ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

ダンケルク

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さかんに言われてるけどこれIMAXで見た方がいいね。じゃないと特にオープニングの縦方向への構図を感じられないかもしれない。左右にフランスの街並みが整然と並んで空の狭さが強調されるショットとか、海辺にこれ見よがしに立つポールとか、あと砂浜に並ぶ兵士の列の縦志向とか。明らかにこれから始まる空海陸の縦の関係性を暗示させる構図になっていて、そこ見落としたらもったいないよね。

しかし映画全体として見たときむしろこれは海の映画であるという印象が大変強い。序盤で縦の印象を強調したからこそ、あるいは縦に長いIMAXの画面であるからこそ、転覆する船のシーンがとても印象に残る。ノーランは破壊のシーンを魅せる監督って印象があったけど、そういえば『インセプション』や『インターステラー』でも地面の方向性が変わるシーンはすごく印象に残ったもんなあ。

陸海空の三つの視点の時間の流れが違ってて……というのがどれだけ有効に機能しているかは正直よくわからん。自分は前にちらっと聞いてたから全然違和感はなかったけど、知らなかったら大混乱だよねえ。はたしてそこまでする理由があるのだろうか。『インセプション』みたいな明確な構造があるわけではないからなあ。

ただし三つの異なった時間の流れを音楽が強烈に結びつけているその体験は面白いなあと思う。監督が脚本を兼ねているからできるつくりだよねえあれ。あとハンス・ジマー。全編ハンス・ジマー鳴りっぱなしで、映画全体が暴力的な印象あるよね。

いやあ、何にせよクリストファー・ノーランって感じ。IMAXで見るが吉と思います。

CASSHERN

 

CASSHERN [DVD]

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なんか最近デビルマン絡みで名前があがってたので「あーそういえば最後まで観てないなあ」と思って見た。いやいや、これデビルマンと同列に話すのはオレはちょっとあり得ないと思いますね。

ってかさ、最初の街の造型だけでもう全然オッケーじゃん。完成度とかそういうのはさておいて、満州のイメージをバックグラウンドにおいた街並みと、ナチス的な対抗勢力みたいな図式を見た時点で、いやまあデビルマンと並べるのはやめてあげなよ、と思いました。クロスカッティングの連発はこの少ない人物と場所でこのスケールの物語を語るのに一応効果を発揮していなくはないし、戦闘シーンの過剰演出は好き嫌いはとにかく力が入っててやりたい気持ちはわかるし、そういう部分拾い上げたら全然観れると思うよ。全然。

もちろん映像が先行して脚本がおざなりになってるのは厳しく、いやそのエピソードスパッと編集して先にいいでしょ? 2時間半近い内容ではないでしょうに、というのは正直ある。クライマックスに近づくにつれて戦争だの生きる権利だのそういう大仰な言葉をキャラクターが連呼してしまうのも大変稚拙だと思う。普通に欠点のある映画として批判するのは、確かにアリ。

アリなんだけど、うーん、やっぱ奇妙な魅力を感じちゃうのが正直な所だなあ。蝶々握って真実を知ることを示すあの演出が、なんで映画全編でできなかったのか。うーん、残念残念。

けものフレンズ

 

けものフレンズBD付オフィシャルガイドブック (1)

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再放送をまとめて見たけどいやー、北朝鮮のロケット発射も含めてコメントに大変楽しませていただいたなーというのが正直な所。ぶっちゃけこれ真面目に見続けるの厳しいかな? という1話から、まあなんだかんだ愛着生まれてきてたぶん途中から普通に観れたと思うんだけど、でもやっぱコメントつきが楽しい作品ではあるよなー、とニコニコ実況を流しながら鑑賞。大変楽しく観ることができた。

正直エンタメとしては目を瞑らなければならない箇所が山ほどあるし、良質なSFとか持ち上げられるとちょっとそれは違うんじゃねーの? とは思う。情報の断片から過去を推察していくフォーマットは楽しいけれど、特別この作品の情報の出し方が優れているかというと別にー、という感じ。愛着を持てるキャラクターたちのわかりやすいストーリーに突然シリアスバックグラウンドが顔を覗かせる落差が強烈なのは、まあわかるんだけどね。別に巧みな展開じゃないけど、やっぱり最終話はほろりとしてしまうから、フォーマットってのは偉大なんだなーと思う。

いやまあそして何よりサーバルちゃんでしょサーバルちゃん。あのイノセント脳筋の立ち位置が絶妙すぎる。サーバルちゃんが動いてるだけでなんかおもしろいもん。メインキャラがメインキャラにふさわしい説得力を持ってるってすごくいい。あとコメント見てるとかばんちゃんの見せ場で「叡智」というコメントが流れるたびに噴いてしまう。そうだよね叡智だよね叡智。

WOOD JOB! ~神去なあなあ日常~

 

厳しい。まず何よりも映像の説得力のなさに歯がゆさを覚える。飛行機の中の人間ドラマだったらまあ成立するかもしれないけど、これって都会から田舎へとやってきた人間の異文化交流なワケで、都市と対比される森に「うわーすげー」と説得力を抱けないのは最高に厳しい。なんなんだろうなあ、このスケール感のなさ。すげえ高いところに登っているはずなのに木々で区切られて全然高い感じがしなかったり、シカや石像の偽物感がすげー悪目立ちしてしまったり、あとはなんと言ってもクライマックスのチープなCGだったり……説得力をもって描くべき映像に、ことごとく力が足りないなあって印象があった。一番説得力があったのは、全力疾走車飛び乗り長回しだもんなあ。

