あーなるほどなー。戦争を中立的な視点で描こうとするとこういう当たり障りのないものができるんだなー。
戦争で残されたフィルムを見ると、生々しさに度肝を抜かれるんだけれども、思想的・政治的なあれやこれやをとりあえずさておいて、その生々しさの部分を抽出しようとしてんじゃないのかなーこれ。一応人間ドラマみたいなものも描かれているけれども、群像劇でどのキャラに感情移入してと言うよりは、ある種の紋切り型で当たり障りのないドラマを置いている感じ。日本側の視点も一応アリバイとして描いておいて、何かを極度に悪く書こうとはしていない感じがめちゃくちゃある。
そして確かに戦闘シーンの迫力はなるほど納得で、これを映画館の大スクリーンとデカい音響で体験したら全然感じ方が違ったのだろうなあとは思う。後半は特に一人称視点が多用されているし、ある種の体験として作られた作品ではあろうなあ。ジョン・フォードも、ほとんど本編と関係ないような格好で、『ミッドウェー海戦』撮りに来てるしなあ。
ミッドウェー海戦についてはちらっと本を読んでいたりはしたけれども、まあ細かなやり取りは頭から抜けちゃってるよね……史実には結構忠実にやってるみたいだけれども、爆撃機が帰還を考えず飛んで中国大陸に……というのは知らなかったのでビックリした。そういうことをやってしまうくらい、真珠湾攻撃はショッキングだったってことよねえ。