ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

賭博堕天録カイジ 和也編

 

うーんこれはキツい。カイジが傍観者になっていてメインの人物に対する思い入れが全く湧かないのは仕組みとしてどうしょうもないからなあ。最初のカップルの殺し合いが始まったときは「いやいやどうでも良いでしょ」と思いつつも仕組みがシンプルに優れていたのでなかなか面白かったんだけど、メインの3人のヤツはホントワケわからん。装置の趣好も底が浅めでひと目の想像を超えていかない上に、そもそも全くキャラクターに思い入れがないのが本当にキツい。クソどうでも良い回想とかマジでクソどうでもいい。

もちろんこのシリーズの趣好は理解するし、そのためにカイジが傍観者にならざるを得なかったのもわかる。さらにこれから父親並のカリスマを持つ人物として描かれなければならない和也を立てるステップとしてのシリーズで、その機能は十二分に果たしていると思う。作家として歪んだ欲望を持っているというのはキャラクターの立ち位置として十分アリだし、自分の望みが切れかけて折れちゃうあたりも人間味があってとても良いし、その後の咄嗟の機転もまあまあ良く機能している。咄嗟に訪れるアクシデントを自分のチャンスに変えてしまう辺り、カイジの対になる敵役として大変優れた立ち位置になっていると思う。

という理屈はわかる。わかるんだ。でもやっぱりそもそもこのゲームがマジでどうでもいい。あるいはカイジ視点に誘導するために、友情みたいなのを厚く描きすぎたのかなあ。金に対する執着の描き方が足りなすぎて、ずーっと「ボタン押してリタイヤしろよー」って延々思っていた感じだった。