ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

フォスター卿の建築術

 

フォスター卿の建築術(字幕版)

フォスター卿の建築術(字幕版)

 

ドキュメンタリー映画としてはそんなにドラマティックではないというか、順繰り順繰りにフォスター卿の足跡を辿るみたいな側面が強いのだけれども、その足跡がまあいちいち面白いので見入ってしまう。実際に観たことがあるのは香港国際空港くらいで、確かに「うおースゴイ空港だなあ」と思って見たけど、このルーツが世界の空港を変えたとまでいわれたとは思わなかったなー。

特に印象深いのはドイツの国会議事堂で、クーポラを復活させるかどうかというところでちゃんと歴史へと立ち戻っているのが正しくドイツって国っぽいよなーと思った。国会議事堂自体が東西ドイツの歴史の象徴となってしまうわけで、そりゃまあ否応なしに過去と向き合うことを余儀なくされるよなーと。日本でそういう機能を果たす建築って果たしてあるのかしら?

しかし巨大化した建築事務所が都市設計に視線を向けるのは大変良くわかる話で、それがオイルマネーで現実味を帯びるというのが大変面白い。現在では金融危機のせいで計画が大幅に遅れてるらしいけど、それも含めて本気で行ってみたいですマスダール・シティ。

アップサイドダウン 重力の恋人

 

私散々『サカサマのパテマ 』にブーブー文句垂れておりましたが、この映画でもかなり似たようなことが起こっておりまして、いやというかむしろこっちの映画の方がヤバイ。っていうかそもそもふたつの重力が逆向きに働くという物理をアクションとして見せることがそもそも困難なのだということが大変よくわかり、っていうかむしろ『サカサマのパテマ』は健闘していたのではなかろうか? という気さえしてきます。

まあそもそもルールがクソで、上下の重力は双子惑星の不思議パワーでなんとか決着をつけるとして「燃える」ってなんだ「燃える」ってアホか。適当過ぎんだろ。しかもその適当なルールが恋人同士の時間制限にしか寄与しないって、もう信じられないくらいアホくさい。しかもそのアホくさいルールが主人公たちの新発明によって覆されるとかもうどうでもいい。まじでどうでもいい。っていうか水の混ぜ合わせが新発明とかアホか。下の世界の水って燃えるの? みずがもえるの? ねえ? 物語のために設定を低く設定して容易にねじ曲げるその醜悪さに気づかないなんて救いがないですね。まあヒロインを記憶喪失にしてドラマ作ってテキトーに思い出させてドラマ解消しちゃうくらいだもんなー、もう救いがないよなー。

ゼンタイ

 

ゼンタイ [DVD]

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っていうかさ、作品の白眉であるはずのあのすれ違いシーンの手前の号泣のところのピンがズレてね? ズレてるよね? いや、全体的に低予算でそこら辺を割りきった作品なのはわかるけどさ、あそこでズレてていいの? マズくない? なんか意図あんの? っていうかあんな絶対に外せないシーンでピンが合ってないとか信じられないので自分の目がおかしいかそれとも何か意図があるのだと信じたい信じたい信じたい。

緩い繋がりを持った連作短編、みたいな映画ではっきり言って映画としてみたら肩透かしかなあ、と思うんだけどそれは映画っぽい映画を期待させる説明文が悪かったのか。基本固定カメラで役者同士の会話を延々見せられるだけの内容で、うーんこれはどうも期待していたものとは違うなー、と思いながらも会話自体はちゃんと面白いというか明確な対立軸があって面白いのでなんとなーく観てしまう。のだけれどもやっぱりオチとかには「えーそれでいいの?」って全然納得いかないところがあって、唯一きちんと映画を締めるはずのラストの不思議演出も押しつけがましい音楽と顔のアップで「クッサー!」となってしまいうーんどうなんだこれは。低予算と期間が短くてもその予算感にあった映画の演出というのはあるんじゃないのか。

屍蘭

 

屍蘭 新装版: 新宿鮫3 (光文社文庫)

屍蘭 新装版: 新宿鮫3 (光文社文庫)

 

お! お! だんだん面白くなってきた!

1巻の時に「これは警察組織に興味がないと面白くないかなあ」なんて思って敬遠してたんだけど、考えてみりゃ自分も警察には興味ないけど組織には興味あるんだった。というか多かれ少なかれ人間は全て組織に属しているわけで、そうするとまあ割と普遍的なテーマであるよなこれ。

ということで本作品、前巻と打って変わって一風変わった殺人者がメインになって、犯罪の構図もかなり特殊で興味深いんだけど、そっちの方にはそこまで深入りしないのがいいよなあ。主人公は犯罪そのものの謎を究明するよりも、むしろ敵が防衛策として仕掛けた罠にどう対処するかが本筋になって、おーなるほどこういうアングルもあるのか、とても楽しくなる。前巻まで「ちょっと上滑りしているかなあ」とも感じていた主人公の正義感と警察官への理想が、組織をテーマにすることで一気に鮮やかに見えてくる感じ。実際主人公の置かれている微妙な立場らしいものって、警察組織の論理がわからんとイマイチぴんとこない所が多かった。まあこの巻でもそれがはっきりわかったわけじゃないけれども、主人公が職を奪われるというある意味遠回しな策略が、主人公が殺される危機よりもよほど厳しく迫ってくるのがとても良い。

