ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

ハート・オブ・ダークネス コッポラの黙示録

 

「トロピック・サンダー」で弄られてるやつの大っきな元ネタだよね? そりゃまあやばい内容なんだろうなあとは思っていたけど、いやー、想像以上にヤバかった。コッポラが映画会社つくって色んなことをしてたのは、他のドキュメンタリーなんかでちょくちょく出てくるし、ジョージ・ルーカスと監督を入れ替わった経緯とかもなんだかんだ聞いていたりしたけれども、いやはや、まさかこんなことになってるとは……

いやでもなにより、この映画をなんだかんだ撮りきって、それでちゃんと世界的な評価に繋げているのがやばいよなあ。普通こんな企画、どー考えたって暗礁に乗り上げて失敗するに決まってるじゃないですか。規模は違うかもしれないけど、「ロスト・イン・ラ・マンチャ」なんかが頭をよぎっちゃうよねえ。いやはや、本当にこの頃のコッポラ監督って神がかってたんだなあ……

あと、ロバート・デュヴァルとかデニス・ホッパーとかマーロン・ブランドとか、まあ役者の振る舞い見てるだけでくっそ面白いわなー。っつーか、主演はチャーリー・シーンのオヤジさんだったのね。最初見間違えちゃったよ。

あとまあ、こんな環境で幼少時を過ごしたら、ソフィア・コッポラもそりゃあちょっと普通の人と違ったモノの見方になっちゃいますよねえ。

ソニック・ザ・ムービー

 

いやー、さすがにシナリオが観客を舐めすぎてはいやしないだろーか。

そもそものテーマが「その能力故に孤独にならざるを得ない」というところなのに、それをこんな雑に解決するのってさすがにひどすぎるでしょう。せめて身内がもっとひどい目に遭って、それでソニックがひとりで活動することを決意する、みたいなパートがあってしかるべきプロットじゃないのコレ?

最後のスーパーパワー謎の覚醒のどうでも良さも本当にビックリしたけれども、ソニックの能力が強力すぎるからこそ、バランスよくそのバトルを描くことにもかなり苦労しているよね。最初の麻酔ハンデの無理やり感もヤバいけど、ラストバトルがなんであれほど互角に成立しているのかほんとよくわからん。ソニックが時間を引き延ばせるのって、アレ明らかに物理法則に干渉していると思うけれども、あの毛一本でデンキビリビリしたところで、それと同等の力がメカにも備わっちゃうわけ? さすがに説得力ないよなあ。

あとまあ、なんか敵役が謎のフィーチャーされてんな、でも動きはキレキレだしなんだろな、と思ってたら、あー、ジム・キャリーか! なるほど言われてみれば納得、なんだけれども、ジム・キャリーはやっぱり顔芸で認知してんだなあ。英語が聞き取れると、その口調なんかでわかったりするのかしら……?

ドリス・ヴァン・ノッテン ファブリックと花を愛する男

 

全然ファッションに興味がなかったんだけれども、最近ようやく少しずつ見られるようになってきた気がする。少し前はファブリックといわれてもそもそも何を意味するか全然わかんなかったのが、今はちゃんと生地に注目して物を見るようになった程度だけど。

でもこのドキュメンタリーは、ファッションその者と言うよりむしろファッションショーを軸にデザイナーが描かれていて、それだけでも全然見やすい。ファッションを単に人の衣装だけではなく、ああいう風に舞台装置含めて何かを表現するアートとして示せてもらえると、なるほどそういう文脈でコンセプトを表現しようとしているのだな、というのがわかりやすくてとても良い。いやもちろん、アートそのものが孕んでいる文脈みたいなのがあらかじめ頭に入っていた方が、面白く見られるんだろうなーって気もしたけれど……

あと、ああいうインパクトを与える衣服をデザインしているデザイナー本人の衣装がシンプルだったのがなんか印象に残った。なんかファッションショーで最後に出て来るデザイナーって、すごい外見って印象だったので。

パトリオット

 

歴史スペクタクルな映画ではあるけれども、しかしこれって本来アメリカ建国の精神を描くべき内容じゃん? 『ストーンウォール』でも思ったけど、そういう小難しい題材を積極的に選ぶローランド・エメリッヒって、なんなん? 到底、向いているようには思えないんだけれど、好きなんだろうなあ……好きじゃなきゃわざわざこの内容選ばないだろうしなあ……うーむ。

