ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

ウエストインディーズ・ギャング

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うーん、全然ピンとこねーなー。

カリブからフランスにやってきてひどい生活の中でギャングをやる、というのはまあわかるんだけれども、ギャングの世界の力関係を描くにはちょっと平面的すぎて、うーん……むしろ仲間内での裏切りやらいざこざやらを描く感じにはなっているのだと思うのだろうけど、どのキャラクターにも全然ピンとこなくてなー。眠気もあって結構ダラダラ流し見した感じになってしまった。良くない。

フランスの低所得層って結構映画のテーマになっていると思うんだけれど、「これこれ!」みたいな記号を自分が見つけられてないのかもしれないなーと思った。多分最初のうちは思想的バックグラウンドとかもありそうだけれども、そこら辺も目の前の金銭のやり取りの前に沈んじゃった感じだもんなー。社会派、というには彫り込みが足りない感じ。だったら終始あの娘絡めて欲しかったよなー。序盤はわりと緊張感あっていいなーと思ったんだけど……っていうか、西インド諸島から片道切符でフランスへやってくる移民、みたいな構図が興味深すぎて、ギャングストーリーなんてどうでも良いよ! みたいな。ギャングストーリーをやるなら、もうちょっとギャング独特の文化みたいなのが見たかった。まあ完璧に映画の見方が違った感じか。

サイケまたしても

 

サイケまたしても コミック 全15巻セット

サイケまたしても コミック 全15巻セット

  • 発売日: 2019/02/18
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うーん頭が悪ーい! はてさてループものをどのように料理してくれるのかな? とおもったらマジで主人公がやり直して攻略法を見つけられる以上のものになってなくてビックリした。ループのルールを探求する形にならず、敵の能力を探る駆け引きにばかり注力しているもので、ストーリーのあらが気になる気になる……

そもそも1巻で繰り返された「命を救うことが困難」っていうアレが、それ以降のストーリーでは全く問題になっていないのはもう完璧にあり得ない。あれ以降も同じルーリングでやるのならば、「どういう理由で死の運命が固定されるのか」みたいなところを巡る話にならざるを得ないじゃん。ただ単にヒロインを助けたいって共感させるためだけに、セカイのルールが都合良く改変されている時点で、「あ、真面目にループものやる気ないんだな」って感じ。

そもそも他者の能力のルールを探ることにアレだけ注力した主人公が、自分の能力の探求をしていないとかあり得なすぎる。「溺れればオッケー」という状況を理解せずに海外旅行に行くとかマジでない。いくら少年マンガだからって、ループが失敗する条件の「不測の主人公の死」に対するリスクマネジメントがなさ過ぎでしょう。挙げ句、ただビックリさせるためだけのセーブ&ロード能力の導入でしょ? いやー、さすがに呆れる。

ガムテ化と発泡スチロール化だけであれだけアクションを成立させたのはすげーと思うけど、うん、だったら最初からループとかなくて良かったんじゃね? というのが正直な所ですはい。

ブライト

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冒頭のグラフィティで文化を紹介しちゃうのは大変良い感じ。なるほどこういうふうに異なる文化を描くんだなーと納得。

するんだけど、ちょっと中身についてはこれでいいのかよくわからん。ってかポリコレ的にマジでこれでいいの? 黒人スターのウィル・スミスが新たに差別可能な対象のオークを見つけてる話にしか思えないんだけれど。人種差別をバックグラウンドに敷いた立て付けで、これだけあからさまにやっちゃうのはマジでよくわからん。ふつーにエンタメとしての扱い方が大変気持ち悪い。悪い意味で。

でもってストーリーもホントにワケわからん。ラストの「お前がブライトだ」の爆笑展開は「さすがウィル・スミスだなー(鼻ホジ)」って感じだけれども、まーそこには一応説得力があるから良いとして、その前の殺し屋から逃げる展開の辺りはマジで意味不明。アレだけババババババって特殊部隊をガンガン倒してる殺し屋が、ただの警官のウィル・スミスに手こずるのが、本当に、マジで、わけがわからん。なんで? なんであっけなく殺されないの? 突然なんであんな弱まってんの? あとヒロインが言葉を話せることを隠している下りとかもホントいらなくね? なんなのあれ? 彼女があそこで言葉を隠すことに、ストーリーを都合良く展開する以上の説得力ある説明ないでしょ? いやー、ないわー。

