ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

或る夜の出来事

 

或る夜の出来事 (字幕版)
 

ほうほうこれがスクリューボール・コメディというやつか……なんて勉強がてら観ようと思ったんだけど、内容が普通に面白くてビックリしてしまう。これ、ホントに1934年の映画? マジで? 『モダン・タイムス』よりも前なんだよね? いやー、信じられんわ。こんなに退屈せずにラストに観られる白黒映画というのもなかなかないよね。いやまあ、ふたりの結ばれる過程の説得力の薄さとか、ふたりのすれ違いの描き方の手際の悪さとか、脚本上もう少しどーにかできたんじゃないの? という面もあるにはあるんだけれども、さすがはジャンルを創り出した映画だけあって、根っこの構造がメチャクチャ強い。ラストの大胆な省略なんかは、視聴者への構造の提示がはっきりしているからこそできるんだよなあ。いやはやこれぞ映画! なラストでありました。

あとちょっと意外だったのはふたりのキャラクター。もちろんお互いには対照的な立場があってそれが原因でドラマが生まれてはいるんだけど、そこまで極端な変人という印象は受けなかった。ふたりの関係性で描く以上、もっと極端な性格に振っちゃうもんだとばっかり思っいたんだけどなあ。