ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

狼/男たちの挽歌・最終章

 

狼/男たちの挽歌・最終章 <日本語吹替収録版> [Blu-ray]
 

そうだよね、「男たちの挽歌」とはストーリー上の関係ないよね……とは思いつつもジョン・ウーだし一応見とくかーと思って再生を始めた。

いやー、大体全部劇団ひとりに見えてしまって本当に困る。本当に困る。ものまねとかやってんのかどうか知らないけれどもまあとにかくこういうものまねしてそうだなーって困る。ジョン・ウーのスレスレの演出が時代を経てそういうパロディっぽく見えちゃうよねどうしても、ということなのだろうけれども、いやーほんとパロディっぽくしちゃいたくなるビジュアルだよなー。チョウ・ユンファが格好つけてるところがめちゃくちゃ面白いし、すぐ裸で汗だくになるし、子供を助けるために病院に駆けつけちゃうし、うーんこんなん真似するなって方が無理でしょ。椅子に座ってるところをドリーしながらスローモーションでアレだけ吸引力があるんだもん。ズルいよ。

ヒロインが失明するのが一番のポイントではあるけれども、それがそこまでイカされていなかったというか……途中で彼の正体がばれてしまうところとかもうちょっとやりようがあったはずで、そこら辺はストーリーが勢い任せだなあとは思う。ただ、お茶をもらうシーンはいかにも香港映画の系譜! って感じで大変印象に残ったなー。

それにしてもあの教会は無理やり過ぎて笑うよな……ああいうシーンがあると、あのロウソク、つけるの大変だったろうなーといつも心配になってしまう。

 

アズールレーン

 

うーん全然わからん。バックグラウンドの史実とか、あるいはゲームをやってキャラの思い入れがあったりしたら楽しいのかしら? まあそういう知識がないのに見ちゃいけない作品になっているよなあとは思う。

しかし全体的にリアリティをどこに持ってくるべきかの統制がとれていない感じがすごいというか、うーんオレはこの作品をどういう顔をしてみれば良いのか全然わからなーい。まあ艦これとかもだいぶ苦戦してたみたいだからそもそもが難しいモチーフなのかもしれないけれどもね。

いずれにせよ戦闘をちゃんと行うこととキャラクターの内面の接続が、絵のトーンも合わさってかなりちぐはぐな感じになっていた感じはする。脚本はもうちょい外連味がある見せ方を志向してた気がするんだけれども、なかなかビジュアル的にうまくいってない感じがするよなあ。やっぱり海の上だと演出の方法も限られるし……

あとふたりのヒロインの内面描写ももうちょっとどうにかならなかったのかなあと思う。全体的に世界観の謎さが原因というか、おまえらそもそも何のために戦ってるの? というところに上手く乗り切れないのが原因なのかしらねえ……

ビッグデータ黄金時代: 世界の繋がりを科学する: シーズン1: 核爆弾

www.netflix.com

これでシーズンが終わりなのかしら?

核爆弾、ということで日本人の自分たちにとっては大変ビミョーな題材なわけで、しかもこういう「科学への貢献」みたいなのをどう表現するのかと思ったらまあさすがに配慮が行き届いてるなーNetflix! という感じで大変そこらへん感心してしまいました。きちんとハーフ? ダブル? の人材を持って来たのもホントえらい。っていうかオレらが理解しているよりも全然ちゃんと原爆被害の追跡調査を紹介しててありがとうございます、という感じ。

絵画の鑑定の話なんかも間に挟まったけれども、そうかー有機物にはみんなそういう差違が見受けられちゃうわけねー。いやはや言われてみれば当たり前だけれども、そんなにはっきり違いが読み取れちゃうのね。なんかのネタに使えそうだなあと思いました。

しかしこのシリーズ、現代が「コネクティッド」なのね。なんかこれまで「ビッグデータ黄金時代」って邦題でだいぶ勘違いしていたわ。現代ならではのビッグデータを用いた社会の変革を掘り当てちまうぜ! みたいなかんじをイメージしてたんだけれども、どちらかというと今の世界のシステムとシステムの間に存在する意外な繋がりを紹介する、みたいなコンセプトよね。それならばまあなるほど納得である。

ヒックとドラゴン 聖地への冒険

 

ヒックとドラゴン 聖地への冒険 ブルーレイ+DVD [Blu-ray]
 

いやまあ確かにちゃんとつくってはあるのだけれども、前作・前々作に比べて感激がないのはなんでだろーか。いやまあトリロジーとしてちゃんとロジカルに収まるところに収まった感じもしなくはないけれども。

いやでも実際「本当に収まって良いの?」って感じはするよなー。簡単に言うとイージーな結末。「分かれて生活することで困難が解消される」ラストって、1や2の展開と矛盾してない? 大丈夫? その困難を抱えつつ生きていくのがオトナになるってことだと思うので、こんなに綺麗に解決法を導き出されると、話がむかうべき結末とちょっとズレちゃってんじゃないの? と思います。

あとは人間側のドラマが明確に薄いのがどーもなーと思った。ヒックの恋愛を描くことからなんであんなに逃げちゃったんだろ。いきなり視点が送り出す親側になったのは、ちょっとシナリオ的にだいぶ筋悪の選択ではなかったのかなー。前作まででそこはタップリやってしまったとかそういうこと? でもだったら序盤の「結婚しなよ」みたいなテーマの提出がちょっと奇妙に感じられるよなー。

