この火事はさすがによく覚えていて、壁面の材料が燃えやすかった……みたいなところまではニュースで読んだ記憶がある。でもこのドキュメンタリーでは、その材質を使ったのが価格の問題で、そして根本には経済格差の問題が横たわっているということを描いており、ふーむなるほどと思うなどする。こういう事件でわかりやすい原因を追い求めることって危うさがあるなあとは思うけれども、これはまあそうだよね。安全とお金のトレードオフ。貧乏人はリスクを負わなければならないという話。
という社会的な論点が付与されている一方で、ドキュメンタリー自体はパニックモノのベタなフォーマットにそって展開していて、まあベタではあるが効果的だよなあと思う。こういう事件を理屈で分析して原因と結果を並び立てるだけではなくて、そこにいた人間がどのように行動したのか、というのをきちんと描くことはとても大切なんだなあと感じさせられる。もし自分があの場にいたら、きっとのんびり自室で待機していただろうなあ……関東大震災のドキュメンタリーを見てても思ったけど、災害時に命を守る行動をとるというのは難しいことだし、そのためにシミュレーションを日ごろからするのは大事だよねえ。