ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

ラスト・アクション・ヒーロー

 

ラスト・アクション・ヒーロー [Blu-ray]

ラスト・アクション・ヒーロー [Blu-ray]

  • 発売日: 2010/08/25
  • メディア: Blu-ray
 

メタな映画とか、映画にまつわる映画とかは良くあるけれども、これはデキがいいとは言えないんじゃないかなー。フィクションの価値をどれだけ重要と認めるかが大事というか、現実に戻ったときにフィクションを通じて得た何かが現実側に反映されてこそ意味がある、みたいなつくりにしなきゃならないと思うのだけれども、シュワルツェネッガーだからなー。フーディーニとか下敷きにしてもシュワルツェネッガーだからなー。LAとNYでフィクション/リアルの世界の対比を描くってのもあまり上手く行ってないというか、別にNYだってめちゃくちゃフィクションっぽい場所だから、あまり対比になってない感じがする。まあ、メタフィクションを扱いたいという人は大体物語と現実の関係性を考えてるから、ここまであっけらかんと扱われるとそりゃまあ納得感が足りなくなっちゃうのもしょうがないか。『ヒューゴの不思議な発明』見返そうかと思っちゃったよ。

どうせやるなら半券もった悪役にゾンビもジェイソンもヴァンパイアも引き連れてきてもらって、現実のNYをめちゃくちゃにしてもらうくらいして欲しかったぜ。でもってそれに主人公が対抗してシュワルツェネッガーだのスタローンだのブルースウィリスだのヴァンダムなど引っ張ってドリームマッチして欲しかったぜ。シュワルツェネッガー連れてメタネタやるなら、そのくらいはっちゃけてもいーんじゃねーの? サクラ電話で見栄を張るシュワちゃんのリアリティなんて見てもしょーがないでしょ。

パッセンジャー

 

パッセンジャー [AmazonDVDコレクション] [Blu-ray]

パッセンジャー [AmazonDVDコレクション] [Blu-ray]

  • 発売日: 2018/02/07
  • メディア: Blu-ray
 

いやいやこの映画「ズ」をとったらまずいでしょ? 複数人だから意味あるタイトルなのになんでこういうことしちゃうかなー……と思ったら、『パッセンジャーズ』って映画がもう既にあるのね。アン・ハサウェイ。ならしょーがないのかしら……

まあとにかくヒロインが綺麗すぎないのが良いですね。これが本当にザ・モデル体型の美女ではないので、「あーはいその文才を含めて惚れちゃったのね」という感じが伝わって良い。しかも父親が有名人でコンプレックス持っている人間という落としどころもグッド。

ラストの「えーそれで許すんかい」というのは、まあこのくらいのリアリティならありえるのかなー? いやさすがにないかなー。というか前半の「やるのか? やっちゃうのか?」からの「秘密バレたー!」を見せればそれで十分って話っぽくはあって、クライマックスへの盛り上げ展開正直要らないよねー。どうでも良いアクションしてるなーと思いながら見ていた。あそこらへんがもう少し説得力あったら、主人公を許しても納得いったのかしら? うーん、無理だよなー。ってか「故障は有り得ない」って前提で運用しちゃう船っていうガバガバ設定だもんなー。せめてシステムの冗長性確保できんのあれ? いやまあそこら辺にツッコミを入れる話でないのはわかっているのだが……だが……

しかしこういうCGで宇宙の美みたいなシーンを見せられても全然美しく感じられないのはコレなんなんだろなー。宇宙遊泳の描き方のアイディアのなさ? 『ウォーリー』はホント溜息出るほど美しかったもんなー。

TENET

wwws.warnerbros.co.jp

まー嫌いじゃないですけど別に好きじゃないです。パズラーみたいなのにはそんなに興味がないので。むしろそこに何をのっけていくかという方を重視するタイプなので、マニアックでこういうのが好きな人もいるとは思うけどそんなに乗れないなーというのが正直なところ。

映画にとって逆回しというのが大変映像的にワンダーを生みうるプリミティブな仕組みであるはずなのに、そこがあまり上手く生かせていないっぽかったのも不満の原因かなー。逆回しで生きたのは銃と爆破と車の運転横転くらい? 順行逆光の戦闘は見所のはずなのに全然ビジュアル映えしてなかったからなー。結構ここの不満がデカいのではないかと思う。一番ピンときたのが飛行機突入シーンなのはやっぱり余り良くないと思う。

しかしこのとんでもねー与太話を、ストーリーに落とし込むときにどうやって制限をつけるか嘘をつくか、というところもまあ面白く見られるタイプであり、とにかくコンテナを使ったのには感心させられた。過去反転装置みたいな超都合のいい装置に深く触れなかったのもさすがだなーという感じ。とにかく混乱させないとこの話は成立しないよねー。

しかしなんだろうなー、黒人が主役で女性がサポートで男性の富豪から自由を取り戻そうとして、あとインド人とイギリスも出てきちゃったらそりゃまあ権利運動を想起しちゃうのは仕方ないよなあ。後ろで指示しているはずのCIAがまったく存在感を見せず、あたかも黒人が主体的に活動しているように見えるのもまあ変な構造だなーという感じ。資本の権化とかハイソサエティなものに、時間の逆行を用いて反抗する話でもあるもんなー。コンテナとベトナムとかも意味深すぎてなー。なんかもーちょいそこら辺は読み取りようがある気がする。

