ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

レミーのおいしいレストラン

 

良くできてんなー。オチの辺りが話としてはちょっと弱い気もするんだけれども、思いの他批評家に感情移入しちゃっているところがあって、実際に起こった出来事の解決は微妙でも、一番の困難だった人間の内面の問題が解決されていて、まあそれはそれでいいか……と思ってしまう。

調理には全く向いていないネズミが、どうやって調理を行うか……というのがこの作品で一番の障害であって、それまでのストーリーを丁寧に繋げていくのはほんとうに素晴らしい。コック帽で髪を使って操縦する、なんてアクションが成立したときは、そのアイディアの素晴らしさに拍手喝采しました。

他にもいくつもの困難と解決が並列に走っていて、いやー、本当にストーリーが良くできているよなあ。ピクサーの映画はエンターテインメントの話作りで本当に学ぶところが多い。まあ、この話は綺麗すぎてもうちょっとこう自分に引きつけたパートも……とは思わなくはないけれども。まあ、それもあわせて批評家の話が印象に残るのかもな。

しかしなー、「正直に自分の秘密を開陳すること」が美徳として描かれるのはわかるんだけれども、状況的にその秘密の開陳が求められる人間関係が構築されていることそのものに憧れを抱いてしまうのは、今の自分が弱っているからだろうなあ。リングイニとコレットの関係性の構築は、レミーの意外な行動が契機になっているわけで、それがパリという土地で正当化されてしまうのが、実はストーリーで一番のポイントだよなあ、なんて風にも思った。