ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

レゴバットマン ザ・ムービー

 

レゴ(R)バットマン ザ・ムービー [Blu-ray]

レゴ(R)バットマン ザ・ムービー [Blu-ray]

 

お、噂に聞いてはいたけど面白い。

まずはその圧倒的な情報量に呆気にとられる。そもそもがちょっと見慣れない映像のつくりだってこともあって、冒頭で見せる映像のアイディアの量で脳が飽和状態になるわコレ。それに比べて自分みたいな単なる普通の映画ファンには分からないオタクネタメタネタが実写交えてドコドコブチ込まれるわけでしょ。体感普通の映画の1.5倍マシ位のスピード感に着いていくので精一杯でありますよ。

で、そのオーバーフローした脳にガツンと刷り込まれるメタ視点含みのキャラクターの悲哀。メリハリ緩急と言ってしまえばそれまでなんだけど、単なる外連味ではなくて、映画にとってテーマとなる部分を適切な演出で表現することって重要だよね。もうその場面だけでバッチリオーケーって感じであります。

さて、この映画ってメタ視点から言うとさらに興味深くて、キングコングやらサウロンやらバットマン世界の枠組みの外側から敵役がやってきて、ゴッサム・シティ=バットマンの世界観を破壊しようと試みちゃうわけだ。トムとジェリーでホントにジェリーが食い殺されたら作品が終わるよね。まあその世界観破壊のきっかけになったのがスーパーマンってのがアメコミのユニバースの胃袋の強靱さを示唆してるよなーと思わなくもないけど。ってかさらにすごいのはレゴの枠組みか。どんだけレンジが広いんだよレゴ。こんなメタメタなパロディをひとつの作品に包括してしまう概念ってやべーな。ラストのミラクルも「レゴならしょうがねえな」というメチャクチャな力業だもんな。笑っちゃうしかねぇな。

まあ決着から考えると、バットマンが擬似のファミリーを手に入れつつもゴッサム・シティの枠組みを継続する、という落としどころは果たしてどーなの? とは思う。スーパーライトな視聴者視点からは、そもそもファミリーを手に入れないことこそが、ブルース・ウェインのキャラ付けの根幹にあるような感覚だったので。まあそんな偏見も、歴史あるDCの胃袋は呑み込んでしまうのかしらん。