ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

グレイ・ステイト -映画監督が見た光と闇-

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なんやこの変なドキュメンタリー。

陰謀論をフックにしているけどそういう意味ではかなり不誠実なつくりではなかろうか。時代的にクラウドファンディングの先駆けみたいな立ち位置で映画を作ったという話なんだろうけど、いやしかしそこら辺に新しい知見があるかといわれるとそーでもないのね。社会現象としてどのくらいの影響力があったのかが肌感覚でわからんからだいぶよくわからん感じだけど、ネット見てて前提知識があったら、このくらいでもなかなかハートを掴まれる編集になっているのかしらねえ……

しかしこの映画が奇妙なのは後半のオカルティックな展開で、いや本当にアレ意味がわからなすぎて結構怖い。映像素材が豊富なインディーズの映画監督を題材にとっているから、なかなか恵まれているよなーとは思うんだけれども、逆に作品として考えたら「絶対ここの展開にそれを象徴する映像が必要だ」みたいなところがスッポリ抜け落ちているのがホラー。オカルトにはまってスピリチュアルになってるんだろうけど、それを直接的に伝えるのは情緒不安定になっている音声データだけとかたまらないリアリティだよなあ。カメラに写っているのは愛する家族の写真だけとか……

いやー、完成度が高いとかは全然思わないし、肩透かしだし、空っぽだけど、でも奇妙に怖い作品だと思いました。

コットンクラブ

 

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あーこれは正しくマフィアものって感じの作品なんですね。

しかし結構散漫って感じであり、まー意図した群像劇なんだろうけど、そもそも黒人白人アイルランド人ユダヤ人全然関係がわからんので、わからん。タップダンスとか突然みんなで踊り出されても、タップダンスがどんな意味を持つのか理解してないと辛い類の作品ではないのかなー。リチャード・ギアの音楽的才能もよくわからんし、そこからハリウッドでなんの問題もなく成功してしまうのもまーよくわからん。わからんことだらけだ。だいたいダッチが手打ち式であんなやらかししてるのにふつーにその後も活躍している状況はいいのか。とんでもない世界だなマフィア。ヤバすぎません?

ダンスとか音楽とかもまあ雰囲気はあるんだけれどももうちょっとちゃんと見たかったかなーとは思いました。ってかクライマックスのクロスカッティングはなんかちょっと笑っちゃったんだけどあれでいーのか?

あとオーナーとその相棒の関係は面白くて笑ってしまった。ああいう謎の信頼関係いいよね……すごくいい……

ザ・ビートルズの世界革命

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あー、ジョージ・ハリスンのドキュメンタリーとか行く前にこれでちゃんと大きな流れを理解しておくんだったなー。

今まで色々クラシック・ロックなレジェンドバンドのドキュメンタリーを見ていたわけだけれども、ようやくそろそろ時代背景をきちんと理解しつつ流れを把握することができるようになってきたぞー。第二次世界大戦後のイギリスが結構長い間配給制やっていたとか、LSDとヒッピームーブメントの関わりとか、あーそうだよねーここでこうやって関わってくるよねー、とようやく納得。したところにやってくる異物オノ・ヨーコ。なんなんだオノ・ヨーコ。文脈がわからなすぎるぜ……

最近絵画系の作品にガンガン触れていて、今では当たり前すぎてその作品の素晴らしさが理解できなかったんだなーみたいな気付きが大量にあるんだけれども、このドキュメンタリーを観ると全く同じ事象がビートルズにもあったんだなーというのがよくわかる。イギリスの階級社会を打破してブームの中心が若者に、っていうのはイギリス以外ではどーだったの? と思わなくもないがまあ説得力があるよね。ってか雑誌社のインタビューの力関係が逆転したとか、そういう細かいレベルから気付きがあってちょーおもしろい。

カンフー・ヨガ

 

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カンフー映画ってやはり肉体そのものの動きに魅せられるんだなーと言うのがよくわかった。ワイヤー吊ってもやはり肉体は肉体なワケで、CGの動きとは天と地との差があるよなー。あとイージーな危機としてオオカミやらライオンやらコブラやらハイエナやらアニマル軍団が大量に出てくるんだけれども、それもまた「あーどうでCGね」ってつくりでもう全く緊迫感が生まれない。動物との対峙によるトラブルって、リアルの事象はコントロールできないものという生の緊迫感が生んでいるんだなーというのがよくわかる。

でもって肝心のカンフー+ヨガなんだけど、ヨガ拳みたいなの生み出すのかと思ったらそういう文化の融合的なものが全然なくてビックリした。仏教で無理やり結びつける! というのもわからんでもないんだけど、あれインドって今そんなに仏教の影響力ってあるんだっけ? まあそもそもストーリーはどーでもいい話ではあるけどね。まじでどーでもいい。

