「スクリューボール ～MLB薬物スキャンダル～」とは別の事件ね。ソーサとマグワイアのホームラン競争って、色んなところに波及効果を及ぼしていたんだなあ……
とはいえこの話はそれよりも根深いところがあるというか、オリンピックなんかも含めて「国家の威信」をかけて行ったワケだよね。「イカロス」とかでロシアのドーピングもふれられてたと思うけど、まあ普通に考えて、世界一を目指すために血の滲むようなトレーニングを重ねているアスリートたちにとっちゃ、ドーピングの誘惑を断ち切るのって普通に難しいよなあ。オリンピックの健全な精神とか、そもそも競争原理と相容れないし、そこにナショナリズムが絡んじまったら無理でしょ……
悪びれない当事者が出てくるのはなかなか面白いし、報酬を巡るゴタゴタなんかがあるのも興味を引きつけるけれど、ドキュメンタリーとしてはオーソドックスでそこまで工夫はされてないよなあ、という感じ。「スクリューボール」の子役による演出が強烈だっただけに、ちょっとインパクトは薄れたなあと思う。まあもっとも、こういう事件に演出過剰も考えものだと思うから、このくらいでむしろ良いのかしら。
