『映像の世紀』のほうじゃないよ。まして大久保町のほうでもない。っていうか中高生向けのラノベでこんなシブい名画のパロディ持ってくる田中哲弥ってやっぱ頭おかしーな。そもそもナチスだってわからんだろその年じゃ。今見ても全然この映画のバックグラウンドよくわかんねーし。
カーク・ダグラスやらオーソン・ウェルズやらアラン・ドロンやらオレレベルでも顔でわかる豪華俳優陣でうおーすげーなーと思うがしかしコッポラ脚本なのか。ルネ・クレマンだって普通に見たことあるし豪華豪華。まあこういう豪華俳優陣というかグランドホテル形式というかは脚本が散漫になりがちな印象があるけれど、これはまさにそんな感じよね。歴史をバックグラウンドに敷いているのだからしょうがないのだろうけど、パットン将軍のザ・ゲスト感はマジスゲーや。カーク・ダグラスをあんなピンポイントで起用するんだなあ。
でもまあそんな無理矢理でもカーク・ダグラスみたいな大物を引っ張ってこなきゃ行けなかったのだろうなあ、というのがラスト30分で納得させられてしまう。パリ解放を当時のフィルム交えて延々描き続ける30分。アメリカ万歳! ナチスは去れ! もーわかったよそんなしつこく描写しなくても良いじゃん? と普通は感じるわけだけれども、しかしその過剰さを以て描かなければならなかった歓喜が現実としてあったんだろうなあ。