ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

シェイプ・オブ・ウォーター

 

うーん、これギレルモ・デル・トロに土下座だな。こんなに映画っぽい映画を撮る人だとは思ってなかった。オレは今まで何を見ていたんだ、という感じがする。

まあこんなにしっかりひとつのテーマをエンタメに折り込むことができる人だったのね。というか、このレベルでガチガチに組み込める監督って、そんなにいないよねえ。美術の作り込み含めて、あーこれはアカデミー賞取らないわけにはいきませんね、というデキ。映画館スルーしてしまいDisney+に入るのも遅れて、今まで見られなかったのを後悔するレベル。

しかしなー、ここまで「映画」な感じがするのってなかなかないよなあ。そもそも異なる文化を持つ存在同士のコミュニケーション、というのが大変映画的で、最初の卵の受け渡しのシーンの緊張感は溜息が出るけれども、作中で何度も繰り返されるフィクションの役割であるとか、その先にある神のモチーフの扱いであるとか、自宅と映画館の物理的な上下関係であるとか、何より抑圧された女性というテーマであるとか、いやはや、最初から最後まで、じっくり味わわせていただきましたよ。

しかし、何より印象深いのは「有害な男性性」の象徴として描かれている敵役だよなあ。キャデラックはまあまあ良いとして、セクハラを始めた時はそこまでやる? とも思ったけれども、まさか壊死によってあそこまでキャラ立てすることができるとは思わなかった。口の穴に指を引っかけて引きずるとか、もう最高過ぎますわね。