ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

パトリオット

 

歴史スペクタクルな映画ではあるけれども、しかしこれって本来アメリカ建国の精神を描くべき内容じゃん? 『ストーンウォール』でも思ったけど、そういう小難しい題材を積極的に選ぶローランド・エメリッヒって、なんなん? 到底、向いているようには思えないんだけれど、好きなんだろうなあ……好きじゃなきゃわざわざこの内容選ばないだろうしなあ……うーむ。

まあしかし、それにしたってレッドコートの描き方が安易な悪役って感じで笑ってしまう。史実があるのかはよくわからんけれども、教会に一般人閉じ込めて火を放つとか、あんなわかりやすい悪役に描かれちまうと、かえって全然乗り切れないよねえ。絶体絶命からの逆転! の描き方も「それでいいんかい!!」って感じだったし、うーん、根本的にこの監督、こういう作品向いてないんじゃないのかしら。迫力のある戦闘シーンって、スローモーションを多用すりゃいい、ってもんじゃないよねえ。

考証的には、銃剣ってこの時代、着いたり着いてなかったりするのかしら。この映画の戦い方を見ていると、やっぱり銃剣の発明ってのはめちゃくちゃ重要だよなあとは思う。特に当時弾込めるのが大変なんだから、銃をそのまま剣として使えるっていうのはアドバンテージだよなあ。

リアリティ・バイツ

 

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  • ウィノナ・ライダー
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ベン・スティラー!? マジでベン・スティラーが初監督でこんな作品撮ってたの!?!? いやまあ、こないだ見た「世界サブカルチャー史」で概要は知ってたんだけど、改めて見るとまあビックリするな。いやしかし、こういう視点がしっかりあるからああいうどーしようもないコメディ撮れるんだろうな、という気もする。っていうか、この映画自体、ベタだけれどもなかなかチャーミングな青春恋愛映画だから、むしろなんでここからあの映画になっちゃうの!? という感じはするか。でもあのドキュメンタリーの編集とか、アレ普通にコメディの作りだもんなあ。

ビデオテープの質感とか、BMWのエピソードとか、ゲイの人がエイズの疑いに苦しんだりとか、全体的にうーん時代だなあ、という感じ。ここまで時代の空気感をバッチリ刻印した映画は久しぶりに見たぜ。「世界サブカルチャー史」で取り上げられるだけのことはありますわね。

それにしてもウィノナ・ライダーは可愛らしいですわな。ベン・スティラーは今も知ってるベン・スティラーだけど、イーサン・ホークってあんな感じのイケメンだったのね。今も素敵なおじさんだけど、若い頃はさらにさすがって感じだぜ……

バニシング '72

 

バニシング '72(字幕版)

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  • トラヴィス・フィメル
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うーん変な映画。

なんか語り口で色々捻っているけれども、うーん、変な感じ。時系列のシャッフルとか、そんなやる意味あったのかしら? 全体的にテンションがかからないというか、ゆるーい感じになってるもんで、別にストーリーを引っ張る力になってもいないしなあ。あんまりよくわからん。

ニクソンの犯罪がバックグラウンドに敷かれているけれども、全然直接の言及じゃないほのめかしで、そこら辺は現実を知ってるからOKでしょ? みたいな感じなんだけど、オレたちゃそこまで詳しくないからなあ。そこら辺の接続にいちいち疑問が出てしまう感じもなくはない。

まあ、登場キャラクターが愛おしくないわけではないので、そこら辺の魅力でダラダラ見ると良い、という感じなのだろうか。いやでもなー、この時代はどう考えても公民権運動で大変だった時期のはずで、そこで黒人の操作感が出てくるのとかって、やっぱりそれなりのニュアンスがあるはずだよなあ。あんまりよくわからんのでちょっとガッカリではある。

映画の引用も、だから何って感じだったしなあ。あ、でも『暴力脱獄』のエピソードにはニッコリしてしまいました。

HITOSHI MATSUMOTO Presents ドキュメンタル シーズン13

 

あー、これが最新のヤツか。世の中的に続きが出るかどうか微妙なんでなかなか大変だな……

フットボールアワーが優勝してよかったな……というのが正直な感想。ちゃんと相手の攻撃を受けたりネタを繰り出したりして笑かしにいって成功していたのが見ていてとても気持ち良かった。

まあ、競っていたランジャタイがちょっとしつこすぎてゲンナリしたのもあるけれども。っていうか、基本的にお面被ってる時間が長すぎるのって良くないよね。カウンターで笑かすのも重要な要素なんだしさあ。

