ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

LO: インターネットの始まり

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うーん、想像の10倍くらい薄味でガッカリ。というか2016年に撮られたこの映画のインターネット像が、今の我々の実感から乖離しまくっていることが驚きである。だってフェイクニュースを始めとした情報が大衆社会にもたらす影響のヤバさとかが全く触れられてなくて、AIに触れられてもシンギュラリティなんて夢にも思わない感じで、インターネットとかゲーム中毒で子供を殺すのを社会問題として取り上げちゃってたりするんだぜ。この短期間でもう全然問題意識が変わったんだなーというのを改めて思い知らされる。

観ていて面白かったのは、「LO」の映画の由来とケビン・ミトニックのハッキングテクニックが聞けたことくらい。っつーかイーロン・マスク引っ張り出してきておいてあんな薄い内容でビビる。別にあんなの引っ張ってこなくてもいいじゃん。オレレベルが知ってる有名人こんなに出てるんだから、その筋の人はもっと歯痒いんじゃなかろーか。

っていうかさー、インターネットの成り立ちとか、技術的なバックグラウンドはわからなくともそれを裏打ちするハッカーの思想ってどんなもんかなーとか、そういうのを垣間見たくて再生を始めたのに、テーマが散漫すぎてちょっとどーしょーもない。電波過敏症のコミュニティの話とか、全然必要には思えないんだけどなー。うーむ……

ゴジラVSビオランテ

 

ゴジラVSビオランテ

ゴジラVSビオランテ

 

こ、これが噂の沢口靖子! 各所で噂を聞いていただけに、思った以上に表示時間が少なくてビックリした。これだけであんな伝説的なインパクトを残したんだからすごいよなあ沢口靖子。どうか天国でリッツパーティーして下さい。

大昔観たことはあるけれども、改めて見ると色々味わい深くて良いなあ。なんといっても一番インパクトがあるのは「ゴジラ細胞を使ったら、日本が核兵器以上の兵器を開発してしまう!」とか言っている点で、いやあホントこの時代の日本はイケイケだったんだなーと思わざるを得ない。アメリカ? は? なにそれ? オイルマネーくらいじゃないと自分たちには対抗できないぜ! という感じ。自衛隊がこんなにもまともにゴジラと対決する図式になっているのも面白いよなー。

そもそもゴジラってあんまよくわかんねーシリーズではあって、この作品でもそうだけれども、ゴジラが怪獣と戦って都合良くかえっていく流れがホントよくわからんよなあ。この話もゴジラがずでーんと海岸に転んでそれでオッケーなの? ビオランテも流れで靖子解散しちゃった感じだもんなあ。挙げ句博士もなんかよーわからん科学者の寝言を呟いてサックリ死んじゃったもんなー。ホントにあのラストは謎。

あと子供がゴジラと精神感応しちゃうくだりも全く意味がわからん。ガメラじゃないのにああいうことやって良いのか。シリーズ流れで観てたらアリなのかしらねえ。

いやー、改めて見るとゴジラってほんとわけわかんねーシリーズなんだなあ。今度のレジェンダリーゴジラが楽しみである。

バンクシー・ダズ・ニューヨーク

 

バンクシーのドキュメンタリー。どうもこの人ちょっと前にニューヨークで一ヶ月間毎日ストリートアートを更新という大変愉快な試みを行っていたらしい。この作品はそんな試みを追いかけた作品で、まあドキュメンタリーとしては基本的に順繰りに作品を追っていくだけみたいな側面が大きいのだけれども、しかしまあバンクシー作品をアートとして理解するにはそれを社会がどのように受け入れたかまでを観なきゃならんのだろうし、するとこのくらいストレートに追いかけてもらった方がわかりやすい面もあるなーと思う。

全編を通して思うのは相変わらず頭いい人だなーってことで、これだけの人数をチームで動かして警察からはほとんど尻尾を掴まれずに、まあよくもこれだけの活動ができたもんだなーと感心させられる。手を変え品を変えで様々なメディアートを行って、こんなん毎日街に描かれたらもうそりゃあ最高な1ヶ月だったろうなあ。Web経由で政治的メッセージを解説しちゃうのもまあ大変今風でしかも適切な手引きでありますね。

ニューヨークがグラフィティの聖地であるという点がちゃんと解説されていたのも良かった。グラフィティのアーティストから煙たがられながらも、5ポインツへの言及なんかも含めつつ、リスペクト籠めてやってたんだなーと。

あとは『セービング・バンクシー』で出てきたディーラーの人が元気に活動していて笑ってしまう。結局あの狼売らなかったのか。カネの話がかなり全編にわたって言及されていたのも、うーん正しいつくりだなあと思いました。

ドリーム

 

ドリーム (字幕版)

ドリーム (字幕版)

 

なんか公民権運動周りの映画ばっかり見てるなあ最近。まあそのくらい自分の中でテーマになってんだろう。

ってか、NASAのロケット打ち上げの映画と思ったら黒人の公民権周りの話でびっくりした。ケネディが月に行くって言う前のスプートニクとかの時代だから、キング牧師もそんなに注目されてないのかしら? 歴史が激動すぎてちょっとついていけないですね……だってさらにベトナム戦争とか並列で走ってたわけでしょ? いやー……

