ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

不夜城

 

不夜城 (角川文庫)

不夜城 (角川文庫)

 

お……お……おもしろい……なんで今まで読んでいなかったのか……

何が素晴らしいってキャラクター。もちろんストーリーが良くて色んな立場の人間をわかりやすく捌いて次々と困難をブチ込んで翻弄する、というまあすっさまじいことをやっているんだけれども、そんな周囲のあれやこれやが物語の中心人物を立たせていく方がむしろ鳥肌で、いやあ最初にヒロインが現れた時こんなとんでもない求心力を持つようになるとはこれっぽっちも思わなかったよね。何というキャラの立て方。そしてその立ちまくったキャラクターが各々の生き様を背に騙し合い愛し合い殺し合うワケで、クライマックスシーンなんかもうそりゃ脳汁ドバドバ出ますわ。いやーすごい小説を読んでしまった。

色々好きなシーンはあるけれども、元相棒の登場シーンが印象深いなあ。主人公が襲われてると思って芝生からひょっこり。どんなヤバイヤツがくるのか身構えてたのに、あのエピソードひとつで立ち位置定まるんだもんなあ。すごいなあ。

あとはまあなんと言っても主人公。こんなややこしくて共感しづらくてなんだかよくわからないキャラクターを、なんだかよくわからないけど有無を言わせない説得力があるエピソードを連発して、しょーがないかと納得させてしまうのは、いやはやホント神がかってると思いますはい。