おすすめ度の平均:
ビョンホンファンでない方でもOK最近の日本映画にはない骨太なエンターテインメント
秀作!テンポよく最後まで飽きないです。
ソン・ガンホとパク・チャヌク。ゴールデンコンビ。パク・チャヌクの映画のねちっこさを生かすのは、ソン・ガンホの圧倒的な存在感ではないかと思える。そのくらいこの映画でも圧倒的。美味しすぎてうさんくさいのが玉に瑕か。
自在に物語る脚本の妙に酔う。回想形式の語り口はオーソドックスながらもギリギリと胃を締め付けるような緊張感を与え、正直途中で映画を止めたくなった。そしてカタルシス。しかしそこで罪の所在をぼかし、嫌悪感を最後まではぐらかすその手管。そしてどんでん返しが単なるどんでん返しではなく、そこから「ライター返品の決別」に遡って友情と罪、ひいては南北統一の困難まで暗示してしまうという、とんでもない脚本に感じた。上手い。
難点は物語の導き手の女性が上手くストーリーに絡まないことか。四人の男のドラマに対して、彼女の物語は余りにも深みがないように感じた。が、それは南北朝鮮問題のバックボーンがほとんど無い自分だから持つ感想なのかもしれない。彼女が何らかのメタファーでなければ、あれだけ浮いたキャラクターを置く意味がちょっとわからない。