ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

ゼロからわかるメソポタミア神話

 

一回ザラッと文字媒体で神話の内容をさらっていたので、大変頭の中に入りやすくて良い。物語でキャラクターを認識することの大事さがよくわかる。イシュタルのアレさ加減とか、こうやって改めて指差し確認されるとだいぶ納得感がある。「この神様どこかで見たことあるような……」というのが、ちゃんとフォローされるのも助かる。ずらららっと出てきて目が滑りがちなティアマトの怪物なんかもいちいち解説してくれて助かる。大変良い順番で知識を吸収している感じがある。良い。

それにしてもメソポタミア神話、全然馴染みがなかったんだけど、やっぱFGOの効果でこういう本が出ているのだろうなあ。FateとFate/Zeroはまあ追っていて、ギルガメシュがキャラクターとして出ているのは知ってるけど、バックグラウンドは実はあんまり良く知らなかった。FGOにはあまり触れてないので、その先もどこまで彫り込まれているか、アニメで一度見ておかないとなあ……

にしてもリリスがアダムと別れたきっかけがセックス体位というのは笑うしかない。直近で見たハズビンホテルを思い出して愉快な気持ちになっちゃうよね。

処刑人

 

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わはははは、そんなのアリか。いやー、なかなか小洒落てて面白い話よねえ。時間軸をパンと飛ばして、検証の回想で事件を見せるというのは、時間軸の省略ができるし、意外なキャラクターも出せるしで、かなりイイカンジに機能していると思う。このくらいの塩梅で興味を引けたら最高よなー。

と思ったら、ラストで急にこっちに問いを投げかけてくる形になるのもなかなか気が利いていて、まあああいうのがあると「名作」の括りに入りやすそうだなあ、と謎の納得をしてしまう。あんな直接的に、視聴者に物語の結論を投げ込まれると、そりゃまあ考え込まずにはいられないよねえ。露骨だけど効く。

ノーマン・リーダスってデスストで認知して、他にあんまり印象ないなーと思ってたんだけど、なるほどこの映画を見たら印象に残るかも。他になんか見てたっけ? とおもったら、あー、ヘルヴァ・ボスにも出てたのね。さすがに声だけだとわからんわ。

まあでも役者で言えば、ウィレム・デフォーがおいしいところを持って行きすぎではあるんだけど。謎のクラシック推理からの同性愛からの女装って、いやまあ今見るとかなりステレオタイプで危なそうな感じもするけどね。まあ、FBIウィレム・デフォーならしょうがないか、という感じはある。

メソポタミアの神話

 

あー、これは良いですね。

神話系の話っていつもどうしても読み飛ばしてしまうきらいがあるんだけれども、めちゃくちゃ楽しく読めたのだった。途中で「ここら辺、正直断片的でよくわからないんだよね」みたいな注釈があったのが良かったのかなあ。いや、神様ってちゃんとキャラ付けされてるんだろうけれども、大抵あんまりピンとこないことが多かったのよ。でも、この本の神様については、ビジュアルイメージもないのに、わりとしっかり内容が頭に入ってきて、我ながら不思議。

まあ、今まで色んな小説やらゲームやらで掠っていたワードがあったのが良かったのかもしれないけれども。あ、あと前に読んだ本でザックリシュメールの文化について学んでいたのも大変良かったよね。アレがなかったら、3種類の言葉で語り直される神話ってのもよくわかんなかったところがあるだろうし……

どの話もインパクトがあったり見所があったりで面白いんだけれども、一番ビックリしたのは股間に噛みついたら精子飲んで妊娠しちゃったヤツ。展開が急すぎるでしょ。ってか神話なんて精子とかなくても普通にこどもできたりするじゃん!

シュメル: 人類最古の文明

 

変な話なんだけど、とにかくあとがきに度肝を抜かれてしまったよ。普通にメソポタミア文明の辺りの話を知りたくて本を読んでいたのに、まさか作者の全共闘時代の私的な感傷バリバリの呼びかけで本が閉じられるなんて……いや、全然イヤな感じはしないというか、むしろ作者がなんでこんな日本と縁遠い分野にのめり込んでいったかの一端が見えて、とても好感は持てるんだけど。っていうか急に熱くてイイですよね、このあとがき。めちゃくちゃ印象に残りました。

でまあ、本自体はシュメール人について一通りざらーっと基礎知識を与えてくれる感じでとても良い。神話の方から始めようかとも一瞬思ったんだけれども、やっぱりこういう文明全体の見取り図が先に頭に入っていた方がいいよなーやっぱり。洪水の話とかにも触れられていたとおり、キリスト教圏だと自分たちの文化と連続性を持って捉えることができるんだろうけど、オレたちには無理だからなあ……

