ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

Vampire Survivors

www.youtube.com

公式サイトのリンクをどこに貼れば良いのかわからん。

友人からSteamで送られてきたんでやってたんだけれども300円か……300円……いやあ、こんなんやられたらたまんないですね。精力的なアップデートがされているみたいだけれども、この記事が出る頃には正式版がリリースされているのかしら?

全キャラ出すのはなんか大変そうなので、とりあえず区切りで感想を書いているんだけれども、30分という時間制限で強制的に切られるプレイ体験というのはなかなか新鮮で良い。ついもう一回プレイしちゃうよねぇ。最初はなにをどうすれば良いのか全くわからないままにゴリゴリ増える敵に押し潰されてうぎゃーとなるわけだけれども、だんだんデッキ構築の要が見えてきて戦略を立てられるようになるとまた面白くて良いですね。

隠し要素が多いのはこのシステムだとなるほど納得の拡張という感じだけれども、個人的にはあまりそういう増やし方は好きではないので、途中から「まあこんなもんで良いかな……」と思ってしまったのが残念かなあ。基本的なシステムってなかなか拡張しづらいと思うんだけど、これから先のアップデートでさらに先が見えるようになったらそれはそれですごいことだとは思うけど、まあ300円分は十分に楽しめたのでなんも文句ないです、はい。

キューブリックに愛された男

 

キューブリックに愛された男 [DVD]

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  • エミリオ・アレッサンドロ
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キューブリックはファンなのでドキュメンタリーを見かけたらまあ積極的に見ているわけだけれども、なかなかおもしろい内容でした。まあたぶんナチュラルにプレッシャーをかけて他人を束縛していくタイプの監督だとは思うんだけど、こういう断ることのできない性格の人を近くに置いておいたんだろうなーと思います。いや、作品は良いけれども人間としては本当に駄目な監督ですよね、キューブリック。監督がやってる引き留めの端々に、「あー自分だったら絶対に近寄りたくないわ……」って思わせるいやらしさがある。まあだからこそ、ラストの「一番面白かったのはスパルタカス」に爆笑してしまうわけですが。なんでよりによってそんな地雷を踏み抜いてしまうのか。

しかしまあ、キューブリックを直接映すのではなくて、ひとりドライバーを間に介することによって、きちんとフィルターがかかった人間像ですよ、というのが明示されるのが良いのかもしれない。「親友がマラソンに行ってる間撮影を止める」とかまあ普通に考えておかしい。直接なら絶対ドギツすぎるアレやコレやのエピソードも、あの倉庫に整理されたモノによってビジュアルで表現されると、「あーそういう人生をこの人は選んだんだよね……」って簡単に否定できなくなっちゃうもん。そういう意味では、なるほどこういう語り方をする必要があったドキュメンタリーなんだなーと思いました。

奇術師フーディーニ~妖しき幻想~

 

奇術師フーディーニ~妖しき幻想~ (字幕版)

奇術師フーディーニ~妖しき幻想~ (字幕版)

  • キャサリン・ゼタ=ジョーンズ
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奇術師フーディーニは中島らもの小説家なんかで何度か名前は見たし、あと他にもエンタメでちょくちょく名前が出るので、気になっていたんだよね。でも、この映画で出てくるフーディーニの描き方は、あんまり面白くないというか……奇術師なんだから、もっと虚々実々であやしげな人物を勝手に想像していたから、ここまでストレートに純粋なキャラクターとして提示されると「えっ!?」って思う。人前では意地を張って「パンチなんて効かない」みたいな振るまいしちゃうのも、当たり前だよねえ。これなら『マン・オン・ザ・ムーン』のアンディ・カウフマンのほうがよっぽど奇術師っぽく見えますわ。

ただまあ映画の半分は騙す側メアリーにいってるので、しょうがないと言えばしょうがないのかなあ……降霊術において肝要なのは相手の下調べなところは、今も昔も変わらないわけよねえ。シュガーマンを含めて、少ない登場人物で、賞金と謎を含めて、丁々発止の恋愛関係……というのがテーマだとは思うので、それ自体はきちんと描けていたと思う。クライマックスのどんでん返しなんかは悪くなかったしなあ。大変わかりやすい「意外な展開」で、ようやく騙されたーって感じ。

これが普通の恋愛映画だったらまあまあ納得かもしれないんだけれども、うーん……やっぱりフーディーニっていう名前を神格化しすぎてるのかしらねえ。

THX-1138

 

あんまり評判良くなかった、という噂を聞いてはいたが、まーこりゃしょうがないよねえ。ストーリーに失敗してるんじゃないかしらコレ。このルーカスのこの後の映画を見ているからなおさらというか……正直映画を見ていてここまで眠くなったのは久々だった。後半かなりうとうとしてしまった。終わってあまりにも辛くて昼寝した。

いやまあ映像はすごいと思うんだよなー。どう考えても予算が潤沢にあるタイミングではないと思うんだけれども、これだけの人を揃えてちゃんとそれっぽい映像にしているのは本当にすごいと思う。たぶん技術からの逆算で映像をつくらんとできないことだし、これがスター・ウォーズに繋がったりしたのかしら。

