ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

マッドマックス/サンダードーム

 

マッドマックス/サンダードーム(初回生産限定スペシャル・パッケージ) [Blu-ray]

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あー、そんなに評判良くない作品なの? 確かに中盤以降のストーリー展開は結構キツいからなあ……タイトルになってる「サンダードーム」も茶番にしか思えないし。ホントはもう一回あの中で戦うとかした方がいいんだろうけど、さすがに映像が耐えないよなあ。いくらぐるぐる回ってもぴょーん! ってアクションは厳しいです。

でも俺はこの作品好きよ。「怒りのデスロード」ってこの延長線上にある作品なんだなあってのがよくわかって大変興味愉快。シンプルなストーリーに象徴的な道具立ては洗練されきってはいないけどだいぶ納得感が強いし、序盤のアクションと行為だけで見せるストーリーテリングは最高。盗まれたものを取り返すために町の指導者と会って取引、一度豚の糞溜に向かう……みたいな基本に忠実で超抽象的な展開は、純粋に勉強になります。たぶんメタンと飛行機っていう要素がもう半歩噛み合えば、もっと納得感が出たのかもしれないなあ。

あとはやっぱりカーアクション! もちろん「怒りのデスロード」は技術の進歩があって滅茶苦茶迫力ある映像になってて比べものにならないけど、汽車と車のチェイスには大変心躍るし、最後に飛行機で飛び立つチキンレースも絵面的には完璧だよね。

ゴーストバスターズ

 

一番テンション上がるのが旧テーマ曲が流れるところってのはダメだよね。しょうがないんだけどダメだよね。ダメだと思う。たぶん旧シリーズファンへの目配せも満載で登場人物が今風にアップデートされて女性視点ででまあスマートな脚本だなあと思いはするものの全体的にモッサリ感ありませんコレ? 序盤の展開とかクソたるくて観てられなかったよ。ゲロ吐き幽霊はまだ魅力が多少あったから良いけどあの決着の付け方が雑すぎるし、次の地下鉄幽霊も全然アイディアがない。それをタラタラやるのって、ゴーストバスターズに期待するものなんでしょうかね。いやリメイク元のテンポとかあんまりよく憶えてないのでこんなもんなのかもしれないですけど。

しかしアクションは一部大変素晴らしく、デブの窓際キャットファイトというミラクルを見せていただけましたし、あと市長強制撤去テーブルクロス芸も最高だった。女性がいかにも女性が映えるアクションに感心する、というのはこの映画にとって良いことなのかどうなのかわからんが、まあしかし実際素晴らしいのだからしょうがないね。

にしてもなー、明らかにカットされていることがわかるサタデーナイトフィーバーはホントひどいよなあ。エンディングテーマを全く別曲差し込んでなにがなんだか本気でよくわかんなくなってるじゃん。わざわざ天井上に意味のない床を創ったのにそれが全然見えないとかマジで辛すぎる。まああそこでトラボルタすることにどれだけ意味があるのか私は文脈に疎すぎてわからないのですけど、しかし明らかに無駄なあのシーンを差し込むために話の展開が構築されていたのにそれをカットしている、というのはほんとあり得ないと思いました。ビージーズ聞かせてくれよー。

クローバーフィールド・パラドックス

www.netflix.com

くそつまんねー。クローバーフィールドは傑作だったし10クローバーフィールド・レーンもまあ趣向は悪くなかった。けどこりゃダメだよ。マジでどうでもいい話だよ。ほんと、Netflixの押す作品は映画の良さと内容の良さが噛み合わなくて苦手だなー。

ってかさー、なんなのこのルールのなさ。平行世界で不思議現象とかマジでどーでもいいよ。不思議現象が起こるなら何でもアリじゃん。最後に地球に戻ってどんでん返しとか全くこれっぽっちもビックリしねーよ。だってルールがないんだもん。将棋さしてて負けそうになったら相手を殴って指せなくさせて大勝利!! とかやられたところで「は?」ってなるじゃん。でもこれそもそも序盤の将棋指すところからやってないもんな。一手ごとに将棋からチェスになって囲碁になってオセロになって、みたいな感じだもんな。そんなん全然興味持てねーわ。

まあべつに不可解現象は不可解現象で良いとして、じゃあそういう不条理な状況の中で人間がどうやって決断するかを描く話としてみる? そのクライマックスが平行世界には家族が生きているから残りたい? なにそれ? 平行世界ってテーマを持ち出したら小学生でも思いつくようなそんなイベントを物語の要に置いちゃうわけ? 正気ですか?

奇をてらいすぎてて一体なにが面白いと思ってこの作品を創ったのか俺にはさっぱりわからん。最初から最後まで本当に心底ありとあらゆるものがどうでもよかった。っつーかチャン・ツィイーを雑に殺すな。ふざけんな。

 

わたしはマララ

 

わたしはマララ(特別編) [DVD]

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突然ノーベル賞が飛んできてへーとなったけど世界的にはやっぱり事前にホットな話題だったのだろうか。当時は海外のニュースも全然見てなかったからサッパリわかんなかったなあ。

そういう前提知識の少なさからなのか、冒頭から若くして突然めちゃくちゃ有能で政治活動しているヒロインがすげえ嘘くさく感じられてしまうのだった。だって伝説になぞらえた名前をつけたら同様の目に遭ったとかそれ普通時の権力者が後付けで過去を改変するヤツじゃん! お父さんもなんか政治活動してそうに見えたし実際してたじゃん! 子供が洗脳されて親の望む振る舞いすることを自然と思い込んでる図式に普通見えるじゃん! でもって俺はそれが偏見なのかどうか映画からだけじゃわからないじゃん!

