ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

グレイテスト・ショーマン

 

うーん、主題歌はめちゃくちゃパワーがあるし、いくつかのミュージカルパートも大変ハッとさせられるけど、しかし全体的にはもう一声って感じのつくりではないかと思う。特に一番大きなテーマである見世物と偏見の関係性が全然深まっていないというか、主人公がフリークスを上流階級から閉ざしたあの決定的な転向が、なし崩しで許されちゃってるのはストーリー展開として目を潰れないよなあ。再建パートの雑さも結構致命的に感じられて、うーんやっぱり褒められたものじゃないと思う。全体の流れは大まかに良くできていて、はいここで苦難パート来ますよーみたいな構造はちゃんとしてるのに、細かな場所で接続がめちゃくちゃガタガタしている感じ。まあ史実を下敷きにしているから、ある程度は仕方ないのかも知れないけどさー。でもあんな雑にナイチンゲールと別れるのはマジで意味がわからないよ。あそこらへんの処理が雑すぎ。

でもってそこら辺を気にさせないミュージカルパートのパワーがあるかというと、うーん自分にはそうは感じられなかったんだよなー。劇作家の引き抜きパートの動きによる画面の遷移で駆け引きやるのはめちゃくちゃ良くできてると思ったし、あとはロープの上下動で恋のやり取りする辺りもまあまあ良かった。遠征中のクロスカッティングも良い編集だなーと思った。でもねえ、ストーリー上こういう気の利いたパートが欲しい箇所って、もっと別なところだよねえ。

でもってこれ『史上最大のショウ』と同一人物なのかー。それを考えると、もうちょっとちゃんとテントを描いて欲しかったなーとかも思うけど、あの展開だとさすがに冗長になっちゃうかしら。