ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

鑑定士と顔のない依頼人


なんでこの監督がこんなサスペンス風の映画を? ということで映画館に足を運んだのだが、いやー、コレはダメでしょ。
「2回目に見ると全く異なる図式に!」とか言ってるけど、これかえってボロが見えるだけだと思う。っつーか1回目できちんと両方の図式を天秤にかけて、その結果「コッチ側で見ることに合理性があるし何よりこの方が面白い!」と判断して映画を見ているわけで、最後に不合理な結末を付けられても困る。
ってか、今振り返ってもあの方法はどう考えてもリスクがありすぎる。非合理的すぎるでしょ。

でもまあ何より腹立たしいのは、結果的に物語が指し示してしまっているテーマだ。定年間近までコミュ障だった人間に、あのような仕打ちをするストーリーなんて、僕は絶対に赦すことができない。
確かに個人的な利益のために罰せられるべき行為をしたかもしれないが、だからといってどのような罰を与えてもいいというわけではない。他人と関わろうと努力する、という行為があざ笑われるかのような展開は、正直言って吐き気がします。だってあのラストには、「人と関わる事で負った傷を、人と関わる事で慰められる」のような救いすらないのだ。

いやー、ホントに許せないわ、これ……