ユーモア交えていろいろなポイントを教えてくれて大変面白いんだけれども、一番笑ったのは「定礎」かな……まさかそんな時代から定礎があるとか思わないじゃん。やっぱり建築ってのは文明において特異な営みだし、それには文字による証明みたいなものが必要とされるんだなープリミティブなんだなーと思っちゃいましたよ。

ハート・オブ・ダークネス コッポラの黙示録

 

「トロピック・サンダー」で弄られてるやつの大っきな元ネタだよね? そりゃまあやばい内容なんだろうなあとは思っていたけど、いやー、想像以上にヤバかった。コッポラが映画会社つくって色んなことをしてたのは、他のドキュメンタリーなんかでちょくちょく出てくるし、ジョージ・ルーカスと監督を入れ替わった経緯とかもなんだかんだ聞いていたりしたけれども、いやはや、まさかこんなことになってるとは……

いやでもなにより、この映画をなんだかんだ撮りきって、それでちゃんと世界的な評価に繋げているのがやばいよなあ。普通こんな企画、どー考えたって暗礁に乗り上げて失敗するに決まってるじゃないですか。規模は違うかもしれないけど、「ロスト・イン・ラ・マンチャ」なんかが頭をよぎっちゃうよねえ。いやはや、本当にこの頃のコッポラ監督って神がかってたんだなあ……

あと、ロバート・デュヴァルとかデニス・ホッパーとかマーロン・ブランドとか、まあ役者の振る舞い見てるだけでくっそ面白いわなー。っつーか、主演はチャーリー・シーンのオヤジさんだったのね。最初見間違えちゃったよ。

あとまあ、こんな環境で幼少時を過ごしたら、ソフィア・コッポラもそりゃあちょっと普通の人と違ったモノの見方になっちゃいますよねえ。

ソニック・ザ・ムービー

 

いやー、さすがにシナリオが観客を舐めすぎてはいやしないだろーか。

そもそものテーマが「その能力故に孤独にならざるを得ない」というところなのに、それをこんな雑に解決するのってさすがにひどすぎるでしょう。せめて身内がもっとひどい目に遭って、それでソニックがひとりで活動することを決意する、みたいなパートがあってしかるべきプロットじゃないのコレ?

最後のスーパーパワー謎の覚醒のどうでも良さも本当にビックリしたけれども、ソニックの能力が強力すぎるからこそ、バランスよくそのバトルを描くことにもかなり苦労しているよね。最初の麻酔ハンデの無理やり感もヤバいけど、ラストバトルがなんであれほど互角に成立しているのかほんとよくわからん。ソニックが時間を引き延ばせるのって、アレ明らかに物理法則に干渉していると思うけれども、あの毛一本でデンキビリビリしたところで、それと同等の力がメカにも備わっちゃうわけ? さすがに説得力ないよなあ。

あとまあ、なんか敵役が謎のフィーチャーされてんな、でも動きはキレキレだしなんだろな、と思ってたら、あー、ジム・キャリーか! なるほど言われてみれば納得、なんだけれども、ジム・キャリーはやっぱり顔芸で認知してんだなあ。英語が聞き取れると、その口調なんかでわかったりするのかしら……?

ドリス・ヴァン・ノッテン ファブリックと花を愛する男

 

全然ファッションに興味がなかったんだけれども、最近ようやく少しずつ見られるようになってきた気がする。少し前はファブリックといわれてもそもそも何を意味するか全然わかんなかったのが、今はちゃんと生地に注目して物を見るようになった程度だけど。

でもこのドキュメンタリーは、ファッションその者と言うよりむしろファッションショーを軸にデザイナーが描かれていて、それだけでも全然見やすい。ファッションを単に人の衣装だけではなく、ああいう風に舞台装置含めて何かを表現するアートとして示せてもらえると、なるほどそういう文脈でコンセプトを表現しようとしているのだな、というのがわかりやすくてとても良い。いやもちろん、アートそのものが孕んでいる文脈みたいなのがあらかじめ頭に入っていた方が、面白く見られるんだろうなーって気もしたけれど……

あと、ああいうインパクトを与える衣服をデザインしているデザイナー本人の衣装がシンプルだったのがなんか印象に残った。なんかファッションショーで最後に出て来るデザイナーって、すごい外見って印象だったので。