いやー、これは続き読まねば。

エルム街の悪夢

 

エルム街の悪夢(1984) (字幕版)

エルム街の悪夢(1984) (字幕版)

 

夢って当たり前だけどリアリティがないというか、いってしまえば何でもありなわけで、何でもありなところに恐怖を感じるのって難しいよね。現実に根ざしたある程度のルールがあって、その中で自分ならどう行動するだろうとかつい考えてしまうリアリティがあるからこそ感情移入出来るわけであって、「あー無理何されても無理だわ」とか思ったら主人公に共感する丁寧な造りって難しい。その結果どうなるかというとショッキングな外面や以下にもな舞台装置や過激な絵面を用意するってところに行き着くわけで、脈絡もなく差し込まれるフレディ自称とか生理的嫌悪喚起蛆画像とか自重してないスプラッタシーンとか、もうそのなんだ、そもそもコレで本当にこれを怖がってた人間はいたのだろーかと思いながら見る。あーそうですかデートムービーですか隣の彼氏に抱きつくタイミングをきちんと示せればそれでオッケーなのでこういうつくりなのですかもしやみたいなところを勝手に考えてしまうほど。

しかしなー突然やってくるあのラストの収束はないよなー。死んだ彼のテキトーな台詞を実践して退治とか。あまりの超展開に爆笑してしまったよ。

清須会議

 

清須会議

清須会議

 

うーん面白くないなー。詰まらないかと言われるとまあギリギリ役者と台詞でこの長尺をちゃんと見入って詰まらなくはないんだけど、全体を通して面白いと感じられるところがないよなー。映画見終わって三谷幸喜の名前を見た途端「は!?」と思うくらい面白くない。いや三谷幸喜は大河ドラマとかも見てないし一番直近で観た映画は何だ? えーと、『有頂天ホテル』? とかだからそんな三谷幸喜の名前で判断されても! という感じかもしれないけどまあとにかく面白くない。

いや完璧に思いつきなんだけど、もしかしたらこれ大河ドラマだったら面白かったのかなーという気もする。映画は史実をバックグラウンドに敷いているわけで、どうやって視聴者を驚かすかというよりもむしろどのように読者を驚かすかが重要というか、三法師を持ち出すという思考としてはまあ当たり前の範疇にある出来事(しかもそこそこ有名)を、どのように隠蔽しておもしろおかしく見せるかというところが焦点であってそもそも結構な無理ゲー。を、役者と台詞とそこそこの演出でまあなんとなくそれっぽく持っていった感じであり、これたぶんドラマだったら成立してたかもなー、でもこれじっくり向き合う映画なんだよなー。

しかしこの映画の絵作りは基本的に気に食わず、ローキーで進む室内とスーパー彩度の高い外の様子の対比がちょっと主張しすぎてないですか? その割には内外の対比で全体が機能しているようにも思えないし。もちろんコメディなのでどこかで明るさを出さなきゃならなかったかもしれないけどさー、あの館がうまいこと秀吉の舞台装置として機能してないよなあ。

っていうか最初のクッソ荒い映像が廊下を歩いているウチにシャープになるあの入りからしてつまらん。あれ気の利いているつもりなのかしら。やるなら徹底的にやりゃいーのに。

ルートヴィヒ

 

ルートヴィヒ DVD

ルートヴィヒ DVD

 

歴史系の映画は好きなのだが世界史あんまり覚えていないので観ながら「あーそういやプロイセンの時いたなあ」「フランスはナポレオン3世とかなのね」なんて記憶を辿っていたら突然BL展開が始まってブッ飛ぶ。しかもキス1度で国が傾くとか延々三歩の距離を保つとか、あーこれなんなんですかね私嫌いじゃないです。好きです。はい。

いやまあ若い日のルートヴィヒがまずちょっと妖しいよね。そんな髪型で観葉植物(念入りに準備)の向こうから色までコーディネートキメキメの服で「ワーグナー!」とかもう、ええと、これはもう萌えてよろしいのか。そうか。よろしいか。そりゃまあ突然胸が広く見える服着てフレアいっぱいのレンズで木の下ふたりとか撮られても納得してしまいますよね。しないか。いやでもあの瞬間に僕が感じた「世界変わったな」って感じが劇的にヤバかった。劇的。

まあ映画としてはちょっと冗長というか、そんなに各キャラクターに興味も持てないなあと言うところもあって辛さも感じる。

しかしなあ、ノイシュバンシュタイン城の後年の使われ方とか、あとワルキューレの政治利用のされ方とか、結果的にかなり皮肉な成果を残すことの多い王だったのだなあ。