ビリー・ワイルダーがレイモンド・チャンドラーと脚本書いたのか……ひえー。
冒頭のミステリアスな導入は大変よろしく、そこから音声記録で物語を回想する、みたいな形式は大変よろしいね。その雰囲気だけで満点って感じですわ。ただわざわざこの形式をとっているところを見ると、最後に「叙述トリックを使ってヒロインを逃そうとしたとかオチもアリだな……」とか思ってしまった。まーちょっとうがち過ぎかー。
まあ形式と言えば形式なんだけれども、そこまでファム・ファタルに魅力を感じなかったかしら……と思ってちらっとWikipedia見たら、これがフィルム・ノワールの古典とかファム・ファタルの走りとか書いてあるな……なるほど納得。OPとか「さすがに画面が暗すぎじゃ……」とか思ったんだけど、まあフィルム・ノワールってこういうもんか。
内容的にはサスペンスできちんと見せて、そこら辺の展開は巧みだなあと思う。特に列車での殺人はどうするのかめちゃくちゃ謎だったんだけれども、そこの解法が大変鮮やかで感心した。まあ鮮やかだっただけに、探偵役の推理方法にはもう少し工夫してもらっても良かったかなあ、とは思ったけれども。