結局のところアクションにアイディアがあるのは、インドの市場で戦うところだけって感じだったよなー。短い尺の間に場所を生かしたアクションがあって、めまぐるしい展開の中にユーモアもあって、うーんこれこれこれが見たかったんだよってなった。

移動都市/モータル・エンジン

 

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いやーコレだけのトンデモを映像の力でねじ伏せちまおうというその意気はさすがピータージャクソン組! しかしまあピータージャクソンの過剰さってなんか知らんけど下品さがあって、それが堪らん魅力になっている感じがするけれども、この話は別にそんな感じもしなかったなー。もうちょいガツガツやってもらっても良かった。あるいは序盤で圧倒的な存在感を見せた移動都市そのものの迫力みたいなのが、後半あんまり生きなかったのが悪いのかもしれない。結局へんなビームで戦う話になっちゃって、そこは巨大感あんまり関係ないしなー。

まーしかしなんつーかコレだけトンデモやってるのに脚本はスーパー寓話をやっちゃっていて笑う。まあ元々都市が都市を食うという時点で寓話っぽいっちゃー寓話っぽいけど、クライマックスの「お父さんvs大量の女性陣」のバトルはさすがにやり過ぎ感か上で爆笑した。ふだんそういう目で見ない俺からしたってそう見えますわアレ。わざわざ主人公の役割まで交代させてんだもんなー。

まあそもそも「ロンドン」が移動要塞で「アジア」を侵略する、という時点でヤベーのに、ロンドンのキリスト教的な大聖堂から蛇がグイッと鎌首もたげ、アジアの壁にどばしゃーっとビームで穴を開けるとかちょっと露骨すぎやしませんかね。そして暴走して停まらないロンドン。女性陣がよってたかって暴走を止めようとハッスルハッスル! いやまあわかるんだけど、うーん結構難しい題材ではありますよねー。

 

計算が導く予測

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ドキュメンタリー映画ってあったから見たんだけど、これ映画の括りでいいのか? 良くできたテレビドキュメンタリー、という感じなんだけれど。

しかしまあ内容的にはなー、あんまり新味がなさ過ぎてなー。ギャンブルから統計学が生まれたとかいうのはふつーに知ってることだし。トランプvsヒラリーの予測が外れてしまったこと辺りは結構興味深くてそこだけでもいいからちゃんと踏み込んで解説して欲しかったけれど、そこもいつの間にかサラッと通り過ぎちゃったからなー。あとマネーボールの人が出てきたのも大変良かったけど、OPSとかよくわからん数字を統計でつかうのはどーなんだとかいう気持ちは当然ある。

あ、でも「集合知」とかいって牛の重量を当てるクイズをやっていたのは大変良かった。俄には信じがたいんだけど本当に平均したらそんなに近似値出るのかねえ? まあ全く推測の手掛かりがないわけでもないからうまく行く……のかしら?

あと最後にディープラーニングが出てきてブラックボックスの問題が取り上げられてるのはうんちゃんとしてるなーと思った。まあ最近Twitterでも色々あったけど、効率の良い社会をつくることと人間社会の思想は対立して当たり前だから、そこら辺はこれから未来のテーマに確実になるところだよね。でもそれって統計学ではもうなくない? とはちょっと思うけどどーなんだろ。

ビクラムの正体: ヨガ、教祖、プレデター

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こういう肉体をいじめる系のヤツはカルトの温床になりやすいよねー。演劇もそういう下地があるって言ってたのは平田オリザだっけ?

しかしまあこれって大きな括りで見るとふつーのカルトのレイプ事件って感じよねえ。教祖なんだからもうちょっとカリスマあってヤベーことを連発してるのかなーと思ったら、いやまあそのくらいのことはやってるでしょヨガ教室とか思ってしまう。偏見ひでえ。まあしかしほら、ニューエイジで森の中に合宿施設つくっちゃったマカフィーなんて、穴空きハンモックに女性座らせてスカトロ三昧だったわけでしょ? いやー、やっぱりカルトの金持ち教祖ってそのくらいやってもらわんと今更インパクトないよなーそういう問題ではない。でも日本だとオウム真理教とかまあとんでもなかったわけでなー。

この作品がもしなんか衝撃を与えたとするならば、それはやっぱり「あのセレブも受けたあのヨガが」みたいなところが理由になっているのかしら。まあ確かにそれならわかるけど……しかしなー。カルトの人間がセレブっぽく振る舞うのはごく当たり前のことにも思えるしなー。