観たことある映画だよなあと思ったけど観たことある映画だったけど忘れてたのでもう一回観た。
とにかく印象に残っているのは2回の濡れ場ですね。こんなに印象に残る絡みのシーンというのはちょっと他に覚えがないなあ。最初の「うへっ!」って感じからの「うおーねっとりやるなあ」という驚きもそうだけれども、二度目の階段の痛そうなアレも本当に印象深い。なんか理屈を超えたところにあるセックスは大変印象に残りますね。
にしてもこれ、なんか変な話だよなあ。暴力の連鎖から逃れきれなかった主人公の話で、意外なところから過去に捕まってしまうその描き方が大変鮮やかなんだけど、ストーリーそのものの枠組みは全然オーソドックスで、その語り口に騙されている感はあるよね。オープニングの長回しでキャラ立てをした悪人ふたりと、その後に描く幸せな家族で惨劇を予想させておいて、メシ屋の下りでそれを鮮やかに裏切るだとか。追い詰められて過去の主人公の凶悪さが表出するあのシーン、あの顔芸が大変盛り上がる。
ただそれ以降の突然の大活劇にはちょっとビックリしちゃうところもあって、これやっぱり変な映画だよなあ。暴力は連鎖し、結局なにも解決していないことを思わせるラストの食卓の気まずいこと……いやー、たまんないですね。