やっぱこれぎゅーっと2時間にまとめる話じゃねーのかなー。三部作をひとつの流れで考えると最もスケールの大きな出来事と主人公の内面が並列して進みクライマックスという流れはまあ美しく、次世代の種を残しながらラストで父子の戦い……という決着の付け方もわかるのだけれども、この映画単品で観ると明らかに怪獣要素が不足していて辛い。ゴジラとギドラにもっと動的なアクションないとさすがに観ていてどーなの? って思う。
話の大筋はまあいわゆるSFの超オーソドックスなやつで、別に今更こんなに丁寧に説明しなくても良いのでは? という感じがする。もっとバンバンカッ飛ばしてくれて良いのになあ。
前回の感想でも言ったとおり、主人公がコッチ側に止まる理由付けに共感ができなくて、だからラストの決着に全然納得がいかない。異星人の提案って、人間の愛情とか輪廻という概念とかは当然踏まえた上でのものなわけじゃないですか。欲望で駆動する人類が今更文明を捨てたところで解脱なんてできないわけじゃないですか。キュウベエじゃないけれども、向こう側の理屈を否定する話じゃ全くないワケですよねこのストーリー。でまあ、だからこそ人間が感情的に共感できるロジックをきちんと描かなきゃならないのだと思うのだけれども、全体の流れがダラダラしすぎて演出の焦点がぼやけてる感じ。ハリウッドなら家族一発子供一発でクリアしちゃうそのテーマを、ジャパニーズオタクアニメーションライクな価値観で描くとまあこういう迂遠な恋愛とか過去の家族の思い出とかに帰着させなきゃならないのでしょーが、だったらもっとザーさんヒロインきちんと描いて欲しかったよなあ。あんなちゅー一発じゃなくて、男性的に成長して死に突き進んでいく主人公とはっきり対比して女を描くべき。いやたぶん脚本的にはそこら辺拾えなくもない構造だと思うから、演出含めてそこら辺の細やかさの問題なのではないかなあとも思う。
しかしなあ、そういう人間の情とかに共感寄せるには、CGの芝居がキツいなあって感じもしたのだよなあ。台詞をしゃべるときの芝居がいちいちクサくてちょっと見てらんない。カメラもかなりわざとらしい感じがするし、うーん……これはCGの現状の限界なのかしら? 演出方針の問題な印象も受けるのだけれども。