのに、見てるこっちとしてはそれらの間に情緒的なつながりを感じてしまって、それが映画中盤の弁護士君の転換を納得させてしまったりするのだから、うーん素敵なつくりでございますね。

後半のスピーチやら絵画を取り返すまでの裁判やらも、まあちゃんと描けてはいるのだけれども、素晴らしいのはやはり回想の最後に出て来る両親との別れのシーンで、絵画を取り戻してはじめておばちゃんが「捨ててきた」という事実に向き合うことができるのは、まあ普通に感動せざるをえませんね。そこからフィナーレで現在の彼女が過去と手を取り踊るあの味わいったらなかなかありません。

でもって過去の戦争について語ることが、一方的な被害者からのクレームではなく、逆に告発者が目を逸らしたい過去や罪と向き合う形で描かれているのは、まあ現在社会に対してのメッセージにもなっているわけで……いやあ、ホントに良くできてる話でありますわコレ。