あとは原作があるからなのか、そもそも脚本のアイディアの密度が足りていないのもちょっとキツい。個性的なキャラでドライブさせようとしてるのはわかるんだけど、映像として考えると全然足りないよなあ。小道具やら細かいエピソードやらをテンポ良くボンボンボンと入れてやらないと、こういうトーンの話は回らないのではないか。

テーマ的にも、うーん、100年スパンで跡取りのことを考える田舎が舞台で、それは地方の過疎化と密接に関係していて、それこそしんどくリアリティのある内容のはずなのに、あんなとってつけたようなハッピーエンドにされてもなあ。単純に都会に住むことを悪にせずに、もう少し踏み込んだ描き方にして欲しかったなあ。

小説 後藤新平―行革と都市政策の先駆者

 

小説 後藤新平―行革と都市政策の先駆者 (人物文庫)

小説 後藤新平―行革と都市政策の先駆者 (人物文庫)

 

小説、というのがタイトルにあるとおり小説で、特に子ども時代のエピソードなんかはいかにも読み物って感じなもんで苦戦するかなーと思ったんだけど、まあ話が進めば息つく間もなくズンズン読めるのだった。まあ自分がここら辺の日本に興味があるからかもしれないけれど。

何より一番印象に残るのは「調査」だよなあ。様々な機関や立場を渡り歩いた後藤新平だけど、どこに行ってもとにかく調査、調査、調査。即効性のない調査に予算をかけるのがどれだけ大事かってのが、本当によくわかります。現代では当たり前でありがたみさえ感じない衛生に注力したのもすげえなあ。あとは人材か。まあ色んなところで観たことのある名前がドンドン出てきてビビる。これだけのビッグネームでありながら、ワンマンではなく人材を活用することを重視していたから、あれだけの事が成し遂げられたんだろうなあ。

台湾・満州辺りの影響は色んな本を読んでちょくちょく触れていたし、あと鉄道で広軌を主張したって話も聞いたことがあったし、さらにはなんといっても関東大震災の復興話目当てで読み始めたようなもんだけど、いやー、なんかもう改めて手広く色んなことをやっていて驚くしかない。この人がいなかったら、たぶん東京という都市は全然違うかたちになっていたんだろう。大変面白かった。

ザ・ビーチ

 

 

ザ・ビーチ (特別編) [DVD]

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いやー、やりたいことはわかるんだけどさー、ねぇ。

導入はかなり良くて、まあとにかくあの薬中の説得力が素晴らしい。ディカプリオの契約さも相まって、なんかよくわからないけどすげえ納得してしまう。ザ・ビーチを見つけるまでの展開は、おーこれはどうなるんだと大変ドキドキした。

が、そっからがかなり説得力に欠けるように感じられた。閉鎖空間の人間の恐ろしさが全然感じられないというか。何が悪いんだろう? 小洒落た演出から一気に落とすのって常道だし、全然悪いことしてるようには思えなかったんだけどなー。ボスの人もそこそこ説得力あったように思うんだけどなあ。ディカプリオならそのくらい普通に乗り越えんだろ感があったのは後世の影響か。

あるいは出来事が大味すぎて、全然怖くなかったのが問題かもなあ。外に人を出さない、という理屈は大変ロジカルだけど、ロジカルなものって基本そんなに怖くないわけで。もう少しこう、恋人を巡る人間の機微の陰惨さみたいなのが「こえー」となってエスカレートしていかないと、ラストの決断も茶番に見えてしまう感じがします。死にかけの人間を放置するとか、ちょっと劇的すぎてリアリティを感じられなくてね。

あと、いかにも洒落た演出が大事なところで滑ってるのがキツいかなあ。中盤の狂気に染まっていくパートはこの映画の大変重要な転換点だけど、そこをゲーム演出でのりきろうとしてのは果たしてどうだったんだろうか、とは思います。

信長

 

[まとめ買い] 信長

[まとめ買い] 信長

 

最初は読み方がわからなくて翻弄されるが、巻を重ねるにつれて内容の咀嚼の仕方が巧みになったのかそれともオレの脳がついていくようになったのか、楽しく読める内容だった。いやまあ信長の生涯に対する前提知識はあったほうが楽しめるのだろうけれども。キャラクターがいかにも漫画な書き分けがされず劇画調でなおかつ甲冑とか被ってるもんだから、雑に読んでるとどのキャラがどのキャラか混乱する。秀吉さえも時々「あーこいつ秀吉か」と見逃してエピソードで気づく始末。

でもまあ、信長の周囲に控えるキャラの立った人材を一人一人長いスパンで立てていく描き方ではなく、むしろ単話読み切りでゲストキャラを立てていくようなつくりがほとんどで、だったらこの程度でも全然面白く読めるよね。

あ、でも明智光秀だけは例外で、時間を追って丁寧に謀反までの説得力をつけようとしてるよね。でもってそこに、信長という人物に対する原作者の解釈が見えて面白い。ってかこんなに宗教に対する反発をベースに描くとは思わなかった。実際問題武田信玄とか上杉鷹山とかのスター武将とは直接相対する機会が少なかったのはわかるけど、エンタメとしては大変面白いポイントなワケで、そこを切り捨てて描くのもすごいよなー。

 

にしても、いやー、絵の密度がヤバイよなあ。合戦のコマとかいちいち溜息が出ますわ。