ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

スラムから議会へ 独裁と闘うミュージシャン

 

ウガンダの独裁と戦うミュージシャン出身の議員の話。

なんとなくこういう状況の国があるんだろうなーと思っていたのだけれども、その実例を見ることができてとても面白かった。

まずレゲエ歌手というのがとても感動的だった。人に政治的なメッセージを伝える道具としての音楽というのが機能しているのはうおーすごいーと思う。というか逆になぜそういうプロテストソングが今全然聞かれないのかが不思議になるよなー。台湾のドキュメンタリーでも音楽は大きなポイントだったっけそういえば。本質的に音楽は影響力めちゃくちゃデカいはずだよね。

もうひとつはやっぱり演説の内容かなー。拳法があることは人々にとって希望になるし、また後ろにアパルトヘイトの解消やキング牧師の名前なんかがふつーに上がってくるのがうーん教養! という感じがする。ウガンダでも政治運動するときはそこら辺がちゃんと聴衆のハートを掴むキーワードになっているんだなあ。

あとやっぱりインターネットも強い。CDが売られなくなっても、スマホがあれば音楽なんて聴けるしなー。はてさて、次の選挙はどうなることやら……

と思っていたら、

www.tufs.ac.jp

インターネットが切断されてる……

いやー、独裁と戦うのってホント大変だなあ。民主的プロセスって簡単に覆されてしまうんだなあ……と、暗澹とした気持ちになる。

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破

 

あー、こんなにわかりやすい話だっけ?

まあ再編集の軛から逃れたからかもしれないけれども、いやーここまで脚本がわかりやすくされているとは思わんかったなー。そしてそのわかりやすさに対して、劇場で見た当時は好感持っていたと思ったんだけど、序と続けて見た自分は「いやこれはないな」と思っているのであった。これ全然別のアニメじゃん。っていうかトップ2じゃん感はんぱねー。

いやまあ映像の外連味とかアホくさいところとかはまあとてもよろしいと思うんだけれども、ビーストモードとかもうわりとどうでもよくビジュアル的にもそんな魅力的じゃないし新キャラも要るか? わからん! という感じだし、そしてまあそんなにわかりやすい親子のトラウマのドラマに回収しちまったら色々台無しだよなー。そんな明確に憤りの対象を設けてお話として回収されて良いんだったらネルフなんて組織なくて良いよ。エンターテインメントの為に歪さが丸められて逆に魅力がなくなった感じが半端ない。ウェルメイドに近くはなっているんだけれども、いやでもウェルメイドには全く以て届かないしなー。うーむー……

めずらしい歌謡曲アニメではあるのだけれども、歌謡曲チョイスってこんなに浅いところでよいのだろーかという感じはする。まあ歌謡曲だからこそそれでいいのか、みたいな感じもしなくもないけれども。今見るとだいぶあざとさが気になるなーと感じました。

あとなんだろ、なんか女体がエロくないよね。序だったらもっと偏執的な女体の描き方してたと思うんだけど。ふしぎー。

 

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序

 

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序 (EVANGELION:1.11) [Blu-ray]

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序 (EVANGELION:1.11) [Blu-ray]

  • 発売日: 2009/05/27
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もーさー、全然記憶に残ってねーからとりあえず新劇場版から見直すかーって再生始めたんだけど。

これやばいね。やばい。テレビ版の再編集――というのをさっ引いても今見るとだいぶヤバい。というかコレを作った人間は根本から人権意識に欠けていて人間への洞察がヤバい。歪。

いやもちろん歪な形を描くフィクションってあってもいいと思うのだろうけれども、これって作り手側に果たしてこの組織が歪であるのかどうかむしろこれが普通のあり方ではないだろうかみたいな感じがあるような気持ちが拭えない。だってこれがおかしいと思ってたら一応どこかに「この組織がヤバい」ってエクスキューズ置くじゃん。普通ミサトさんみたいな人間の心がわからない人間を保護する側に立たせちゃマズいじゃんどう考えても。そしてこないだ鈴木敏夫の本を読んだからか、そのヤバい組織の向こう側に、ヤバい組織でしかアニメ作りができない作り手側の認識が透けるんだよなー。

そしてそれは同時に自分にも影響を与えているなーとは思っていて、いや普通これだけヤバい状況を描かれたらまず真っ先に「こういう組織は良くないよね」って感想がガッツリ印象に残ってるべきじゃん? でも、これを見た当時の自分はそういう描かれ方を当たり前だと思ってたんだなーと愕然とした。わりと暗澹とした気持ちになった。

 

トイレ 新・文明論

 

「トイレ 新・文明論」

「トイレ 新・文明論」

  • メディア: Prime Video
 

またインドかよ! いやー、インドヤバい……っていうかあのレベルでトイレが存在していない文化なの? 不浄みたいな概念は確かに聞いたことあるけどさー、家にトイレを作らないってその選択はさすがに極端ではなかろーか。あと女性は「夜になると動物に襲われる恐怖と戦う……」とかナレーションで言ってんのに、その直後に女性自身が「男性に襲われるのが怖い」みたいな話をしてんのは笑った。いや普通にそうだよね……

