ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

ミセス・ダウト

 

トッツィー』見たばっかりなんで比較して見れて面白い。どちらも役者の女装モノで、ダスティン・ホフマンロビン・ウィリアムズががっぷり四つって感じですね。

脚本のデキからすると『トッツィー』の方がよくできている感じもして、ウーマンリブを絡めつつ作中作を上手く利用しクライマックスの盛り上がりに向けてストーリーを展開させるのは改めてすごいなーと思い知らされる。一方こっちの『ミセス・ダウト』の脚本は、構成上の美しさと言うよりもむしろもっと原始的な「秘密の情報開示」を軸に回っていて、いつバレるのバレないの? のドキドキがメチャクチャ協力に機能している。顔マスクという発明がまさかここまで有効に機能するなんてなーと最後まで感心しておりました。

作品としてはたぶん『トッツィー』の方が完成度が高い気もするけど、どっちの映画の方が好きかと聞かれれば、オレは迷いながらも『ミセス・ダウト』を選ぶんじゃないかと思う。どちらも虚構によって救われた物語なのは変わらないが、『トッツィー』のラストはフィクションの人格を過去のものとしてハッピーエンドを掴み取ってる展開で、オレはどうも嘘くさいなーと思ってしまうのだ。『ミセス・ダウト』の問題は完璧には解決しないが、それでもフィクションが現実の苦しみをほんの少しだけ支えてくれる。そういうエンディングの方が、虚構を内側に含んだ作品としてはグッとくるんだよね。