まあなんだかんだ言っているけれども相変わらず志の高い映像で大変よろしゅうございますね。ドラゴン同士の絡みはどうしたってサイレントにならざるを得ないわけだけれども、それで全く文化的に馴染みのないドラゴンの求愛を描き切っちゃうとかもー志が高すぎるでしょー。白ドラゴンのまあまあエロいし、うーんさすがの描写力だなーと思わされましたハイ。

 

ヒットマン エージェント:ジュン

hitman-movie.jp

想像していたのとは全然違ってだいぶコメディ風味でビックリした。

映画としてはまあ導入のアイディアは良いんだけれども、中終盤でテーマの彫り込みを大いに怠った感じ。序盤の「マンガが面白い」という説得をめちゃくちゃアクションのデキが良いアニメーションで担保したのはうおーすごいと唸らされたけど、後半でそのマンガが死んじゃってるのは本当に致命的でしょう。ヒットマンとして生きる事を余儀なくされた主人公にとって、マンガを書くことはフィクションの側から現実に対抗する唯一の手段だったはずで、ということは現実の家族を守るためのラストバトルはどう考えたってマンガの力によって解決されるべきでしょう。コレまで書いてない展開の先を漫画家として「オレならどうする!?」って考えてトレースするのが、現実とアニメの二重写しになっただけで、もうめちゃくちゃ説得力あるし感動する展開になったはずだと思うんだよなー。アクションはさすがの韓国映画って感じで悪くなかったので、なんでその展開にならなかったのか本当に悔やまれます。

あとまあなんだかんだ儒教の思想が透けて見えるのが文化の違いで面白いなーと思った。あのクソ上司をそれでも立てる辺りとか、「家族なんだから仲良くしなきゃダメでしょ!」で強引に困難を乗り越える辺りとか、うおー文化の差違があるなあと思わされました。

ゴルディアスの結び目

 

ゴルディアスの結び目 (角川文庫)

ゴルディアスの結び目 (角川文庫)

  • 作者:小松 左京
  • 発売日: 2019/03/25
  • メディア: Kindle版
 

こないだ見た「小松左京アニメ劇場」があまりにイメージが違っていて、うーん小松左京ってこんなテイストだっけ? と思って読み返したんだけれどもやっぱ全然ちげーよね。この作家をあのくらいのスケール感でアニメ化するのってなんか全く動機がわかんねーなー。まあ改めて言うまでもないけれども、大作映画がたくさん撮られたのも納得って感じの作風だよね。

まあしかし改めて時代を感じるというか、ドラッグカルチャー満載のSFだよなー。ニューエイジ! なの? よくわかってないんだけど。まあ内面世界精神世界を宇宙と結びつける感じの大変私的な感触のある作品ではあって、しかしここまで振り切っちゃえるのはすごいよなーと思う。解説かなんかにもあったけど極北感があるよなー。今日本のエンタメにSF的なあれやこれやは自然と混ざっちゃってるとは思うんだけれども、ここまで内面世界に踏み込んだものってあんまり見ないから逆に新鮮よねー。

しかし最初の孤島の描写にもいちいち「うーん美しいなー」って唸らされたけれども、後半の短編、で物語や比喩に関わる考察がなされているのもなかなか楽しかった。まあマクロのストーリーを追っていくとき、ミクロ視点の「物語の意味」みたいなところが問題として立ち上がっていくのは大変よろしいよなー。セックスと命の関係なんかもああやって描写されたことがないのでハッとしますわ。面白かった。

泥の河

 

泥の河

泥の河

  • 発売日: 2018/03/01
  • メディア: Prime Video
 

『FOUJITA』の監督なのね……

1981にこの映画を撮るのかーなるほどーという感じ。「もはや戦後ではない」みたいなタイミングのこのくらいの視点の日本映画ってなかなか見ないから新鮮。高度経済成長期の日本を描いた映画って少ないよなーと不満を持っているのだけれども、オレが当たってないだけだったりするのかしら? いやでもここら辺の作品にアクセスしやすいかっていわれたらそんなことないよなー。黒沢・小津あたりはまあさすがに良く言われるけど。軍歌とか歌う辺りの空気感とか、おーそうかーそういう感触になるのだなーとなんか納得してしまう。

原作宮本輝って話だけど、自分宮本輝も学校の教科書とかでちらっと読んだレベルなので、むしろCMとかのほうが印象に残っていたりする。なんちゅーか、良くも悪くもいい話って感じの話だよねー。まあしかしそれだけ普遍性があるっちゅーことかもしれぬ。というか郭船みたいな概念が今まで自分になかったもので「あー……そういう世界もあったよね……日本にね……」みたいな気付きの方がでかい。あと加賀まりこお美しい。たいへんよろしい。

やはり子役が素敵な映画であって、主人公のあの小憎たらしい表情をじっくりじっくりとっているのがとても良い。でもやっぱりちょっと年上にお姉ちゃんがいるのがいいよね。あのくらいの年で母親の姿を見ながら世界を懸命に理解しようとしている辺りがマジたまらんと思います。