日本のトイレはすげー! みたいな話を日本人が語ると「なんだかバイアスありそうだなー」と思うけれども、フランス人のドキュメンタリーなら「あっ、まじでそうなのかも」「でもある意味バイアスかかってそうだな……」という気分になりました。アジアのトイレ文化にフォーカスが強く当たっていて、なんかちょっとサンプルが偏りすぎじゃない? みたいにはちょっと思うかなー。

あとやっぱりビル・ゲイツはすげーなー。世の中で当たり前になっていて見過ごされているものにイノベーションを与えるのって、普通偶発的に行われるものじゃないですか。コロンブスの卵というか、後々見れば当たり前の発想になるものが生まれるのを待つしかないという。そこに予算をぶっこんでアグレッシブに変化を与えに行くのって、やっぱすげーなーと素直に感心しました。

不死身のスーパー耐性菌 抗生物質が効かない未来

 

途中まで「耐性菌ってなんでそんなにやばいの?」って疑問だったんだけど、途中で畜産産業が出てきて「あーっ」ってリアルで声が出た。そうかー効率化のため抗生物質を混ぜ込むって話が必ず出てくるもんなあ。そしてそこから菌が伝播して広まっていくと。いやー、言われてみれば納得だし、それってだいぶ勝ち目のない戦いじゃないですか? 番組中でも散々言ってたけど……

だって耐性菌を増やさないためにそもそも薬自体を使わない、というのが最適解じゃあちょっと勝ち目がないよね……繁殖を促さないために淘汰させないというアプローチ。まあいずれ負けるのは目に見えている、みたいな。

しかしペニシリンがすごいすごいって言われてる理由がようやくわかった気がします。そうかー抗生物質ってそんなに効くんだね……効かないとどれだけ感染症がヤバいんだよ、っていうの全然実感がないからなー。

あとはアレですね、インドですね。インドがヤバすぎる。一度くらいはインドに旅行行きたいなーみたいな気持ちがあったけれども、この番組見ると「絶対行かないようにしよう」と心に誓いました。いやー、あの病院の映像の説得力はねえ……

天駆せよ法勝寺

 

うーん漢字の勝利。「物理学」が「佛理学」になった時点でもう勝利というか、あー「物」が「佛」に置き換わっただけでこんなにもワンダーが生まれるんだなあという感心がすごい。序盤のロケット打ち上げの所でも、いちいちこう細部が引っかけてあるのも面白いんだけれども。打ち上げ前のカウントダウンなんかテンション上がらざるを得ないよなー。感心。

色々既存のイメージを引っ張りつつ最低限の説明でストーリーを展開しててすごいなーと思うのだけれども、この短い状況で過不足なくラストのバトルを描いてしまうテクニックが実は結構すごいんじゃあないかと思いました。すごい。

でもまあ今更だけれども、SFってハイコンテクストだよなーとは思います。情報圧縮されてるからこその面白味というのはあるのだろうけれども……新井素子の選評が入っているのはバランス良いなーとは思いました。

しかしここらへんニュースで現実が追いついているのをちらほら見るのはあれいったいなんなんだ。

メイドインアビス

 

メイドインアビス Blu-ray BOX 上巻

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  • 発売日: 2017/10/25
  • メディア: Blu-ray
 

いやーこれはーよく出たなー。ここまでファン向けに作るのってなかなか出来ないことだよなーと思う。

はっきり言って進行はたるいしドラマもそんなに工夫はないしで、うーんそうかーコレをこうやってアニメにしてよいのかーという感じはある。しかしそれは遙か昔にコミックスを読んだときの感触とまあ大体似通っていて、それはつまりまあきちんと原作のニュアンスを引き取ってアニメをつくったんだなーという気がする。

いやでも原作はなんか世界観の書き込みとか狂気とかを感じたんだけれども、複数人が関わるテレビのアニメだとその再現度にはまあ割り切りが必要で、世界観自体が激烈に魅力的、みたいな感じにはなりづらいわけじゃないですか。でもそれでいい、オレたちは誠実に原作ファンに訴えかけるんだーという感じの作りになっていて、まあそれはそれで幸せなんだろうなあと思う。かくいうオレもマルルクちゃんきた! ナナチがナナチしてる! という感じで全然楽しめてしまったのでそれはそれで正しいアニメ化なんだろうなー。

とはいえこんなにナナチの話にしてしまって良いのか? とは正直思うけど。リコレグのドラマの軸って基本ふわっとしているから、全体を通してナナチの印象が強すぎるよねーってそれはオレがナナチが好きすぎるだけかそうですか。

あ、あと穴潜りマンガなのに上昇負荷があんまり効いてないように思えるのは不思議だな……普通こういう設定だったら抽象的にクリティカルな隠喩になるのが普通、という感じもするのだけれども。ふしぎ。