ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

首都高速の謎

 

首都高速の謎 (扶桑社新書)

首都高速の謎 (扶桑社新書)

 

前半はまあまあ面白かったけれども後半は個別の渋滞をいかに解消するかの戦いに焦点が合っていて、普段首都高を使ってないとなかなか実感が湧かず、うーんそうかこういう本だったのか。もう少し広く首都高の意味合いやら何やらを掘ってくれる本だと勝手に思っていた自分が悪いのだけど。

前半部分はなかなか面白くて、日本橋の景観話も微かに触れながらいかに首都高がどんな経緯で立ったかが触れられている。個人的には、夢想家の理想に対して一定の評価をしつつ、日本橋の下りで景観に対する個人的意見で地下化をくさしているように思えて、うーんそこはあんまりフェアじゃないよなあと感じた。もちろん技術者は限られた前提の中で予算と期間と技術的制約を突きつけられながら大変尊敬すべき仕事をしているのはわかるのだが、そもそもその限定がどんな大義のために必要なのかという点を重視してあげないと、都市計画なんて近視眼的な規模で終わってしまうって話でしょう。景観が今近視眼的には利益をもたらさないものであるし現実的ではないこともよくわかるけど、いやしかしそういった前提をつくるイデオロギーをもうちょっと尊重してあげるべきじゃないの? とは感じた。

あとは名古屋だなあ。戦後の復興の都市計画がそのように評価されているなんて、頭からスッポリ抜け落ちていたぜ。1度ちゃんと見てみたいものである。