短い映画だしシンプルなのはわかるんだけれどもちょっとシンプル過ぎやしないですかね? ここまで話を削ぎ落とすと、世界観がいわゆるベタベタなファンタジーってこともあって、骨格の物足りなさがどうしても気になってしまう。物語が作り手の主張のための道具のように感じられてしまうんだよなぁ。もうちょっと世界その者に浸れるような話にしてもらいたかった感じはする。
ストーリーは家父長制的な価値観に抑圧された女性が、それまでの制度に反旗を翻す話、ではあるんだけれども、制度側に加担しているのもまた女性というのがなかなか工夫したアングルではあるか。男性優位の社会の中で女性が成り上がるためには、男性よりも男性の価値観に忠実に従わなければならない、みたいなアレね。そういう意味では、その制度の巨大な重しであるドラゴンが雌というのもまたポイントではあるね。誤解によって制度の保持に協力することになってしまっていたドラゴンが、戦いの後に和解して、かつてのシステムを破壊する側にまわるというのもまた、ある種の希望を示しているのだろうなー。話としては予想通り過ぎて全然面白くなかったのが問題だけど。
あ、あと男性の描き方もそういう意味ではなかなか面白かったよね。今更のように助けに来る父親とか、一応正しいコトを言おうとする息子とか。ストーリー上あんまり機能しないそっちの描き方の方が、なんか色々漏れ出していて面白く感じたかもしれない。