ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

戦時下の地下鉄 新橋駅幻のホームと帝都高速度交通営団

 

力作……という感じ。大きくは幻の新橋駅が何故生まれたのか、なぜ誤解されているのかというあたりの経緯を追った前半と、太平洋戦争の中で地下鉄がどのように扱われたかという後半に分かれてる。自分としては後半の方が面白かったけど、どちらも興味深い内容。

都市計画に興味があるので、日本の電車網がどのような経緯で作られていたか、というのは大変面白かった。普段乗ってて、なんで私鉄と地下鉄が直通運転してるのかとか疑問に思ったことなかったんだけれども、そうかー山手線の存在が大きかったんだなあ。

あとちょうど「ミッドウェイ」見たばかりだったので、空襲とかは「あっ! 本当にワンウェイで特攻みたいなことやったんだ……」と同じタイミングで驚きがあった。今まであまり東京大空襲について、地図つきでじっくり眺めたことがなかったので、今の脳内の東京と会わせてじっくり読めました。地下鉄ってそのまま現在に直結できるので、「あー、あのビルか」とか「この出口使ったことあるな」とか大変身近でかなり不思議な感じ。っていうか地下鉄の路線図、計画の時点でも今の自分たちの使っている路線と連続性が見えるから、ほんと都市計画って大事なんだなーと思わされますね。

あとは空襲の中で社会をどう機能させるかの一端が見えたのも面白かった。戦時中の話って、当事者の体験談か戦場の出来事に摂取しているものが偏りがちなんで、限られた状況の中で社会インフラをどう維持させようかという試行錯誤が読めるのはなかなか良かったです。