裏切りのゴッドファーザー

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まーさすがのわたしでもトンマーゾ・ブシェッタくらいはちょちょっと聞いたことがあるんだけれども、このドキュメンタリーはマフィアものというよりはむしろ「証人保護プログラムを受けながら家族がどうやって生活しているか」っつードキュメンタリーでそれがチョー面白い。まあマフィアだし、裏切ってゲロったところでそんな幸せに暮らせるわけないよなあとは思うんだけれども、しかしまあしんどいよねこんな生活は。8歳の息子がインタビュー番組を見て父親が殺人を犯したことを知るとか、うーん、ちょっと想像がつかないよなー。マフィアは裏切りを忘れない、みたいな話が繰り替えされるけど、しかしアレだけの人数が捕まるような状況じゃそりゃ永久指名手配になって当然かなあとも思う。しかし偽名で引っ越しを繰り返して、それでガンで死ぬまで一応ちゃんと生活できるんだから、証人保護プログラムってちゃんとしてるのか。

「家族のために」ゲロったワケだけれども、家族は偽名で当たり前ではない生活をすることを強要されちゃうわけで、うーん、やっぱりマフィアとかアウトローとか殺し屋とかは、リアルでそういう運命を引きつけちゃうんだなーと思いました。

 

グレート・ミュージアム ハプスブルク家からの招待状

 

今美術館の歴史の本をチラチラ読んでいるので、そっちを読み終えてから見ればまた色々面白かったんだろーなーと思った。そもそも日本ではこういう宮殿とか王宮とか使う美術館って全然馴染みがないからな……っていうか1回ルーブルでも大英でもウフィッツィでもいいからゆきたい……ゆきたい……

まーともかく建物が美しくてあーってなりますね。冒頭で大英博物館のひとと空間設計のトークがガンガンありましたけど、まあこんなところの設計ができるんだったらそりゃあもうテンション上がるよねー。

しかし美術館の表側だけじゃなくて、それを支える周囲の人々もきちんと捉えたドキュメンタリーで、むしろそういう舞台裏やら空気感やらが伝わってきてなるほどなーという作品でした。全然パッとしないオークションとか、ビミョーな空気になる数字のフォントのリテイクとか、あとクリスマスパーティーへの異議申し立てとか、そういう普通はあんまりドラマにならない細部が面白い。

ウィーン美術史美術館というからにはやはりハプスブルク家の遺産がデカいのだろうなーと思ったのだけれども、それも善し悪しというか、やっぱりある種の呪縛になっちゃってるところはあるんだろうなー。贅沢な悩みだよなあ。っていうかブリューゲル親子の絵がいくつもあるのね。脇役レベルで「子供の遊戯」が飾ってあってオイオイオイってなりました。

エイリアン9

 

うーんこんな話だったか。今見るとだいぶこうゼロ年代感があるというかなんというか。年端もいかない女子たちがどうしようもない圧力によって酷い目に遭わされるその悪趣味さがまあ良い。決してマンガが上手いなあとは思わないんだけれども、そこら辺含めてなるほど魅力的だなあと思います。

しかしこの話って正しくエイリアンの話であって、まあ純粋に優劣ではなく異なった価値観のギャップがテーマになっているわけであり、読者のオレたちにとっては「ひどい目に遭わされている」ワケだけれども、本人達にとってはただ世界の変革に伴って価値観が変化しただけ、というのがいいですね。SFってかんじ。我々の側にいると思っていた教師陣が、実は我々とは全く異なる地点からことを進めていた、というのも皮肉が効いていて良いですね。

ただビジュアル的には最初のインパクトが大きすぎるのはちょっとなーとは思います。いきなり頭をパックンされてマックスの驚きを出しちゃってるのだから、共生のビジュアル的な説得力を出すのがどうしたって難しいよなあ。

物ブツ交換

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いやーなんだろうなーこのドキュメンタリー。お金ではなく芋で物々交換をする行商人の話。交渉の様子を、商品山積みの荷台から、カメラがじっくり捉え続ける。行商人の愛嬌のある体つきとか、独り暮らしだからといってわけのわからん交渉の口上を並べ立てるババアとか、シャボン玉にはしゃぐ子供とか、なんかしらんけど必死に観察してしまうなあ。オレには全く知らない生活の営みがあるんだなーと思う。

あとやっぱり面白いのは芋が通貨として機能するあたりで、いやまあ日本じゃ米がその役割を果たしたんだし、そういうことがありえるのはわかるんだけれど、しかし実際にこういうのを見るとビビる。っつーか芋はかさがありすぎではないのか。捌くのに2日もかかっちゃってるし。いやあ……やっぱり貨幣、紙幣って偉大な発明なのだなあ……

あ、でも逆に言うとアレか、この地域は通貨よりも現物の方が信用あるってことだよなあ……ジョージア、あー、グルジアか。なるほど、なるほど。