まあしかし、それにしたってレッドコートの描き方が安易な悪役って感じで笑ってしまう。史実があるのかはよくわからんけれども、教会に一般人閉じ込めて火を放つとか、あんなわかりやすい悪役に描かれちまうと、かえって全然乗り切れないよねえ。絶体絶命からの逆転! の描き方も「それでいいんかい!!」って感じだったし、うーん、根本的にこの監督、こういう作品向いてないんじゃないのかしら。迫力のある戦闘シーンって、スローモーションを多用すりゃいい、ってもんじゃないよねえ。

考証的には、銃剣ってこの時代、着いたり着いてなかったりするのかしら。この映画の戦い方を見ていると、やっぱり銃剣の発明ってのはめちゃくちゃ重要だよなあとは思う。特に当時弾込めるのが大変なんだから、銃をそのまま剣として使えるっていうのはアドバンテージだよなあ。

リアリティ・バイツ

 

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  • ウィノナ・ライダー
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ベン・スティラー!? マジでベン・スティラーが初監督でこんな作品撮ってたの!?!? いやまあ、こないだ見た「世界サブカルチャー史」で概要は知ってたんだけど、改めて見るとまあビックリするな。いやしかし、こういう視点がしっかりあるからああいうどーしようもないコメディ撮れるんだろうな、という気もする。っていうか、この映画自体、ベタだけれどもなかなかチャーミングな青春恋愛映画だから、むしろなんでここからあの映画になっちゃうの!? という感じはするか。でもあのドキュメンタリーの編集とか、アレ普通にコメディの作りだもんなあ。

ビデオテープの質感とか、BMWのエピソードとか、ゲイの人がエイズの疑いに苦しんだりとか、全体的にうーん時代だなあ、という感じ。ここまで時代の空気感をバッチリ刻印した映画は久しぶりに見たぜ。「世界サブカルチャー史」で取り上げられるだけのことはありますわね。

それにしてもウィノナ・ライダーは可愛らしいですわな。ベン・スティラーは今も知ってるベン・スティラーだけど、イーサン・ホークってあんな感じのイケメンだったのね。今も素敵なおじさんだけど、若い頃はさらにさすがって感じだぜ……

バニシング '72

 

バニシング '72(字幕版)

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  • トラヴィス・フィメル
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うーん変な映画。

なんか語り口で色々捻っているけれども、うーん、変な感じ。時系列のシャッフルとか、そんなやる意味あったのかしら? 全体的にテンションがかからないというか、ゆるーい感じになってるもんで、別にストーリーを引っ張る力になってもいないしなあ。あんまりよくわからん。

ニクソンの犯罪がバックグラウンドに敷かれているけれども、全然直接の言及じゃないほのめかしで、そこら辺は現実を知ってるからOKでしょ? みたいな感じなんだけど、オレたちゃそこまで詳しくないからなあ。そこら辺の接続にいちいち疑問が出てしまう感じもなくはない。

まあ、登場キャラクターが愛おしくないわけではないので、そこら辺の魅力でダラダラ見ると良い、という感じなのだろうか。いやでもなー、この時代はどう考えても公民権運動で大変だった時期のはずで、そこで黒人の操作感が出てくるのとかって、やっぱりそれなりのニュアンスがあるはずだよなあ。あんまりよくわからんのでちょっとガッカリではある。

映画の引用も、だから何って感じだったしなあ。あ、でも『暴力脱獄』のエピソードにはニッコリしてしまいました。

HITOSHI MATSUMOTO Presents ドキュメンタル シーズン13

 

あー、これが最新のヤツか。世の中的に続きが出るかどうか微妙なんでなかなか大変だな……

フットボールアワーが優勝してよかったな……というのが正直な感想。ちゃんと相手の攻撃を受けたりネタを繰り出したりして笑かしにいって成功していたのが見ていてとても気持ち良かった。

まあ、競っていたランジャタイがちょっとしつこすぎてゲンナリしたのもあるけれども。っていうか、基本的にお面被ってる時間が長すぎるのって良くないよね。カウンターで笑かすのも重要な要素なんだしさあ。

ウエストランドの井口はなー、M1とかのネタの毒舌はきちんと台本があるしフォーマットができてたんで聞いてて別にそこまで思わないんだけれども、アドリブで聞くと結構キツいな。言葉の内容自体は確かに優れてはいるんだけど、まだ芸までいってない感じは結構ある。河本よりもそっちの方が気になった。

EXITは見ていてホントしんどかったなー。普通、お笑い芸人ってああいうのをフォローしておいしくしていくのもできるスキル持ってると思うんだけれども、あの真剣勝負の中ではそういう振る舞いが難しかったんだろうなあ。外部のオブザーバーからのイジリでなんとかもってたところもあるんだけれども、本人的にはどうしようもなくキツかっただろうなあ、とは思う。