ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

メッセージ

 

メッセージ (オリジナルカード付) [AmazonDVDコレクション] [Blu-ray]

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これがばかうけ……

さすがにオレも原作は押さえていたはずなんだけど話の内容をこれっぽっちも覚えてなくてビックリした。短編集だからしゃーないのだろーか。まあもう一回ちゃんと読んどこうかという感じはする。

まあなんにせよドゥニ・ヴィルヌーヴはすげーなー。この過不足のない感じは一体何だろう。『ブレードランナー 2049』の針の穴を通すようなギリギリの省略も素晴らしかったけど、この作品もシンプルな(しかし素晴らしい工夫のある)ストーリーを映像表現の説得力でじっくり見せつける感じ。『インターステラー』もSFが題材で最終的に与える感情は似てるところがある気はするけど、この映画を観た後だと「お腹いっぱいすぎるよ!」と過剰に感じてしまうなー。まあ過剰さがノーランの良さではあるのだろうけど。

こんな内容を良く映像化したわ、という気持ちと、この内容は映像じゃないと表現できないわ、という気持ちが半分半分でなかなか面白い。映像だからこそできるギリギリの情報量の省略で、でもお話の行き着く先がバッチリきっかりストーリーのテーマに収斂するんだもんなあ。いやー、ほんとこの監督は信頼できますわ。

Fire HD 8 を買ってだいぶ失敗した話

ちょくちょく外に出て作業する機会があるけど最近はもうWebで完結オッケーだしAndroidでもChromebookでもUMPCでもキーボード配列がちゃんとしてればなんでもええなーと思っていたのだが、あーそうだコスパで選ぶならKindleFireとゆう話もどこかで聞くし8インチあればちょっと重めだけど外付けのキーボードつければちゃんと打てるんじゃね? と思っていたらAmazonがプライムでセールをしていたのでついセットで買ってしまった。

Fire HD 8 タブレット (8インチHDディスプレイ) 16GB

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でまあ結論から言うとこのキーボードは期待通りだいぶ良い。もちろんOSの違いとかがあって完璧にストレスゼロで打てるわけではないのだけれども、単に長文を打ち込むだけならふつーに作業できる。予想以上にミスタイプが少なく悪くない。あとなにげにタッチパッドがとても効いていて、二本指でスワイプもできてまあフツーに小型のノートPCって感じ。っつーかこのくらいのサイズで全然良いのになんでPCでねーのかなマジで。

と、ここまでは良かったんだけれどもKindle Fire8くん、君はダメだ。いや、ダメなのはスペックを理解せずにタイムセールだからといって買ったオレの方なんだけど、まさかここまでなにもできないとは思わなかった……だってさー、ネット上でたくさんGoogle Play Storeのアプリの入れ方とか書いてあるからさー、そこら辺ふつーにノーストレスで動くものだとばかり思ってたよ。XPERIA Z3 Tablet Compactでふつーに動くものがガクガクで落ちまくりだとは思わなかった。ブラウジングにもこんなにストレス受けるとかマジで想像もしてなかった。厳しい。大変厳しい。ホントにkidnleと動画視聴専門で割りきるべきだよなーコレ。

というわけでせっかく買ったキーボードは、しばらくXPERIA Z3 Tablet Compactで利用することになりそうです。こっちはこっちでBTが切れ気味でうーんって感じだけどねー。あーヤダヤダ。

ファントム・スレッド

 

ファントム・スレッド ブルーレイ+DVDセット [Blu-ray]

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なんやこの変な映画はーと思ってラストまで来たらPTAでギャフン! あーはいはい確かにいわれてみればそれっぽいですねー。

最初はいきなりふたりの仲が急接近過ぎて「オイオイこの映画大丈夫なのか」とビックリしたけれど、そっから先のビミョーな人物間の距離がチョー面白い。アスパラエピソードの台詞回しとかホント良くできすぎててうーんたまらん。ダニエル・デイ・ルイスの時代背景も合わせたナチュラルに迷惑な思考回路がきっちり刻み込まれている感じ。キャラ造型含めてアレだけ凄まじい説得力を見せられたら周囲が霞んでしまいそうなものだが、まあ呆気なくその迫力に追従して呑み込んでしまう嫁のすさまじさたるや……キノコで一発逆転したときは本当になにが起こったのかわからなかった。「マジかよ……」という感じ。で、その歪なエピソードがラストでふたりの全てを呑み込むヘンタイ的な愛の長回しに呑み込まれちゃうんでしょ? あのフォークの緊張感たるや、いやー、さすがPTAですなーという感じ。

そしてビミョーに面白いのが脇役の存在感で、あのドレス剥がれおばさんも大変インパクトを残して良かったのだけれども、なんといってもあの屋敷のおばちゃんのポジションどりがたまらんですね。最後に乳母車さえ揺らさせてもらっているあの謎の位置取り。Wikipediaの参考作品に「レベッカ」が乗ってたけど、あーうんはいはいなるほどねーという感じがしました。

天才画家ダリ 愛と激情の青春

 

例によってNetflixは油断すると同性愛映画をブチ込んでくるんでビックリするぜ。Amazonプライムビデオとかよりよっぽど数が多くないですか? 単なるオレの先入観?

