ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

籠の中の乙女

 

籠の中の乙女 [DVD]

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えーなんなん? これラストそこで終わりなん? まじで?

いやまあ全体的になんなんだこれは変な映画だなあと思いながら見たが、しかしまあ変な映画だった。閉鎖環境で全く違ったルールで生活が行われるって、別にこんなトラブルの予感満載の謎空間作り出さなくて良いわけじゃないですか。どこにでもいるふつーのおっさんがふつーのおばさんと警備員抱き込んで謎の空間作ってるって、いやまあなんでそれをチョイスしたのかが謎。良い悪いじゃなくて謎。どの思考回路でこんな舞台設定が出てきて、なおかつそれを企画として通せるの? いやーまあホラーはホラーだけどさ、ホラーだったらもっと色々やりようあるわけじゃん? 映画によってハリボテの世界が打ち破られるのだって、まともに考えたら『チャック・ノリスVS共産主義』とかにいっちゃうわけでしょ?なんでこのチョイスなのかなあ。善し悪しを置き去りにして、最高に意味わかんねえなあ。

とはいえこのトーンを全部真面目に遣り切っているので、それはそれでとても面白い。フラッシュダンスのシーンとかもう腹を抱えて笑った。面白すぎる。底から一気果敢のドタバタパートで母親までもがワンワンポーズしてるのはもう呼吸できなかった。あのシーンが観れただけでもうこの映画ぜんぶなんでもいいや。うん、色々あったけどどうでもいい。猫が殺されちゃったけどどうでもいい。

EVE burst error R

 

EVE burst error R

EVE burst error R

 

未プレイで機会があったのでプレイしたけれども、いやー、色々歴史の重みを感じさせられる内容だった。

純粋にストーリーだけでいうと、推理モノとしての質は全然高くない。一番大きなトリックは最高に適当だし、それぞれの組織の動きも実はあんまり上手く機能しているようには思えない。泣かせ部分のシナリオも、いやまあわからなくはないけれども全体的に大味だよなあ。主人公は魅力的だけれども、その魅力って結構コマンド入力でのつい笑っちゃうようなやり取りの親近感に支えられている気がする。

じゃあゲームにしてみるとどうよ、といわれるとまあ総当たりコマンドシステムがストーリーの進行につれて範囲が狭くなって結果としてストーリーが加速して面白いというのは、別にシステムとしての優秀さじゃなくて前半で如何にシステムが足枷になっていたかの証左だよね。新しいこのパッケージ版だと次に行く場所が指示されるからそれでだいぶ進行が助けられるけど、あの印が明示されなかったらと思うとゾッとする。ヒントすらほとんどなくて無意味な行動を強いること前提のシステムで、コマンドを何度も入力して変化が生まれることに対して原始的な喜びが見いだせる時代だったからこそ成立する形式だよなあ、と思った。

目玉の視点替えのシステムは、主人公の声が聞けて立ち絵が見れて「おっ」となるとかそういうのはあるけれども、それってそこまで魅力的なセールスポイントにはならないよね。メインのストーリーがお互いに干渉する、といっても分岐で展開が変化するのではなく物語の進行が止まるだけで、しかもその停止点には創り手の都合以外のなにもない、というのは辛い。聞いたことのあるハッキングシーンも、まああんなご都合主義な展開がプレイヤーの主体的な関与によってなんか許せてしまう、というウルトラQを決めているのは大変よくわかるのだけれども、あそこってそもそもそんなに豪腕振るう必要があるシーンには思えない。視点切り替えの連発によっては演出都合だよなーとむしろ閉口。

何の表現でもそうだけど、自分は「こういうアイディアを思いつきました」自体はあまり評価しなくて、そのアイディアから「このような効果が生まれました」がどれだけ生まれるかを重視するタイプであり、するとこの作品は「視点替えシステムを考えてみました!」と言うだけのアリバイは果たしているけど、それが活きているようには思えないってのが正直なところ。

最近しばしば見るけれども、過去の作品を何の工夫もなく現代に蘇らせるやり方は、きついなあと思いました。

僕らの戦争はまだ終わっていない

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NATOがいなくなってもまだオレたちの戦争は終わってないよ今もこんな状況だよ、というドキュメンタリー映画なのだけれども、なんというかその、切り口がない。もちろん日々は一触即発の緊張に満ちていて彼らがどんな動機で軍隊に入って余所者をどう思っていて、見たいな細部は見応えがある、あるんだけれども、その細部がどうも頭に入ってこない。ショッキングなシーンがショッキングなシーンのまま目の前を素通りしていく。これはどうしたことだろうと思う。

色々考えたのだけれども、もしかしたら自分はここで語られる日常をどのような物語として受け取って良いのか途方に暮れているのだと思う。もしかしたらその細部の知識があれば部品部品を掻き集めて何かの物語をくみ上げることもできるのかもしれない。でも自分には、このいつまで続くとも思えない日常、しかしいつか終わるかもしれない日常を、明確な意味をもって位置づけることができない。でもそりゃそうだよね。今渦中にいるその戦争が終わってないんだから。

でまあちょっと話を広げすぎだけど、ドキュメンタリーはしばしばひとりの人間の生涯に焦点を当てて、誕生時のエピソードから語りが始まるけれども、あれってつまり人間の人生が物語としての機能を請け負っていることと強い関連があるんだろうなあ。人の人生には因果関係があり、その因果関係こそが物語であるという前提が、あの形式を支えてる感じがする。

 

アンナ・カレーニナ

 

アンナ・カレーニナ [DVD]

