いやー変な映画。めちゃくちゃ気持ち悪い。
だってこういう異文化の交流って普通差別みたいな問題を底に敷いているはずで、クマがロンドンの人間社会にやってくるこの映画ってまさにそういう暗喩として機能するはずなのに、そこら辺がめちゃくちゃ脱臭されてない? パディントンの立ち位置って、マーマレードが好きとか特性は色々あるけれども、彼がもたらすトラブルは「無知」がもたらす問題ばかりで、その向こうにどうしようもない身体的な差とか、世界の捉え方の違いとか、そういうより根源的な差別に繋がるような要素がかなりケアされているように感じるんだよね。だから映画としてはかなり見やすいというか、オモシロトラブル対処映画になっているけれども、本当にこれでいいんですか? という感じが拭えない。正直だいぶ嫌いな感じのする映画です。
っていうかさー、クマ、へんな催眠術なんか使わずに人を襲えよ! と思ってしまう。なんでそんなに人間社会に普通に溶け込めるの? それって明らかに人間化されてるし、本当にそれでいいの? というかペルーの山奥で人間ナイズされてるって一体何なの? それって大英帝国の人間の驕りみたいなのを感じざるを得ないよなあ。いや、やっぱり実はヤバいんじゃないのこの映画って。