気になるのは、この作品のメッセージが「能力を発揮するためには人種なんて関係ない」に止まっているようにも思えるところだよなあ。有能だろうと無能だろうと全ての人間は平等である、みたいなのが人権の意義であって、科学を信奉するNASAのバックグラウンドにそういう意識は薄いよね。だからこれは、あるきっかけで人種の壁が破壊された場所を描いてはいるけれども、ギークな科学への信奉が人権を擁護すると主張するわけではないことは要注意だと思った。まあ自分もどっちかっつーと科学を信奉しがちな人間なので、「私には差別意識なんてないの」「大丈夫、あなたがそう思ってるのはわかってる」みたいなやり取りは、ホントにグサッと胸に突き刺さったなあ……

あ、あと「私たちのアポロ計画」の副題が取り外された経緯があったわけだけれども、うーんこの内容だとさすがにアポロ計画はないなー。見る前は、「アポロ計画に参加できなかった、でも彼女たちなりの場所で宇宙開発に打ち込んでアポロ計画に繋がる何かを残した」みたいなニュアンスだったらアリかなーと思ったけど、全然そういうないようじゃなかったからなー。全く擁護できないと思いました。

ゴジラ FINAL WARS

 

自分北村龍平監督作品は『VERSUS』しか見ていないのかな? でもまあ、ふつーのゴジラ映画でないのはよくわかる。気合いが入っているのもよくわかる。でもって『怪獣黙示録』の感想でこの作品の名前が出てきたのもね……

でもって作品だけども、個人的にははっきり嫌いなタイプで、全体のコントロールができている感じが全然ないよなあ。世界中が危機に陥っているはずなのに主要な人物たちだけでドラマが構築できちゃったり、ミュータント設定のどうでも良さだったり、ミニラ辺りのドラマのご都合感だったり、ギャグに思えてしょうがない戦闘演出だったり、基本的には嫌いです。嫌い。

でも、それが作品全体のトーンをつくっていて、そういう作り方なのもアリなのはまあわかる。馴染まないCGゴジラと戦ってマグロ言及しちゃうあの感じ、オレは嫌いだけどあるのもわかるよ、わかる。嫌いだけど。ラスボスがいちいちムキーとやっちゃうのを面白いと感じてつくってるのもわかる。わかるよ、嫌いだけど。うーん、だめだなあ自分。この映画の演出が嫌いなんだなあ。

まーしかし、ゴジラの名前を冠しているのにクライマックスでゴジラの戦闘がわりとどうでもいいのはあれどうにかなんないのかなあ。着ぐるみのアクションをどうやって魅力的に見せるかはいつも苦労しているとは思うんだけど、人間サイズのアクションの方が気合い入ってるその方針、オレにはちょっとついていけないなあ。

 

オール・ザ・ウェイ JFKを継いだ男

 

オールザウェイ (字幕版)

オールザウェイ (字幕版)

 

ジェイ・ローチって『オースティン・パワーズ』の監督かー。いやー全く想像つかなかったよ。

先日の『大統領の執事の涙』で、リンドン・B・ジョンソンがイマイチよくわかんねーなーって感じだったので見始めたんですけど、期待した通りの内容だったので大変良かったです。っつーか『ミシシッピー・バーニング』ってケネディじゃなくてLBJの時代だったのね。

とにかくLBJが魅力的で良い。いや魅力的ってのはそうなりたいとか近くにいて欲しいとかそういうワケじゃないのだけれども、歴史に残る偉大な大統領のあとを突然継がされて、プレッシャーに押し潰されそうで周囲に当たり散らしたり、大統領として政治闘争で勝利したいという野心も持ちつつ、でも根本的には世界を良くしたいという信念も持っている、という人間臭さがだいぶ魅力的に感じられます。理不尽に当たり散らされた妻がトイレに籠もって「夫がかわいそう」と泣くシーンとか最高ですね。キング牧師とかフーヴァーとかみんな知ってる登場人物オールスターって感じなんだけれども、それらが変に神格化されずに描かれているのも大変よろしい。この感じでケネディを描いたらどうなってたんだろうなーとも思うけど。

一応テレビ映画だけど、まあスペクタクルが必要な作品でもない人間ドラマで、見応えたっぷりの作品でありました。

リベンジ・リスト

 

リベンジ・リスト [Blu-ray]

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ま、まさかこんなに捻りのない映画があるとは全く思わずにビックリしてしまった。主人公がクローゼットの壁を見ている時点で「まさか過去に特殊工作員とかないよなーアハハハハ」とか思ってたら嫌な予感が完璧に的中していて爆笑した。冒頭の何の捻りもない伏線からの真の悪役発覚とか、無防備すぎる身内の狙われ方だとか、その呆気ない取り返し方とか、いやーほんとひでー脚本。こんなに脳みそ使わなくてもいーんだって逆に感心してしまう。

唯一気に入ったのは元相棒とのクッソ下らない会話のやり取りで、アレが最初の方とラストで繰り返されるだけで本当にだいぶ救われる。「形式って大事だなー」ということを心底思い知らされる。最後のドンパチのあとの展開が無駄に長いとか、病室でのどんでん返しとか全く意味なくね? とか、そういう不満を掻き消してしまう力は確かにある。

あとはトラボルタが「おじいちゃん」という立ち位置に色々感じ入るものがあるなあ。おじいちゃんとか言ってるけど、役柄としては全くおじいちゃん的じゃないよねー。老いを感じさせるだとか、孫を見守るだとか、そういう年齢相当の行動が全然なくて、それはそれで興味深いなーと思いました。