ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

グランドフィナーレ

 

グランドフィナーレ [Blu-ray]

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うーむ、見てしまう。最初のターンテーブルの長回しからの突然のカッティングでもういきなり鷲掴み。リズムが揺らいでこれ本当に上手いの? どうなの? というか何なのこの場所? なんでこんなに意味深に見せられるの? でそこでカットしてえ? え? え? なんなのなんなの? と一気に世界の中にドーン! いやあすごいですねこの監督。

色使いは作品のテーマを示すけどそれにしてもちょっとやり過ぎじゃないのかとか、空中浮遊の感じとか本当にあんなわかりやすくて大丈夫なのかとか、演奏できない理由がそこまで引っ張って結局そのわかりやすさかよとか、まあ色々思わなくもない、のだけれども、そこらへんの不満をギリギリで躱されてしまっている感じもある。辛うじて露悪的になってない感じ。なんか色々ズルい。普通ヒトラーのエピソードとかあの距離感で入れこめないでしょー。

ま、あとじいちゃん俳優の配置がもうズルすぎるよね。あの面々であんな気の利いたセリフを言わせちゃったらそりゃもういいですねーと言うしかないじゃないですか。ってかマイケル・ケインに娘と自分のセックス技能トークさせるとかホントズルすぎませんか? ハーヴェイ・カイテルも当然ずるい役だしさあ。ホントにあんな感じで映画のセリフ考えたのかしらねえ。

面白ければなんでもあり 発行累計6000万部――とある編集の仕事目録

 

面白ければなんでもあり 発行累計6000万部――とある編集の仕事目録

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ラノベからはだいぶ離れてしまったけど、時折電撃文庫の大賞くらいは読まなきゃなーとは思っているわけで、でもここしばらく全然面白いなーと思える作品と会えてない。なんか妙に流行の後を追ってそうなヤツとか、あとそもそも文章が微妙だなーと思える奴とか。一体どういう動機でこういう小説に賞をあげてるんだろう、というのは常々疑問だったんだけど、あー、確かに電撃文庫のヒット作って大賞からズレたとこから出てくるよなあ。そういう意味では編集者三木一馬は名編集者なんだろうと思う。

俺妹なんかはほとんど追ってなくても週刊マンガよろしくライブ感でお客さんを巻き込んでいたのが印象的だったけど、著者はヒットの法則はなくてケースバイケースって原則を繰り返しててなるほどなあと思う。実際例に出された文章は、まあちゃんと説明にはなっているんだけれども、魅力的であるかといわれればそんなにハッとさせられたりはしない。だからこそ作家それぞれの魅力やら個性やらを見て付き合って引き出して、というのに神経を注ぐのが編集者としての仕事だと思っているのだろうなあ。あれだけメディアミックスに成功しておいて、アニメは80%とかの心情も、うーんクレバーだよなーと思う。

しかしこれポジティブシンキング啓発本みたいなところでまとめちゃうのはだいぶもったいない本ではあるな。どう考えても作家とコミュニケーションをとることに労を厭わない姿勢が生み出したヒット群に読めるもんなあ。

高慢と偏見とゾンビ

 

高慢と偏見とゾンビ [Blu-ray]

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わはははははなんだコレ。意外とちゃんと『高慢と偏見』やってて笑える。ゾンビものってすでにベーシックがある中にどうやって趣向を混ぜるかが勝負の中、ちゃーんと良い塩梅でストーリーに噛み合ってるのがとても良い。以下にもB級っぽいタイトルなのにある程度きちんとしたコスチューム物の体が整ってるんだもんなあ。なんでこんなに真面目に創ってしまったのか。僕は大好きです。

単純にゾンビを入れただけではなくて女性が戦えるようにしてあるのが良い工夫で、まあ慎ましやかな鼻っ柱の強さも好きですが、戦う女だって大変美しいよね。ヒロイン以外の殺陣はそんなに良いとは思えないのが惜しいといえば惜しいか。でもあの狭い部屋で男女が痴情のもつれで殴り合うシーンでオッパイボロンシーンが見られただけで大満足でございますよ。素晴らしい緊張感でございました。だから超強い片目の人とはぜひ戦って欲しかった。せっかくだから頂上の強さが見たかったんだぜ。

あとクライマックスの流れでやっちゃった感とかはちょっと残念かなあ。脳みそ食わせるとかオチのアイディアとしては弱い感じ。ライバルがリビングデッドになっちゃってたのもまあそんなもんかって感じだし、せっかくロンドン包囲みたいな大ボラ吹いたんだから、もうちょいスペクタクルな盛り上がりがあっても良かったなあ、とは思う。

天使の涙

 

天使の涙 [Blu-ray]

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何はなくとも金城武。色んな視点があってスタイリッシュな映像で散文的で相変わらずのウォン・カーウァイ節が炸裂している中で、金城武のエピソードが抜群に印象に残る。そんなおっさんの面白動画撮ったらダメじゃんどうせおっさん死ぬパターンでしょほら死んだー! そして回想でイイ感じのシーンやってきたー! とホントになったのには爆笑したけど、まあそこら辺のベタさ含めて大変魅力的だなあと思う。っていうか重慶大厦の管理やってるのかよほんとここら辺の映画観てから香港行くんだったなあ……

