おー文春。こんなのまで連載してなんなんだ文春。すげえな文春。
なんて雑誌の勢いで陽気に見られれば良いのですが、基本的には枯れてるわけです。序盤なんか特に、「これちょっと漫画としてギリギリ成立してないくらいだよな」なんて思えるくらいにカラッカラで、いやまあ前提知識なけりゃあ厳しいよねこれ。
でも自分は一応『しあわせのかたち』くらいからぽつぽつ追いかけている読者なワケでして、震災時のマンガ喫茶のインタビューとか読んでるわけですはい。で、そのカラッカラの内容に、色々深読みしてしまって、でもってそれが後半になればなるほど漫画として面白くなってきてて、あーうんだいぶ回復したのね? とか思ってしまうわけです。
しかしカラッカラになった前半で特に感じるのは、桜玉吉のどうしようもない繊細さであって、日常のどうでもいいようなことにいちいちつっかかって憤慨して、「本当はこういう人だったのね」って素の桜玉吉が見えるような気がするんです。そこから逆説的に、漫玉とかでどれだけ圧力かけてエッセイ漫画を仕上げたか、とかをなんとなく感じてしまうわけです。
『御緩漫玉日記』とか今更ながらに見返して、「ああ、帰って来られて良かったなあ」と本当に思います。本当に。
にしても、いやあ、ほんとなんなんだこの読書体験は。