ビッグデータ黄金時代: 世界の繋がりを科学する: シーズン1: 雲からクラウドまで

www.netflix.com

うーんこれはさすがに苦しいのではなかろーか。雲とクラウドコンピューティングを同時に扱うというのはアイディアはまーわからなくはないがしかしさすがに無理やり感が半端ない。別に個別の事象がつまらんわけではないのだからもう少しふつーに見せてれば良いのになあ、と思う。

天気予報のはじまりみたいなのは、今日当たり前に自分たちが享受しているもののルーツを改めて感じさせるワンダーが満ちていてなるほど素晴らしいと言う感じ。そりゃまあ天気予報なんて最初は呪術か何かの類よねー。しかしもう少し具体的に気圧の変化で天気を予測するにはどのようなステップを踏んだのか、みたいな話は見えても面白かったなーと思う。

あと貴重な海底ケーブルの話も見られて楽しい。海底に通信ケーブルが沈んでいるのはもちろん知識として知っていたけれど、あーあんな風にグルグルケーブル巻いて運んでたのねーと。なかなか調べ方もわからないような知識が向こうからやってくるのは楽しいデスねこの番組。

しかしこの回の白眉はなんといっても最近ネットでもちょっと話題になってたエストニア。いやーちょっとすごすぎますねエストニア。全ての情報がオープンで追跡可能だからこそできること、って感じだよなー。いやはや、やはり現代のテクノロジーにおいて「情報公開」がいかに大事な概念なのかをはっきり見せつけられた感じでございます。判子をなくすとか言ってる場合じゃねーよな全く……

ビッグデータ黄金時代: 世界の繋がりを科学する: シーズン1: 桁と数字の法則

www.netflix.com

えー!? 法則に対する説明ないのー!? うへー!! と思わずネットで検索してしまうくらいには衝撃的。直感に反する。

いやまあ1から始まる数字で増えていけばそういうこともあるのかなーとは思うんだけど、しかしJPEGで保存し直すとそれが平均化されるってどーゆーこっちゃ。操作が加わると法則が成り立たなくなる、というのがまじでよーわからん。全然理解が追っつかないぜ……あと音楽の話が出てきたりもしたけれど、アレって「美しい音楽だから」みたいな説明しちゃって本当にいーのかしら。そんな主観的な理由くっつけちゃいます?

ということで題材的にはかなーり面白かったので大満足。法則が当てはまるものと当てはまらないものの違いみたいな話も聞きたかったなー。相変わらずビッグデータなのか何なのかはよくわからないけれども、序盤に想像していた以上にちゃんと面白いサイエンス系のドキュメンタリーになってきて、わたくし大満足であります。なんか無駄に色んなところにロケしにいってる感じもするので、そこだけが不安? まーでも派手な映像はドローン飛ばすくらいだから、今のデジタル機器の普及状態だと、このくらいの映像はそんなに手間かからずとれちゃったりするのかしらねえ……

秋刀魚の味

 

これが遺作かー。できすぎだなあ……

小津安二郎はちょこちょこ摘んでいるくらいだけれども、この作品ってそんなにテイスト違うの? 別に今まで見た作品とそうテイストが違うようには思えなかったけどなー。家とか嫁入りとかそういうのをずっとやってる監督ではあるよねえ。

単純なストーリーに見えて、持ち家と団地の対比だったり、戦争が突然フラッシュバックしてきたり、亡き妻の亡霊が現れたり、そういう時代の前後が流れている話ではありますよね。そういや友人の若い妻もそういう時代の前後を対比させる話であるのかー。戦争を経験して高度経済成長期の団地暮らしがあって、そういう時代に歳を取ってでも家族の姿を書き続けてるわけで、それであの台所のラストはなー、たまんねーなー。後半に立て続けに現れるブツ撮りプラス音楽のシーンはもう勘弁してくれーって感じ。そんなんじーんと来てしまうにきまってんじゃーん。

しっかし岩下志麻が若く、若い時代からまあお美しい……という感じなんだけれども、わたくし的には岸田今日子も捨てがたい魅力がありますね。口が大きい。あんな声でママをやられちゃいましたらもーたまらんですなー。

それにしてもこのタイトルなんなんじゃろ。全然意味わかんねー。ハモはあったけどさ、ハモは……

ビッグデータ黄金時代: 世界の繋がりを科学する: シーズン1: 砂塵(さじん)

www.netflix.com

うーん、突然話がめっちゃ面白くなったぞ……構成ってマジで大事だなー。

まず最初のサハラ砂漠パートが大変よろしく、でっかい湖がかつてそこにあったという話もまーその時点でめちゃくちゃ面白いのだけれども、そこから砂塵が吹き飛ばされていきなりハリケーンの勢力を弱めるみたいな話でぶっ飛んだ。貴重なリンの供給源になって海の恵みなる、みたいな話もまあなるほどなーって感じ。しかし砂塵回収のブイを浮かすとかよくやるなー。こういう地道な研究に予算がかかってるとか良いよなー。海洋国家オランダの国旗が映えるぜ……ただフロリダの赤潮の原因ってほんとにー? と疑問に思ったりはする。むしろ川から流れた肥料とか影響してんじゃないのーみたいな。

そして最後にアマゾン! は良いのだけれども、そもそもあの観測用のタワーがすごすぎるわ。カリン塔かよ。あんなのをアマゾンの真ん中で見つけちゃったらめちゃくちゃビックリすると思う。ってかワイヤーで固定するとアレだけ高くてもあの細さで安定するんだなー。なんか建造物のワンダーだけで見て良かったーって感じ。