しかしだいぶだりい映画ですね! ダリだけにね! いやこんなに少ない登場人物でねっとりじっくりふたりの男の絡みを描かれると、さすがにオレもちょっと退屈してしまいますわ。いやー多分細やかな心のやり取りを楽しめみたいな話な感じもしますけど、視線のやり取りとか結構あからさますぎて、そんなドキドキハラハラさせないんだったらさっさと先に進んじゃってえーのでは? と思ってしまう。

あとダリちゃんのエキセントリックさがイマイチ生きてないなーと言う感じもあって、いやまあこの関わりがあったからこそ後年の感じになったという話なんではありましょーが、しかし単品で見るともうちょいガッと来て欲しいよなー。スペイン内戦の話もあんまりよくわかってねーしなー。

しかしこの映画、オレが辛うじて「諸橋近代美術館」行ったことがあってダリのなんやかんやに多少知識があったからついて行けた部分もあるけど、そうじゃなかったらあんまりよくわからん感じの作品でもあるよなあ。

ポルカ・キング

www.netflix.com

なんかよくわかんねーけどオレ完璧に『トロピック・サンダー』の予告編に出てくる嘘予告『Fart 2』の現実化だと思っていた。全然違った。というかなぜ間違えたのかサッパリわからん。謎。

でまあ映画なんですけど、うーんやっぱりNetflixの映画はどーもきっついのが多いなあ。映像がどーもぜんぜんしっくり来なくて、うーんなんでこんなにしっくり来ないの? みたいなことを延々考えながら見てしまう。映像の作り込まれてなさが問題なんじゃろーか? 会話メインのコメディだからこんなもんでいいって感じもするんだけどなー。でもなー、同じジャック・ブラックでも、『バーニー/みんなが愛した殺人者』の時は全然ふつーに面白かったんだけどなー。なんなんだろーなーこのしっくり来ない感じは。年月が経つところとか賄賂を渡すパートとか、省略とかジャンプで映画にとっての一番の見せ場ってところも、うーんなんかもうちょっと工夫できなかったのかなあ。さすがに病院逮捕のドタバタパートはまあまあ良かったんだけど、あそこだけ突出しちゃってなあ。ヒステリーババアも車に卵投げつけるくらいのエキセントリックアクションがイカしてただけに、もうちょい前半から活躍させてあげたかったなあ。

あ、でもあの情事パートには大爆笑させていただきました。ああいうシーンできっちり天上鏡カメラを用意しているのもとても良かったです。

グレイテスト・ショーマン

 

うーん、主題歌はめちゃくちゃパワーがあるし、いくつかのミュージカルパートも大変ハッとさせられるけど、しかし全体的にはもう一声って感じのつくりではないかと思う。特に一番大きなテーマである見世物と偏見の関係性が全然深まっていないというか、主人公がフリークスを上流階級から閉ざしたあの決定的な転向が、なし崩しで許されちゃってるのはストーリー展開として目を潰れないよなあ。再建パートの雑さも結構致命的に感じられて、うーんやっぱり褒められたものじゃないと思う。全体の流れは大まかに良くできていて、はいここで苦難パート来ますよーみたいな構造はちゃんとしてるのに、細かな場所で接続がめちゃくちゃガタガタしている感じ。まあ史実を下敷きにしているから、ある程度は仕方ないのかも知れないけどさー。でもあんな雑にナイチンゲールと別れるのはマジで意味がわからないよ。あそこらへんの処理が雑すぎ。

でもってそこら辺を気にさせないミュージカルパートのパワーがあるかというと、うーん自分にはそうは感じられなかったんだよなー。劇作家の引き抜きパートの動きによる画面の遷移で駆け引きやるのはめちゃくちゃ良くできてると思ったし、あとはロープの上下動で恋のやり取りする辺りもまあまあ良かった。遠征中のクロスカッティングも良い編集だなーと思った。でもねえ、ストーリー上こういう気の利いたパートが欲しい箇所って、もっと別なところだよねえ。

でもってこれ『史上最大のショウ』と同一人物なのかー。それを考えると、もうちょっとちゃんとテントを描いて欲しかったなーとかも思うけど、あの展開だとさすがに冗長になっちゃうかしら。

大統領暗殺

 

大統領暗殺(字幕版)

大統領暗殺(字幕版)

 

剥き出しすぎてドン引き。今の時代こんなに下手なプロパガンダ(体制側じゃないけれど)を見せられるとは思わなかった。ビックリした。これやるならせめてモキュメンタリーとして、本物であるかのように作る必要があったんじゃないかなー。「この物語はフィクションです」って冒頭で断っておいてこんな下手な主張をされるとは思わなかったよ。

ってかさー、大統領暗殺で偶然怪しい中東の人間が捕まって実の犯人が元愛国者とか、ビックリするほどリアリティなさ過ぎ――というのはちょっと語弊を招くな、要するに創り手側にとっての都合が良すぎ。作意が丸見えで本当にヒく。いやあ意図を隠してプロパガンダするのもタチが悪いやり方ではあるので、ある意味親切とは言えるのだろうけどさあ……こんなん映画にせずに街頭に立って政治的主張した方が百万倍誠実に伝わると思いますよ。マックの女子高生じゃないんだからさあ。胸のスカッとするコピペをそのままちょっと凝った映像にされちゃった感じ。

なにが気持ち悪いって、編集側の意図が極力脱臭されてるところだよなー。この作品は「誤認逮捕で真犯人は別にいる」という大変センセーショナルな話題を扱っているはずなのに、編集が全くそこをドラマティックにもり立てようとしないで、淡々と事実を語る口調なんだよね。あくまで中立にフィクションを映画化してみました、みたいなそのスタンスが、そもそもこの話題を扱う立ち位置を見誤っているように感じられました。