とはいえ話は本当に退屈……というかわけがわからない。いやなんとなくどういう状況を描いているかはわかる気はするんだけれども、それが個人のドラマに乗っかってドライブしていかないよなーという感じ。キリストとかのくだりも、向こうの文化がわかったらもうちょっとはっきりわかるのかしらん。まあ時代の空気も含めて、読み方をちゃんと理解していないと辛い作品だなあとは思いました。

ミッドナイト・ゴスペル

https://www.netflix.com/title/80988776

「アドベンチャー・タイム」がなんかすごいことをやっているという話は噂に聞いていたけれども、いや、すごいねこのアニメ。

まあ明らかにサイケデリックな映像と内容なんだけれども、このハチャメチャな内容をインタビューという形式でひとつにまとめてなんかそれっぽく商品にしてしまう状況が何かすごいよな。今のNetflixでなければ成立しないシリーズって感じ。ある種の文化事業、ではあるんだけれども、それがこのクオリティでこの内容で成立してしまうのが、いやー強いなーと唸らされます。

でもってね、なんか最終話で号泣しちゃったんだよね。別にオレ、スピリチュアルとかそんなに興味はない方なんだけれども、主人公の「自我に向き合う姿勢」みたいなところには所々(本当に所々だけれども)「ふんふんほうほう」って引っかかっていて、なんかそれがトリガーになって最終話で決壊しちゃった感じで、いや、我ながらだいぶ危ないな……新興宗教とかに簡単に引っかかりそうだ(笑)。でもさあ、母親が年老いて死ぬところをああいうトーンで描かれたら、ねぇ……。リアルな母親とああいう会話は全然したことないんだけれども、でもなんか架空の母親の思いに触れて決壊してしまった。まあ、そこから先で今度は自分が妊娠するのがこのアニメのアニメたる所以なんだろうけどね。

人には勧められないけれども、いや、掛け値なしにすごい作品だなあとは思います、はい。

ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ

 

ヴィム・ヴェンダースのドキュメンタリー! 時々見るて、いつも「あんまりピンとこないなあ……」という印象だったんだけれども、なるほどこの題材は叙情たっぷりの映像と編集がバッチリ効果を生むよなあ。

個々のエピソードや音楽への思い入れもすごく良いのだけれども、白眉はやはりカーネギーホール、というかニューヨークの一幕で、ここでニューヨークの街並みとキューバの街並みが対比されるのがすごくいいんだなあ。リムジンに乗ってはしゃぎながらもどこか乗り切れない感じの老人達が、キューバの街並みを流すクラシックカーとのこれ以上ない対比になっちゃってるもんなー。

そして面白いのがキューバの街並みで、歴史的経緯を見るとアメリカからガンガン資本が流れ込んでリゾート地になったのって、この音楽家たちが幼少時代を過ごした年代だったりするわけでしょ? その時代の色香が強い建造物が美しい映像でガンガン提示されて、「うおーこれが時の流れ……」という感じ。バレエの練習場として使われる大ホールでピアノを弾く様子とか、あまりにも幻想的で、いやーうっとりしてしまいますよね……ホントに異次元。

その後キューバ革命で社会体制は大きく変わったのだろうけれども、それと音楽との関係やら一般人の認知やらがよくわからないところはあるので、そこら辺を知っていればもっと楽しめたのだろうか、とは思う。キューバとアメリカの関係はもうちょっと理解できるようにならないとなあ……

ガントレット

 

ガントレット [Blu-ray]

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  • クリント・イーストウッド
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前に絶対見たと思うんだけれども感想が書いてなかったので見始めてしまった。前は「バスがすげえ」って印象しか残っていなかった(雑!)のだけれども、今だとその他にも見所ヤマモリで大変良いですね。というかこの内容を忘れていたなんて、前回は一体どんな状況で映画を見ていたのか呆れる……

まず何より面白いのが過剰さで、どこまで予算があったのかよくわからないけれども、とにかく少ない山場のシーンをどれだけ過剰に見せようと注力していたのがわかる。謎の車の受け渡し場所は爆発すること前提だし、周囲から離れた土地にポツンとある謎の一軒家は穴だらけになって倒壊してもバッチリオーケーという感じだし、まあとにかくそういう絵的に派手な銃撃戦をこれでもかというくらいしっかり見せるのはやっぱりいいよねえ。ヘリでバイクを追いかけるシーンだって、別になにか特別なことがたくさんあるわけじゃないけれども、これでもかってくらいじっくりたっぷり見せちゃうわけだし。

また、全体を通してストーリーラインは明瞭で、基本的には次の山場を予告しながら進む構造なので、読者の意識がダレないのも良いよね。わかりやすくドキドキできるし、そこまでの何でもない会話の時間が長ければ長いほど緊張感は高まっていく。低予算のシナリオってのはこういう感じで作るんだなーと感心しました。

あとなんと言ってもラブストーリーが良いよね。まあ言ってしまえば単なる吊り橋効果ではあるんだけれども、しかしジェンダーに対する偏見なんかを巧みに脚本に織り込みつつ、言葉少なにふたりの関係の進展を説得させてしまうのは、クリント・イーストウッドの面目躍如で、うーんマジで良くできてるなーと感心しました。決断のタイミングで母親に電話をかけるのがすごくいいよね……いや、良くできてる映画だわ。