ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

デイ・アフター・トゥモロー

 

デイ・アフター・トゥモロー [Blu-ray]

デイ・アフター・トゥモロー [Blu-ray]

 

今更観た。ザ・ディザスタームービー。当時はCGがすげーだのなんだの言ってた気もするけれども、今見るとこんなアイディアでよく一本映画撮ったもんだよなあと思う。

色々と枝葉のイベントが起こってはいるものの、基本的には信じられないくらい寒い嵐の中を父が息子を助けに行く話ってだけで、自然災害が原因だもんで問題解決にあーだこーだできるワケじゃない。再会は感動的に描かれているけれども、いやあそこで天候が偶然好転しなかったら、皆凍死するしかなかったよねこの展開。電話で無理矢理危機を煽る感じとか、ショッピングモール落下のどうでもいいお涙頂戴展開とか、基本的にはしょうもない話だよなあ。

ただ予算をかけているだけあって、色々見所があるのは確か。息子側の狼ハプニングとかは狭い通路でなかなか見応えがあったし、ニューヨークにタンカーが登場する辺りの超不気味感とかも悪くない。摩天楼を霜が降りてくる見せ方とかは大変おもしろく、縦の空間を使ってああいう演出されるとそれだけでも満足しますはい。なんだかんだこの時間楽しく観れたよね。

にしても大統領あんなお座なりに死んで良いのか。シン・ゴジラでももう少しやったじゃん。

俺たちステップ・ブラザース<義兄弟>

 

俺たちステップブラザース〈義兄弟〉 コレクターズ・エディション [DVD]

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ウィル・フェレルとジョン・C・ライリーが兄弟ってもうそれだけでズルい。なんだかんだいろいろあるけどもう画面の力だけで笑える。夢遊病のシーンとかもう理屈とかどうでも良い。ひたすら爆笑。っていうか、この映画ってそれ以外になにか言わなきゃならないことある? いやー、笑いってホント暴力だわ……だってこのジャケット見てるだけで笑えるもん。

いやマジで感想書くことがないな……だってストーリーももう何でもいいじゃんコレ。クライマックスの外したオヤジスピーチからのドラム&歌唱パートになんか意味を見出せと? いやー無理無理。アレよりなら『チーム・アメリカ』の演説の方がまだまともなこと言えるもん。なにか意味のあることを書こうとする気力を完璧になくさせるあのどーしょーもなさ。普通もうちょっと歌を上手くするか下手にするかどっちにするでしょーに。

いやはやいやはや。感想書いててある意味すげー傑作なのではないかと思えてきたわ。

マジシャン:摩訶不思議な世界

www.netflix.com

4人のマジシャンの生活を追いかけてこんな風に生きてますよ栄光と挫折がありますよ、というのを描いてはいるものの、その描き方がのんべんだらりとしているというか、特に強く訴えかけることもなく「ああそういうこともきっとあるよねえ」で終始してしまうのがなんとも。こういう商売ってそりゃあ栄光を掴んだ後下り坂があったり成功できなくて苦しんだりはつきものなワケで、それを想像力の範囲内で見せられてもなんともナア。ただ興味を失わせないために4つの視点を用意したんじゃないかなあ、という感じもして、まあ実際それで保っているんだから正しいやり方かもしれないけどでもなあ。マジシャンとしての矜恃とか自分がなぜそこまで熱中するか、みたいな側面もそんなに引き出せているようには思えず、見終わって「あーそうかー」以外の感想がない。せめて盗作の問題辺りは、その職業特有の問題としてもっと踏み込まないとダメなんじゃないかなあ。

Netflixオリジナルのドキュメンタリーはこういうのもなんだかんだ結構あり、それはそれで新人の登竜門となっているんだろうなあとは思うんだけど、こういうのに当たってしまうのはやっぱりちょっとしんどいな。というか評価を前の5つ星に戻して欲しい。自分にマッチしてるかどうかなんてマジでどうでも良いのだ。皆が面白いと思っているものと自分の感覚の距離を知りたいのだ。

スカイキャプテン ワールド・オブ・トゥモロー

 

スカイキャプテン ワールド・オブ・トゥモロー [Blu-ray]

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調べたら、元々短編があってそれを元に作成が決まったのか。あーなるほどなるほど納得。いやあもちろんこの時代の摩天楼にレトロロボットが襲撃してをこういうノワールな美術でボン! とやるのが魅力的なのはわかる。こういうの好きな人にはたまらんのだろうなあ。けど、長編コレ一本でやられるのって疲れません?