そういう意味ではこの映画の構成があまり好きじゃないんだよなあ。回想形式で現在と並行して過去を進めて最もショッキングな部分を引っ張って引っ張ってラストで現在&過去のクライマックスをボーンと持ってくるその構成、あまりにもできすぎていて作り物めいちゃいません? もうちょっとドキュメンタリーとして、少女の視線を辿ってひとつひとつ理解していくような構成で観たかった。題材は悪くないのかもしれないけど、これじゃなんか演出意図に騙されているように感じるよ。

でもまあノーベル平和賞だってある種のパフォーマンスとして贈られるわけで、パフォーマンスが世界の平和に貢献するのなら内面なんてぶっちゃけどうでもいいのだろう。問題はこの神話的な活躍をする少女を物語の受け手がどう捉えてどう世界に働きかけていくかというところなのだろう。そういうの嫌いだし無駄に警戒してしまうけど。

ザ・ハリケーン

 

ザ・ハリケーン [Blu-ray]

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「実話を元にしている」ってのが全然しっくり来なくて面白いなあと思う。ボクサーが人種差別でベルトも獲得できずに無実の罪で刑務所に入れられて、っていう状況がもうドラマティックすぎてフィクショナルな結末を求めてしまう感じ? いやもちろんラストは無実が証明されて一応報われたエンディングになっている、ような気もするんだけれども、なんでカナダ人? 苦悩の末に家族と別れて盛り上がりまくった釈放運動もいつの間にか尻すぼみででもそんな状況で突然会ったこともないカナダ人が助けに来てそれで裁判覆っちゃう? いやーまじかー。圧倒的な事実に基づいた感がめきめきめきっとそれまでのフィクショナルなストーリーを破壊していくぜ!

いやまあカナダの黒人側のドラマが上手く主人公と接続できてるように全く思えないんだよなー。っていうかその時点での主人公の内面が難しすぎてどーなのって。刑務所内の出来事が妙に省略されている感じなのも良くないと思う。前半はドラマドラマしてちゃんと理解可能な格好でストーリー組み立ててあったじゃないですか。着替えすら拒絶するその決心とかそこで謎の共感を見せてくる看守とか、掘ればいくらでもドラマがつくれるはずのところがアレだもんなー。本当に良いのかよって感じ。

デッドプール2

www.foxmovies-jp.com

1は脚本が結構シンプルというか、語り口と映像的な切り口でガーッと見せたと思うんだけれども、2はそれよりもだいぶ複雑、というのがどれだけ効果的かというとあまり生きてはいないんだけれども結局デッドプールらしくてこれもありかーというのはズルい。っていうか脚本の制限のクソ差に対するメタ言及からのー、タイムトラベル機械を修理とかそんな反則技を使って何でもできるじゃん! ってか過去に戻るのそこかよ!! の流れがズルいよなーズルすぎるよなー。「それができるならこの話意味ないじゃん」って反論を完璧に無意味にしちゃってるもんなー。いやはやすばらしい。

とはいうもののだいぶもたつく脚本だったよねえ。Xメン見習いパートの動機付けの辛さとか、あと刑務所脱出時の水没で「どん底」みたいなモノローグ入るのってなんかちがうくね? 茶番は茶番なりにもうちょっと落ち込む箇所の重み付けをちゃんとしたほうがいいと思うんだけどなー。それともデブガキのデブい見た目に引っ張られて、色々見落としていたりするのかしらん? まあ前作冒頭で見せたキレキレのアクション描写は健在で、輸送車襲撃シーンの描き方はマジですげーよなー。あのテンポ感で見せるべきアクションをしっかり見せてアイディアを詰め込む。今回スローモーションが無駄に使いまくりで音楽もアレレ? って感じで、まあ映画ウメーなーって感じは全然しないんだけど、でもまああのアクションを観られただけで満足である。

しかしまあネタ映画だよなー。ターミネーターでスカイフォールって感じ。アメコミ詳しくないこともあって、色々拾い損ねてんだろーなーと思いつつも、映画館で周囲と笑いの箇所が全然違っててションボリする。

モンティ・パイソン / ライフ・オブ・ブライアン

 

モンティ・パイソン/ライフ・オブ・ブライアン [Blu-ray]

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あーこれは素直に面白い。メインストーリーがわかりやすいし何よりネタが普遍的。まあユダヤ人とローマ人の関係とかはキリスト教的な機微をだいぶ拾い損ねている感じはするけれど、宗教的熱狂の下りとかはあんまり文化関係ないよね。冒頭の歌もまあわかりやすい下ネタできっちりくすぐってくるし、ラテン語の百回書き取りのナンセンスさもラテン語囓った自分にはなんとなく理解できる。しかし惜しいのはあの絶対に笑ってはいけない友人の名前の回で、あの人名が面白いニュアンスはネイティブにはしっかり伝わっているんだろうなあ。大変面白いシーンなのはわかるのだけれども、日本語だと直接がははと笑いにいける感じがしない。そこら辺の言語ネタは恩赦の下りも似てるか。理屈もわかるし空気も感じられるので大変もったいないなあ。

なんて思ってネットを検索したら、宗教関係者から大きな反発を受けたとか書いてあってえーまじかよーとなる。別にキリスト本人を描いているわけじゃないし、この表現がそこまで毒を孕んでいるようにはこれっぽっちも思えないんだけどなあ。これもやっぱり文化的、あるいは時代的な差違を拾い損ねてるって感じなのだろうなあ。