ウエストランドの井口はなー、M1とかのネタの毒舌はきちんと台本があるしフォーマットができてたんで聞いてて別にそこまで思わないんだけれども、アドリブで聞くと結構キツいな。言葉の内容自体は確かに優れてはいるんだけど、まだ芸までいってない感じは結構ある。河本よりもそっちの方が気になった。

EXITは見ていてホントしんどかったなー。普通、お笑い芸人ってああいうのをフォローしておいしくしていくのもできるスキル持ってると思うんだけれども、あの真剣勝負の中ではそういう振る舞いが難しかったんだろうなあ。外部のオブザーバーからのイジリでなんとかもってたところもあるんだけれども、本人的にはどうしようもなくキツかっただろうなあ、とは思う。

21ジャンプストリート

 

あーなるほど。ドラマのリメイクなのね。だから突然ジョニー・デップが出てくるのね。あまりに唐突な展開で「え!? え!?」となってしまったよ。

コメディ映画、ではあるんだろうけれどもそれほどキッツイやつもなく、普通に楽しく見られる内容ではあった。まーしかし、もうちょっと濃くやってもらっても別に構わないが!? という気はする。ドラッグもセックスも暴力も、そこまで激しいわけじゃないからなあ。あ、でも唐突なカースタントのシーンは意味不明すぎて笑った。アレなんか文脈があったりするのかしらね?

男性同士の友情の話ではあるのだけれども、どうせやるならもうちょっと丁寧に序盤の展開をやった方が良いんじゃないかなあ、という気もする。お互いの性格がもっと彫り込んであれば、単なるコメディでも、バディのところにもうちょいのめり込めたんじゃないのかなあ。話の都合の流れでくっついたり離れたりでも良いんだけど、この映画のふたりの関係って、友情以外の何かがあってもいいような感じがしてしまったんだよなー。なんでだろ。

ヴァチカンのエクソシスト

 

そんなに話題になるような映画かな……別に出来が悪いとかは思わないけれども、なんでそんな世の中で話題になったのかがわからん。これってオレがホラー映画のツボが分かってないだけなん?

ストーリー展開でそんなにおもしろっ! ってなったところはないし、キャラクターもそんなに特別立っているように思わなかったし、うーむ……神父同士の友情がどうこうって話をどっかで見た気もするけれども、そんなにピンとこなかったけどなあ。

あと、教会の性犯罪隠蔽の話がちょろっと出てくるけど、むしろ思い出すのは男性同士の性加害だけどなあ。そういう意味で、女性が悪魔にされがちだったり性的誘惑が嫌悪されたりする一方で、男性同士の友情や男らしい飲酒の振る舞いなんかが肯定的に描かれるのは、うーんそれって本当にいいんですかね? みたいな気持ちには見ていてなったよ。時代背景もあるしそりゃまあ不自然ではないのかもしれないけれども、そもそもラッセル・クロウがかなりマッチョな俳優ってイメージなのもあって、全体的にそんなに乗れる内容ではなかったなあ……

SISU/シス 不死身の男

 

SISU/シス 不死身の男 [Blu-ray]

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  • ヨルマ・トンミラ,アクセル・ヘニー,ジャック・ドゥーラン,ミモサ・ヴィッラモ
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いやー、コレはさすがにやり過ぎでしょ。強いオッサンを描きたかったのはわかるし、シンプルにしたいのも欲望としてはわかるけれども、それに耐えるだけの強度が画面やストーリーにあるかってのがもっと大事なんじゃないかしら。「マッドマックス 怒りのデス・ロード」だって、シンプルな話ではあるけれども、それが寓話として優れているからめちゃくちゃ面白かったわけで、この話にそう読みたいという欲求が生まれるかというと全然そんなことがないというか。

そもそも「金」ってなんなのかがよくわからんよな。金なんてそれこそ人類の欲望の象徴であって、そこに様々な含意を読み取ることが可能なはずなのに、そういう立て付けになってなくない? そういうの、あったほうが絶対間が持つと思うけどなー。女性が逆襲するシーンも、スカッとはするけれども、それ以上のものになってなくない? という感じ。

っていうか、単にアクションとかだけでみると、そこまで説得力があるわけじゃないのもでかいよなー。おっさんが強いと言うよりも、単純にナチス兵がザコって感じにしか見えない。ってかさすがに、あの縛り首の展開はやり過ぎでしょ。あれで殺し損ねるような兵士、もうさっさと死んでるべきじゃないですかね。