いや疲れるだけだったら良いのだけれど、如何せん話がどうでもよいというか……意外性もなく順繰り順繰りイベントが起こっていって、別に対して強くもないスカイキャプテンがひとつずつ乗り越えて行くだけだもんなあ。冷静に振り返るとマジでスカイキャプテンってなんなのかよくわからん。

かといって想像力に感服するかというと冒頭の摩天楼のビジュアルがワリとピークで、空中空母とかで今更燃えろと言われてもイマイチぴんとこないしなあ。むしろ隻眼美女の方がグッとくる。なんかあの水中戦闘エピソードだけまあ良くできてたよね。南京の話のほうに興味あるわ。

かいじゅうたちのいるところ

 

かいじゅうたちのいるところ [DVD]

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スパイク・ジョーンズの映画は好きだけど、うーん、これはちょっとやり過ぎちゃったんじゃねーかという感じ。いやまあ愛おしさは隅々にまで漲っているし、それ以上に少年の嘘をバネとしたかいじゅうが持つ危うさが根っこからストーリーを支えていて、それはとても強力で愛らしい作品だなあとは思うものの、強烈に人を選ぶというかなんというか。この監督は他でも色々人は選んでいたけれども、うーん、これはちょっと難しい人も多いんじゃないかなあ。オレは全然乗れない。

まあ、絵本を原作にしてこんな子どもの妄想みたいな内容で一本映画を撮ってしまおうという決断が意味わからんし、でもそれができると決断したんだろうなあ。実際怪獣を中心に据えてわけのわからない展開をボンボン入れることで、全く意味のない意外性が興味をちゃんと引っ張って行けてるもんなあ。それは例えば冒頭の少年の「お話」みたいにかなりクオリティが高くて、単純に技術的な面では感心してしまう。

けどそもそもオレそういう子どものワケわからんお話とかにはあんまり心惹かれないんだよなあ。好きな人は大変好きなのもわかるんだけど。

にしても怪獣の存在感がすごいなあ。怪獣だけでアレだけ画面が持つとは思わなかったよ。

ダンケルク

wwws.warnerbros.co.jp

さかんに言われてるけどこれIMAXで見た方がいいね。じゃないと特にオープニングの縦方向への構図を感じられないかもしれない。左右にフランスの街並みが整然と並んで空の狭さが強調されるショットとか、海辺にこれ見よがしに立つポールとか、あと砂浜に並ぶ兵士の列の縦志向とか。明らかにこれから始まる空海陸の縦の関係性を暗示させる構図になっていて、そこ見落としたらもったいないよね。

しかし映画全体として見たときむしろこれは海の映画であるという印象が大変強い。序盤で縦の印象を強調したからこそ、あるいは縦に長いIMAXの画面であるからこそ、転覆する船のシーンがとても印象に残る。ノーランは破壊のシーンを魅せる監督って印象があったけど、そういえば『インセプション』や『インターステラー』でも地面の方向性が変わるシーンはすごく印象に残ったもんなあ。

陸海空の三つの視点の時間の流れが違ってて……というのがどれだけ有効に機能しているかは正直よくわからん。自分は前にちらっと聞いてたから全然違和感はなかったけど、知らなかったら大混乱だよねえ。はたしてそこまでする理由があるのだろうか。『インセプション』みたいな明確な構造があるわけではないからなあ。

ただし三つの異なった時間の流れを音楽が強烈に結びつけているその体験は面白いなあと思う。監督が脚本を兼ねているからできるつくりだよねえあれ。あとハンス・ジマー。全編ハンス・ジマー鳴りっぱなしで、映画全体が暴力的な印象あるよね。

いやあ、何にせよクリストファー・ノーランって感じ。IMAXで見るが吉と思います。

CASSHERN

 

CASSHERN [DVD]

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なんか最近デビルマン絡みで名前があがってたので「あーそういえば最後まで観てないなあ」と思って見た。いやいや、これデビルマンと同列に話すのはオレはちょっとあり得ないと思いますね。

ってかさ、最初の街の造型だけでもう全然オッケーじゃん。完成度とかそういうのはさておいて、満州のイメージをバックグラウンドにおいた街並みと、ナチス的な対抗勢力みたいな図式を見た時点で、いやまあデビルマンと並べるのはやめてあげなよ、と思いました。クロスカッティングの連発はこの少ない人物と場所でこのスケールの物語を語るのに一応効果を発揮していなくはないし、戦闘シーンの過剰演出は好き嫌いはとにかく力が入っててやりたい気持ちはわかるし、そういう部分拾い上げたら全然観れると思うよ。全然。

もちろん映像が先行して脚本がおざなりになってるのは厳しく、いやそのエピソードスパッと編集して先にいいでしょ? 2時間半近い内容ではないでしょうに、というのは正直ある。クライマックスに近づくにつれて戦争だの生きる権利だのそういう大仰な言葉をキャラクターが連呼してしまうのも大変稚拙だと思う。普通に欠点のある映画として批判するのは、確かにアリ。

アリなんだけど、うーん、やっぱ奇妙な魅力を感じちゃうのが正直な所だなあ。蝶々握って真実を知ることを示すあの演出が、なんで映画全編でできなかったのか。うーん、残念残念。