ぶっちゃけ暗殺者とその周囲の女の話は全然ピンとこなくて、うーんなんか感受性鈍いなあ自分と思いながらダラダラ見る。なんか登場人物がポエムなモノローグ差し込みながら語られると途端に焦点がボンヤリする感じになっちゃうんだよねえ。行間を埋めるにはちょっと自分の知識が足らなすぎるのだわ。

スローシャッターの面白映像はまあ慣れたけどカメラに返り血がある演出はさすがにビックリするなあ。今の映画でも時折ないわけじゃないけど、あれって意図した効果とかなのかしらん? ライティングもガッとやって手持ちの広角でギャッと撮っちゃう感じもするので。

 

バリー・シール アメリカをはめた男

 

バリー・シール アメリカをはめた男 ブルーレイ+DVDセット [Blu-ray]

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この邦題でいいのか。元のタイトルをだいぶ台無しにしてる感じもするけど。

もちろんベトナム戦争もよくわからんなーとは思うけどブッシュ時代の外交政策とかもっとわからんよね。知ってるのは中東のアウトラインくらいで、コントラって言われたらやっぱコナミの魂斗羅しか出てこないのである。知識では何となーくあんま上手く行かなかったみたいなのをどっかで見た気はするけど、まさかこんなへっぽこ作戦だったとは。こないだ見た『ウォー・ドッグス』と同様に、軍事作戦って金はかかるし目的のために手段をえらばんしでまあヤバいところの資金源になるもんですなあ。

にしてもまあ面白い展開満載で、その面白さがリアルの出来事から来る面白さだからヤバい。自称CIAが君をエージェントにするとか言ってすぐ会社辞めちゃったり、薄給という理由付けからサクッと密輸の片棒担いでしまったり、へっぽこコントラ作戦が田舎町の広大な土地で行われたり、大金を無造作にボンボンそこら辺に放り投げておいたり。でもって極めつけがラストのホワイトハウスが親分でそのまま密輸を続けろって話でしょ? いやー、創作の想像力軽々と超えちゃってますよねー。

演出は全体的に悪くなくて、テープの手書きフォントを章タイトルにしてポンポン話が進むのが心地良い。金さえあれば夫婦の中がどう取り持たれたかとかいちいち果敢でもいいのだ。実録モノってこのテンポ感じゃないとだめよねー。

にしてもさすがにトム・クルーズが若者時代をやるのはだいぶ無理があるなあ。体格がかなりおっさんだもん。次の『ミッション・インポシブル』とかホントに大丈夫なのかしら……?

グレートウォール

 

グレートウォール[AmazonDVDコレクション] [Blu-ray]

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うーんビックリするくらい詰まらん。ストーリーも画もキャラクターもダメ。せめて敵くらいは魅力的に描いて欲しいところだけれども、なにあの饕餮のデザイン? 諸星大二郎先生で饕餮を知った私としましては、あんな十把一絡げのモンスターみたいな造型されてももう呆れるしかございません。なんであんなところに目つけちゃったんだろうなあ……弓が強い主人公なのに直感的に倒したことがわからんっての、ワリと致命的だと思うんだけどなあ。

謎のユニフォームの謎の女部隊の謎の戦い方が絵面優先で採用されていることからもわかるようにお話が行き当たりばったりで最悪、ならば絵面は頑張っているのかと思いきや万里の長城って基本的に絵面が地味だよね。山に沿って壁がずらーっと続いているのは最初の見栄えはいいかもしれないけど、あまりに平坦で底が浅くてドラマを生みづらい構造をしている感じ。ラストの謎ステンドグラス塔も意味不明だったしなあ。派手にすりゃいいってもんじゃないだろなんであんな中華風の衣装にああいう窓ガラスはめちゃうのかな。ワケわからん。

っていうかエンディングめちゃくちゃ長くね? うんこしに行って帰ってきてまだやってたんですげービビったんだけど。確認したら10分以上もあったけど、そんな大量の人員動員して作る映画かしらコレ。

マイク・タイソン THE MOVIE

 

マイク・タイソン THE MOVIE [DVD]

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いやはやとにかく全盛期のマイク・タイソンの説得力がヤバい。一人だけフィルムを早回ししてるんじゃないかって感じ。筋肉の感じがマジで肉食獣だよね。本当に人間か? って思う。

でもこの映画のマイク・タイソンは明らかに人間でもあって、全身からその安定しないメンタルの揺らぎがビンビン伝わってインタビューに異様な緊張感が漲ってる。最初に幼い頃はケンカできない弱虫だったエピソードが語られて、普通だったら「あーそうだよねー伝説の英雄にはそういうキャラ付けが必要だよねー」とかスルーしちゃうところなんだけど、マイク・タイソンのインタビューを聞いてると「あ、まだ精神の内側にはその弱虫だった頃の彼がいるわ」みたいな感じになる瞬間がいくつもある。我ながら単純だなーとは思うんだけど、やっぱりトレーナーのことを話して涙を流す姿を見ると、感じ入るところがある。と同時にドラッグはやべーなーとも思うわけで、この精神の安定を欠いた様は明らかに関係してるよねえ。

あと、こういう半生を語る形式のストーリーって、ラストにある程度格好のつくイベントを用意してピリオドを打つのが普通だと思うんだけど、それっていかにも仕立てられた作り物感がでちゃうものよね。その意味ではこの映画は全然格好がつかないラストで、それがかえって「マイク・タイソンやべえな」って説得力になってて大変良いと思いました。