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冒頭のすげー疲れる一連のシーンで「うおー変なの見出しちゃったよこんなん途中で絶対寝るぞ……」と思ったんだけどあそこまで極端にやってるのは序盤だけで途中から割と普通に見れて良かった。良かったんだけど、返す返すも冒頭でなんであんなに疲れたのかが謎。いやそもそも長回しで場面転換をとることがそんな生きてるの? みたいな疑問もあってそこは大いに問題なんだけど、それはそれとして同じ空間の中で異なった見立てで物語が進行するのをシームレスに見せられると人間の脳というのは混乱するのだなあ。映画だとカットが自然とその役割を追っているようにも見えて軽視しがちだけど、明確にシーンに幕を下ろすことの重要性を思い知らされたのだった。疲れた。

でまあ肝心の話なんだけど、超有名な原作を元にすでに何度も映画化されている、といわれても自分が始めて見る話なのでこんな見え方でいいのかなー、というのに全然自信はないがないがしかしアンナが尻軽すぎませんか? 愛に理由はない? 理由なく運命に導かれて他人を傷つけてしまう? いやまあわかるんですよ理屈としてはああそういう展開があるのは。でもなあ、あそこまで夫に冷たく当たっておいて、社交界に爪弾きにされて、そいで汽車に飛び込んじゃうわけでしょ? いやまあ、全然そういう話がありえるのはわかるんだけど、うーん、この主人公がホントにやるのかなあ、というのがあんまりしっくりきてないのです。あの美人がくしゃっとさせる笑顔さえもうそくせーなーと思っちゃうわけです。で、それはもしかしたら冒頭にこってり見せつけられたあの演出の影響かなーと思わなくもないわけです。わからんけど。

ロボコップ

 

ロボコップ/ディレクターズ・カット [Blu-ray]

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CMの雑でブッ飛んでる感じが『スターシップ・トゥルーパーズ』っぽいなーと思ったらそうかなるほどポール・バーホーベンか。リメイクは見たけどリメイク元は洋画劇場とかで適当に眺めたことないし見るかーと全然期待せずに再生したら、あーなるほどはいはいここら辺は原作リスペクトなのねと言うところがわかったりしてなかなか楽しめるのだった。想像してたより全然楽しかった。

この頃の娯楽映画だからなのかもしれないけど、過剰さがとても良い。例えば冒頭の射殺シーンもそうだけど、漫然と派手なシーンを見せるのではなくて、カウントダウンで来るぞ来るぞ来るぞーって溜めてから開催される明らかにオーバーな射殺シーン。「いやここのシーンにこれって必要ないよね?」って圧倒的火力に思わず笑いが漏れてしまう。この感じは悪くないなあ。

あとデトロイドっていう町がなんだかんだ効いていて、廃工場と巨大なビルが隣接して存在する感じとか大変良いし、悪人は当然廃液の中でボロボロになる。ロボコップが警察の包囲から逃げ出すあのシーンも立体駐車場がなければさらにあり得ない感じになっていただろうなあ。いやはや、自動車というのは大変な産業だったのだなあ。

よりよき人生

 

よりよき人生(字幕版)

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いや良いから連絡しろよ! なんでそんな連絡できねーんだよ! 自分の息子だろ!? 焦らして焦らして焦らして焦らした挙げ句が単なる刑務所って、そんなの全然全く納得できんわ! とか思いながらも抱きつく少年の画の躍動感にはジーンときてしまうのでまあ映画って卑怯ですね。ズルい。まああの描き方だと実際麻薬運んでたって考えた方が納得いくかなーとは思う。

なんつーか全編辛い話で、別れたパートナーの子どもの面倒を見させられるっつーだけでも男でひとりじゃ大変ねーってかんじなのに、そこに借金で首が回んなくなっていくんだからとても大変。序盤の職探しからいきなり不動産屋連絡して金を借りてみたいなくだりはあまりにあんまりなので自業自得感で納得できるとはいえ納得できるからといって面白いわけではない。というかむしろ勧善懲悪からは遙か彼方、主人公が暴力で勝ち取った金で海外逃亡する瞬間の開放感ったらなく、いやはやほんと逃げ切れて良かったなーと身勝手に思ってしまいますねこの映画。それでいいのか。よりよき人生。

しかし良いというのは一体なにに対しての良いなのかとか考えると、盗んだシューズを買い取らされて走り回させられる人生が良いのかしらねー? うーん。物売って小銭数えて笑い合うあの瞬間が一番幸せそうに見えたというのも正直な所で、えーと、貧乏は嫌だなあ、借金はやめよう。計画的にお金を使おう。そうしよう。

 

ナイトメアー・ビフォア・クリスマス

 

ナイトメアー・ビフォア・クリスマス [DVD]

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ようやく見たんだけどザ・ティム・バートン。ストーリーとかキャラクターとか割とどうでも良い。途中でほろりと泣ける再会話をちょいちょい挟むかと言えばそうでもない。ワンワンとかもっと掘っても良いはずなのに全然掘らない! あの世とこの世の行き来は都合でドン! いやしかしそれが許されるのだティム・バートンの作り出したこの世界では!

ということで好きな人にとってはもうたまらんのだろうなーという内容。自分はキャラデザ含めてあまり好きじゃないけれど、まあある種の好ましさがあるのは認めざるをえないよなーこの様式美。アイディアが大量にぶち込まれたホネホネロック、じゃねーけどとにかくダンスタイムなんかは、まあやっぱり楽しく見てしまいますね。ラストのお祭りワッショーイ! 盆と正月が一緒に来たぜー! な節操のなさも大変好ましいです。

ところで手の動きにブラーかかるときありますよね? パタパタ動く手とは別に、スピードアップするとぬめっと動くカットがある気がする。アレってどうやってとるのかしらん?