なんやこの変なドキュメンタリー。
陰謀論をフックにしているけどそういう意味ではかなり不誠実なつくりではなかろうか。時代的にクラウドファンディングの先駆けみたいな立ち位置で映画を作ったという話なんだろうけど、いやしかしそこら辺に新しい知見があるかといわれるとそーでもないのね。社会現象としてどのくらいの影響力があったのかが肌感覚でわからんからだいぶよくわからん感じだけど、ネット見てて前提知識があったら、このくらいでもなかなかハートを掴まれる編集になっているのかしらねえ……
しかしこの映画が奇妙なのは後半のオカルティックな展開で、いや本当にアレ意味がわからなすぎて結構怖い。映像素材が豊富なインディーズの映画監督を題材にとっているから、なかなか恵まれているよなーとは思うんだけれども、逆に作品として考えたら「絶対ここの展開にそれを象徴する映像が必要だ」みたいなところがスッポリ抜け落ちているのがホラー。オカルトにはまってスピリチュアルになってるんだろうけど、それを直接的に伝えるのは情緒不安定になっている音声データだけとかたまらないリアリティだよなあ。カメラに写っているのは愛する家族の写真だけとか……
いやー、完成度が高いとかは全然思わないし、肩透かしだし、空っぽだけど、でも奇妙に怖い作品だと思いました。